2009-01-01から1年間の記事一覧

民主党以前/以降

● 民主党政権以前と以後、という分け方が、もしかしたら将来、いまの時代を語る時にされるようになるのかも知れない、そう感じています。 何がどう変わったのか、日々の視線からはよく見えないまま。なるほど、自民党が永田町を制御していたついこの間までと…

書評・小野俊太郎『人間になるための芸術と技術――ヒューマニティーズからのアプローチ』

人間になるための芸術と技術―ヒューマニティーズからのアプローチ 作者: 小野俊太郎 出版社/メーカー: 松柏社 発売日: 2009/12/01 メディア: 単行本 クリック: 21回 この商品を含むブログ (4件) を見る 副題とは言え、このご時世になお真正面から「ヒューマ…

「母子加算」復活是非

――なぜ母子加算の復活に反対か 「かつて日本人は、どんなに生活が苦しくても?お上(公的機関)の世話?にだけは極力ならない、という感覚があった。身内や仲間、地域で頼れる人がいない身の上を認めるようなものだったから、恥ずかしい、という意識も宿った。…

自民党≒限界集落、説

「限界集落」というもの言いがあります。過疎がさらに進んで高齢化と合わせ技のどんづまり。近世以来のニッポンの「ムラ」の断末魔、です。 失礼ながら自民党、もしかしてこの「限界集落」状態なのでは? ああいう結果の衆院選、「戦後」で「昭和」な老体ばかり…

せめて希望だけは……

もう本当にやめてくれればいいのに――うめくような声が、あちこちであがり始めています。 選挙で民主党が勝ったから、廃止の補償もたくさん出るようになるんじゃないのか、だったら今こそラクになるチャンスでは――そんな思惑が交錯し、また厩務員組合の周辺な…

トップと底辺の関係

「ニッポン競馬」と口にする時、僕のイメージする競馬には必ず地方競馬が含まれています。それに対して、普通のファンは言わずもがな、調教師であれ生産者であれ馬主であれ、いわゆる競馬関係者であっても、日本の競馬と言う時のイメージはほとんどの場合、J…

鳩山由紀夫=近衛文麿、説

「現在が一つの「転形期」であるという切迫した認識は、昭和10年代をつらぬく思想の核心部分でもあった。そして、その意識の一般化を媒介したものは、ここでもやはり普遍史の理念をつたえたマルクス主義にほかならなかった。」 ――橋川文三「昭和10年代の思想…

正論

改めて、電網空間の来歴

縁あって一隅に居場所を定めてもらって数年、改めて、来し方を振り返ってみる。 電網空間というものが現実に姿を現わすようになって、すでに10年以上。はじまりというのはいつも茫漠としたものなのが常だが、こと電網空間に関してもその起源は人によって、も…

正論 名無しの品格

平成の施餓鬼会?

乞食じゃねえやい、と憎まれ口のひとつも叩きたくなるほどの太っ腹。「公」による盛大なバラまきが始まっています。定額給付金に始まり各種補助金、支援金、奨学金、果ては埋蔵金まで、名目は何であれ、おのれの腹の痛まぬ類の財布から気前よく投げてよこさ…

「たかる」側の器量

「50億」という数字が最近、馬産地を歩くとたまに聞こえてきます。いったいどうやって使うんだよ、という自嘲気味のせりふと共に。 5月の末でしたか、農水省が発表した馬産地再生のために投入される補正予算の総額。三年間で、ということでしたが、馬産地…

「丸さん」のこと

佐倉の歴博にいた頃、共同研究に加わってもらってました。もとは、北九州大に勤め始めた重信氏が「九州でオモシロい人がいる」というので、紹介してもらったのが最初だったかと。福岡市博の福間氏なども含めて、地元の若い民俗学者や歴史学者その他を従えて「…

語られるべき「炭鉱」とは?

炭鉱は、いつも最前線でした。何の? わがニッポンの、あのとんでもない「近代」の。 鉄と石炭とが「近代」の土台を、あらゆる産業の根幹を支えていた。そんな時代、最も熱く、煮えたぎるようにならざるを得ない、身体を張った生の場所のひとつが、炭鉱でした。 …

競馬の「プロ」養成を

地方版ではありますが、この種の事実が新聞に掲載されて明るみに出るのは珍しい。 でも、これは全国どこの競馬場でも同じようなもの、こういう「競馬議会」というのは、見事に競馬のことなど何も知らないセンセイばかりで構成されていて、何もしないで年何回…

追悼・平岡正明

いつの頃からか、「趣味? 革命」と言ってのけるようになっていた。「革命」と「趣味」との間の、かつてあり得た距離感を前提にしないと、この男前ぶりはわからない。そして、それを敢えて腕力一発、ぐいっ、と手もとで引き寄せようとする天衣無縫と、読後かすかに…

産経新聞

「民意」のありか・ 2009年衆院選

● ともあれ、いよいよ選挙である。衆議院の総選挙である。何も偉そうに野党に言われずとも、確かにひさかたぶりの「民意」を示す絶好の機会……のはずである。 前哨戦と言われた都議会選挙は、ご承知の通り、民主党のひとり躍進の結果に終わった。なるほど、自民…

総選挙のポイントは?

この一年ばかり、民主党以下マスコミぐるみであれだけ必死に煽ってきた割にはなかなか実現しなかった「解散、総選挙」ですが、ここにきてようやく現実のものに見えてきました。 その今回の衆院選の、意外に見落とされているポイントをふたつ。まず、平成生ま…

競馬で生きてゆく、そのキモチ

「人サマのおカネに手を出したらつかまるじゃないですか。借金したら返さなきゃならない。でも……」 折悪しく強まった雨脚を気にする風でもなく、手にした飲みものを軽く揺するようにしながら、その彼はこう続けました。 「……競馬に積んである賞金だったら、…

競馬とブログ

アグネスタキオン急死、のニュースが、初夏の気配の一日、競馬の世間をかけめぐりました。サンデーサイレンスの後継種牡馬として現状、おそらく最有力だったことは誰しも認める実績をこのところ残して、これからシーズンたけなわの今年のせりでも産駒がバイ…

「ゆとり」大学の最前線

大学もやっと世間並みに、のようです。中身じゃない、このところの淘汰再編の顛末です。 上から下まで、少子化に伴う構造的な経営危機が平等に襲来、「ゆとり教育」の弊害による「学士力」の低下、ロースクール以下考えなしの大学院改革から、特亜限定かのご…

ジャーナリズムの「本領」

*1 ● メディアの現場でいま、ほんとに何が起こっているのか、誰もが気にするようになってきています。なのに、それでもその〈リアル〉について、つぶさにことばにされることはほぼないまま、です。 このことは、これまでも折に触れて指摘してきました。いわ…

「馬方」の記憶

ふだんの生活、日常に馬の姿がほとんどいなくなった国、にあたしたちは暮らしています。わずか三、四十年のうちに、みるみるうちに馬という大きな生きものを暮らしの中から追放していった社会。なのに、その時期に「競馬」という装置をほんとに信じられない…

「論壇」の行き着く先

● おい、この期に及んであんまりみっともない真似するんじゃねえ、と挨拶がわりに、まずは一喝。『諸君!』休刊に代表される、昨今の「思想」「言論」誌周辺の総崩れに対するメディアの舞台での侃々諤々、に対してであります。 たかが雑誌のひとつやふたつ、…

ゴーマニスト、また人となり給う

● 何ひとつ変わらない、変わる意志さえどこにあるのか全く見えない。脊椎動物とは思えない。くらげなす漂えるがごときこの頼りなさは今に始まったことでもないが、それにしてもまた一段と事態は深まるばかり。 我が国最大野党の代表選挙のから騒ぎは、政治不…

海の向こう、などいらない

ああ、相も変わらず「国際化」ですか、そうですか。 小倉競馬場が、韓国はプサン競馬場と姉妹提携を結んだそうです。これで、JRAの競馬場はどこもどこか海外の競馬場と提携を結んだことになるとか。なるほど、ジャパンカップ創設以来四半世紀以上、すでに時…

新たな首長たちへの期待値

橋下徹の大阪府に東国原“そのまんま東”の宮崎県、さらに河村たかしの名古屋市に森田健作の千葉県まで新たに名を連ねました。このところ何かと注目を集める、新しい自治体首長たち。元の肩書きが何であれ、いずれメディア露出の多かった人たちですから、やれ…

せり場の「元気」

せり、のシーズンが始まりました。すでに九州でのトレーニングセールなどは日程が消化されていますが、札幌競馬場での二歳馬トレーニングセールとそれに引き続いて、ひだか東でも、ほぼデビュー可能なところにまで仕上がった二歳馬たちが市場に姿を現わすせ…

「団塊」的知性論

*1 団塊の世代の、特にプチインテリ層 (関川夏央ならば「知的大衆」と呼ぶかも知れません) 特有の世界観や価値観、というのは、そろそろまともに、言葉本来の意味での「歴史」的な文脈での考察対象にしておいた方がいいと思われます。 単なる「サヨク」だの「…