1997-03-01から1ヶ月間の記事一覧

「脱藩浪人」の弁

仕事を辞めた。 国立大学、およびそれに準じる職場に八年間勤めたことになる。退職金は給料の約八ヵ月分。公務員はとにかく年金がつくまでいないと損だよ、とはまわりから耳タコに言われてきたけれども、なるほど改めてそう思った。とは言え、そんなもの目当…

「歴史」の回復のために――生方敏郎『明治大正見聞史』(中公文庫)

「歴史」というもの言いがあちこちで取り沙汰されるようになっています。 この四月から採用される中学校の歴史教科書の中に、いわゆる「従軍慰安婦」についての記述が入るようになる、そのことについての議論がひとつのきっかけだったことは間違いありません…

書評・与那原 恵『物語の海、揺れる島』(小学館)

物語の海、揺れる島作者:与那原 恵小学館Amazon *1 阪神大震災の直後、被災地を中心にレイプが多発している、という噂が広まった。ボランティアの若い女性が瓦礫の中に引きずり込まれて暴行された、車で遠く連れ去られて強姦された……各メディアはこぞってこ…

週刊ポスト

「久米調」の未来

テレビのニュース番組で、キャスターが何か事件を伝えたその後にちょろっと何かコメントをつける、というスタイルがあります。それはキャスター個人のコメントであるようで、しかし実はそうでもないようで、という微妙なあたりを一発で狙い撃ちするのがまさ…

メディアに顔を出す、ということ

地下鉄に乗ったら、『サンデー毎日』の車内吊り広告に自分の顔写真が載っているのを発見。あちゃ、しまった、と思ったがもう遅い。いたたまれない。いや、そんなの自意識過剰で実際は誰も気になんかしていないというのは百も承知しているんですけどね。面目…

「歴史」がその輪郭を変えてゆく

● 「歴史」がその輪郭をみるみる変え始めています。この世紀が変わる頃までには、われわれ日本人にとっての「歴史」のありようは、少なくとも戦後半世紀の間共有してきたそれとはずいぶん違ったものになってゆくような気配が、良くも悪くも濃厚にあります。 …

地震予知、という嘘

伊豆方面で地震が続いております。このあたりを震源地とする群発地震は過去にもあったとは言え、今回のはちょっと様子が不気味であります。 ただ、東日本に住んでる人間は「いつかは来る大地震」にずっと脅され続けているもので、まあ、生きてるうちにいずれ…