2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

「貧しさ」の語られ方について――「サムライの子」をめぐる〈リアル〉の諸相

*1 ――つねにわたしたちの論拠は〈児童文学〉という限定された、しかも複雑怪奇とまでいわれるほどに特殊な分野であって、そこに生起するさまざまの事象は文学一般の概念規定とはくい違うほどに独自の、偏狭な意味内容をもつ曖昧なことばによって表現されるこ…

「残酷物語」の時代・ノート――「鼎談・残酷ということ」から

● 今から59年前、1960年8月発行の雑誌『民話』第18号に、「残酷ということ」という「鼎談」が掲載されています。*1 出席者は岡本太郎、深沢七郎、宮本常一の3人。それぞれ芸術家、作家、そして民俗学者として、その頃それぞれ話題になっていた文化人たちで…