1995-09-01から1ヶ月間の記事一覧

宗教学者と破防法の関係

昨今袋叩きにあっている宗教学者島田裕巳センセイとは小生、多少顔見知りの間柄であります。だもんで、この四面楚歌に関しては個人的にはお気の毒とは思うが、しかし、弁護するつもりは全くない。いや、良くも悪くも学者らしい、実にやんごとないお人柄で、…

書評・宮台真司『終わりなき日常を生きろ』(筑摩書房)

終わりなき日常を生きろ―オウム完全克服マニュアル (ちくま文庫)作者:宮台 真司筑摩書房Amazon*1 宮台真司は、今どきの「論壇」まわりでは福田和也と並ぶ“いじめられっ子”らしい。 だが、僕は案外買っている。しなびたお勉強屋ばかりで世間離れした言葉を弄…

ニューミュージックマガジン

捜査現場と陰謀史観

『週刊プレイボーイ』十月三日号に「現役・公安幹部の告白」という記事が載った。オウム真理教関係の事件捜査に携わる公安幹部の「独走スクープ」と銘打った派手なもので、八月十五日号に続いてこれが二回目だ。 今回は坂本弁護士事件について。オウムの単独…

オウムの冬、論壇の限界

“核の冬”という言葉がある。核戦争など大規模な核爆発の後に訪れる環境汚染について言われるもの言いだが、それに倣えば、昨今のこの国の「言論」や「思想」をめぐる状況は、もしかしたら“オウムの冬”とでも言えるものかも知れないと思う。 何を言っているん…

宮本常一

*1 昨今、宮本常一とその仕事を語ることが、すでに耐用年数を過ぎて自浄作用も見込めなくなった民俗学の、何か免罪符になっているようなところがある。いずれ狭い学問の世間でのことだが、それでも、宮本常一という名前は、この国のあちこちに埋もれた小さな…

「地球環境」という偽善

数年前、京都で国際捕鯨委員会が開かれた時、鯨捕りの本場、和歌山県太地の漁協の人たちが大挙してデモにおしかけたことがある。 もともとそのようにタバになって何かを主張する、てなことを潔しとしない根っからの漁師さんたちのこと、揃いの鉢巻にプラカー…