1996-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「エヴァ」というできごと

『新世紀エヴァンゲリオン』というアニメがあります。 一昨年秋から昨年にかけてテレビ東京系列で放映され、後半、物語の異様なまでの混乱も含めて爆発的な人気を呼びました。その後、ビデオやレーザーディスクになったものも驚異的な売り上げを示し、来春に…

毎日新聞

猿岩石の正義

なんてったって猿岩石問題である。ユーラシア大陸横断ヒッチハイクと言うけれど、タイとミャンマーの間を飛行機に乗っていた、これは「やらせ」だ、と新聞がやった。 「で、それがどうしたの?」というのが大方の反応だろう。少なくとも、猿岩石のあの悪戦苦…

「消費者」の横暴

武豊と佐野量子の結婚式が大々的に報道された。騎手のプライベートがここまで大きなニュースになっちまうってのも、やっぱりそういう時代なんだな、と改めて思う。 競馬も今やテレビ中継が多くなり、そうなるとレースに勝つのはいいけど、そのたびに眼に星散…

オウム特別指名手配犯の「場所」

いやはや、びっくりした。特別手配されていたオウムの北村、八木沢両容疑者が一年半潜伏していたというマンションは、実は小生の実家のすぐ近所であります。なんだあんなところにいやがったのか。 と同時に、どんよりと実にやりきれない気持ちになった。今ど…

マンガ評・唐沢なをき『電脳なをさん』(アスペクト)

唐沢なをきの新刊『電脳なをさん』(アスペクト 一六〇〇円)がいい。 もとはコンピュータ雑誌『EYE−COM』(アスキー)に連載されていた作品だが、担当編集者による巻末の解説(よくまとまっている)に「20年前の四月馬鹿に、高校の同級生ふたりが作…

西日本新聞

「有名人」ということ

「有名になりたい」と言う人が世間には少なくない。「だって、有名になればおカネが儲かるでしょ」とのたまう。おカネになるような有名がいい、ということらしい。でも、有名になって本当に儲かるのは本人ではなくて、そいつを有名にさせその状態を維持して…

CD市場、退潮の気配

SWEET 19 BLUESアーティスト:安室奈美恵エイベックストラックスAmazon この不景気な時代にわが世の春を謳歌しているかに思われている音楽CDの売り上げだが、どうやらこれがひと頃に比べて落ち込み始めたという噂が飛び交うようになっている。 「アムラー」…

ガンと闘う、ということ

ベストセラー『患者よ、がんと闘うな』の著者、近藤誠氏に対してガン治療学会の会長が全面対決を申し出たそうであります。先の本誌でも近藤氏がつるしあげを食ったという学会の様子が報道されていた。にぎやかなこってす。 近藤氏の主張はごく大ざっぱに言っ…

書評・C・ギアーツ/森泉弘治・訳『文化の読み方/書き方』(岩波書店)

大学院生の頃、ギアーツを原書で読めたら一人前、とよく言われた。ひとつのセンテンスが異様に長い。文意がとりにくい。あいつは『ヌガラ』(ギアーツの大著)を三日で読んだ、といったいかにも八〇年代的な秀才伝説の培養基になったりしたのもそのためだ。…

東京新聞

「都市」という嘘

*1 ● 東京都の出している広告がどうにもいたたまれないものになって久しい。新聞や雑誌といった紙の媒体はもちろんのこと、その他の媒体でもテレビであれラジオであれ、印象は基本的に同じだ。エイズ防止キャンペーンで文化人やタレントたちを並べて親しさを…