1996-07-01から1ヶ月間の記事一覧

なぜ、「家族」がそんなに気になるの?

*1● 「今、家族はどう描かれているか」というのが、ひとまず与えられたお題であります。 もちろん、ここは『海燕』というお座敷でありますからして、これには「今の日本のブンガクにおいて」という限定条件が暗黙のうちについていたりするわけです。 ただ、…

「郵政大臣官房総務課課長補佐」中村伊知哉さん 前編 

もらった名刺の肩書が「郵政大臣官房総務課課長補佐」。おお、こりゃバリバリの若手官僚であるぞ。 「官僚」というと何か無条件で悪いヤツというイメージになっちまってる昨今だが、しかしその実体はなかなか見えてこない。とりわけ、三十代以下の若い世代が…

EYECOM

岡崎京子の「受難」

「そう言えば、岡崎京子どうしちゃったんだろうね」 今どきの東京の女子高生にしてはおとなしめな制服の着こなしをしたふたりが、とある書店のマンガ売場でこんな会話を交わしていた。 九州などではどんな状況なのか知らないけれども、東京の主な大型書店で…

書評・中野 翠『会いたかった人』(徳間書店)

会いたかった人作者:中野 翠徳間書店Amazon 中野翠ってもっと若いんだと思ってた、と言う人がよくいる。ひとまずごもっともな感想ではある。 雑誌編集者的世界観からすれば「女性コラムニスト」とひとくくりにされがちなもの書きたちの中で、仕事だけで判断…

西日本新聞 マンガ評 

伊藤穣一さん 後編 

二十代にして今の日本のインターネットまわりの世間じゃみるみるちょっとした顔になったという時代の寵児、伊藤穣一さんにお話をうかがっております。そのとんでもない最先端ぶりの一端をさらにたっぷりお楽しみ下さい。 ――インターネット以前に、今の日本人…

文筆業者の台所事情

*1 作家であれ評論家であれ、いわゆる文筆業者たちが実際は執筆よりも地方の講演活動で食べている、という話はよく耳にする。一回の値段はさまざまだが、謝礼の相場は一時間半で三十万円から五十万円程度。高い方では二百万円などという人もいるという。講演…

O-157騒動勃発

へえ、学校給食で食中毒か、夏場だからある程度はつきものみたいなものだけど、やっぱり生ものには気をつけないとなあ、と思った程度で最初はざっと読み飛ばしただけ、ごく小さなニュースだったのが、あれよあれよという間に大騒ぎになってしまった。言うま…

文筆業者の「講演」の相場

作家であれ評論家であれ、いわゆる文筆業者たちが実際は執筆よりも地方の講演活動で食べている、という話はよく耳にする。一回の値段はさまざまだが、謝礼の相場は一時間半で三十万円から五十万円程度。高い方では二百万円などという人もいるという。講演の…

美当一調、「軍談語り」の栄光

● 勤め先の博物館で、浪曲についての展示をやることになった。浪曲、つまりは浪花節だ。今やほとんど忘れられてしまったけれども、明治の後半から大正、昭和にかけて、戦後も高度経済成長期あたりまでは圧倒的な人気を誇った国民的芸能。今の五十代から上の…

武蔵野美術  ささやかな昔

シンザンとその時代

これは今週当然リストアップされると思っていたのだけれども、うーん、やっぱりこういうニュースは今どきちょっととりあげにくいのかなあ。 何がって、ほれ、かつての五冠馬にして当年とって36歳という驚異の長寿記録を保持していたサラブレッド、シンザン…

オヤジ狩りの背景

仕事の関係でしばらくアメリカに出かけていた友人が帰ってきて曰く。 「おい、日本の若いモンって急に服のセンス悪くなってないか?」 もともと生粋の街育ち。仕事だけでなく遊びの方もそれなりにこなしていた人間なのだが、その彼に言わせると、今どきの下…

伊藤穣一さん 前編 

インターネットは英語を読めなきゃ話にならない。だからありゃ英語帝国主義の先兵で、と小生言い張るのだが、そんな能書きこいてる間にそのインターネット英語の解説本を書いて商売した男がいる。伊藤穣一さんという。まだ二十代というが他にもあちこち顔を…

EYECOM

「税金のムダ使い」の落とし穴

青島幸男東京都知事が一週間ローマに出かけたそうである。何でも姉妹都市の調印式に出席するんだとか。 それがどうした、である。知事の仕事ってのが具体的にどういうものかよく知らないけれど、常識的に考えれば、何も議会で答弁したり書類にハンコついたり…

カルチュラル・スタディーズ・考

*1 「カルチュラル・スタディーズ」というもの言いが、近頃目に立つ。 文芸批評あたりを発信地に、文学研究や美術史や社会学、文化人類学といった方面がより熱っぽい。いわゆる歴史学にしても近代史あたりにぼちぼちかぶれる手合いも出始めているように思う。…

「いじめ」の国際化?

先日、「いじめ」についての国際シンポジウムが開かれたという。背景はよく知らないが、サッカーくじや大学再編の問題を見てもわかる通り、今どきの霞ヶ関の論理の中で自己主張に血道をあげる文部省あたりが後押ししてでっちあげた代物でなけりゃ幸いだ。 間…

「いじめ」の国際化?(草稿)

つくづくいやなご時世だと思う。「いじめ」まで国際シンポジウムときた。背景はよく知らないけれども、いまどきの文部省あたりが後押ししてでっちあげた代物でなけりゃ幸いだけど。 何度も言ってきていることだけど、また言うぞ。「いじめ」はまず徹底的にナ…