ジェンダー

小谷真理vs.山形浩生事件(笑)、はこう読め!

*1 ああ、キモチ悪ィ。二日酔いの胃袋にバリウムをむりやり五リットルくらい流し込まれたみてえなキモチ悪さ。胸やけしまくって吐き気がとまらねえや。こうなるのがわかってたから実はこの原稿だけは、仕込みだけはずっとやりつつ、テキストにするのが剣呑で…

阿川佐和子、という謎

阿川佐和子が謎である。つくづく謎である。謎であることを敢えてまな板にのせられることすらないほどに、その存在とキャラはいまどきのニッポンメディア界隈の正面切って指摘されない、しかしかなりに大いなる謎、なのである。「育ちの良さ」というのをここ…

山田美保子という風土病

山田美保子というビョーキがある。わかりやすいんでそう名づけている。 主に「コラムニスト」と呼ばれるようなもの書き界隈の風土病。オンナがとりつかれることが多いし、症状も確認しやすいのだけれども、実はオトコにだって密かに感染してたりするからこと…

田嶋陽子、かく闘えり!(笑)

しかし、これほど世間に注目された選挙も近年、珍しかったのではないでしょうか。いや、ほんとに。 他でもない、先の統一地方選挙で神奈川県知事候補に名乗りをあげた田嶋陽子センセであります。 この御仁については、もう説明なんぞ不要でしょう。考えなし…

辻元清美的なるもの、の考察

*1 あまりに急にいろんな展開がありすぎて、追いかけるだけで息が切れる、というのが正直なところの、昨今の辻元清美がらみ、社民党崩壊過程のすったもんだであります。 「ムネヲ」こと、鈴木宗男叩きの立役者にして、テレビや新聞・雑誌にやたらと顔を出す…

思いっきりおおざっぱな「ラブコメ」・試論

*1 ● ニッポンのマンガ表現において、「少女マンガ」「少年マンガ」という分類が、事実上意味をなさなくなったのは、おおむね1980年前後のことでした。 具体的には、『タッチ』『みゆき』に代表されるあだち充の一連の作品あたりから顕著になり、高橋留…

座談会「女性がつくった男性商品」

*1 ●深窓の令嬢から一転<ヌードグラビア担当!? 大月 本日の司会を務めます、大月です。まずはみなさんに簡単な自己紹介をしていただきましょうか。 江部 キリンビールの江部です。ビールと発泡酒の新商品を開発しています。最近では、夏季限定の発泡酒「常…

田嶋陽子はバカである

● 田嶋陽子はバカである。これはすでにニッポンの常識である。なのに、選挙で四十万票も獲得して今や国会議員。これもまた事実である。 とある週刊誌に頼まれて書いた何でもないコラム原稿のこんな書き出しの部分にも、昨今、編集部からは慇懃無礼な電話がか…

TV評・「TVタックル」

田嶋陽子は「バカ」である。これはすでにニッポンの常識である。なのに、選挙で四十万票も獲得して今や国会議員。これもまた事実である。その「バカ」が先日の国会代表質問で「バカ」全開、ビン・ラディンを捕まえるな、話し合え、と吠え、あげくは「笑うな…

【草稿】「女性がつくった男性商品」座談会

*1 大月 おはようございます。大月です。 きょうは、女性の立場から見た男性商品ということで、全然業種もあれも違う、どうしてこんなにばらばらなんだって、おれ、言ったんだけれども、まあ、皆さんも、全然、それぞれお立場は違うでしょうから、その辺を含…

オンナの書評、の立ち位置

オンナのもの書き、ってのは、これだけ女性の社会進出がどうたら言われ倒しているにも関わらず、未だにやはり少数派であります。 ただ、書評の世間に限っては、案外にオンナのシトが幅を利かせてたりする。それって、テレビのキャスターなんかにお約束みたい…

フェミニズム、ってのがありまして……

かつて、フェミニズム、ってのがありました。 ました、って過去形にしてるのは、もう実態としては「イズム」なんて代物じゃとうになくなっちまってるってことを前提にしてるんですが。 ニッポンのフェミニズムってのは、基本的に「オヤジ」とセットで考える…

拝啓、『朝日新聞』記者 高橋純子様

拝啓、『朝日新聞』記者高橋純子様。七月一三日付けの朝刊に載ったあなたの「記者だって気に入られたいけど…」という記事、拝読しました。 「私だって、取材相手に気に入られたい。森首相が言うように『かわいいところがあるじゃないか』と思われたい。だが…

いいオトナが女子高生について朝まで討論すんなよ

他人の仕事にちゃんと眼を配るというのは、どんな稼業にもあることだと思う。 雑誌などでは吹けば飛ぶよな読まれ方をされがちなコラム系もの書きにしても、不肖大月、実はこれでも同業者としての個人的な好みってのもありやして、たとえば神足祐司のいかにも…

「ストーカー」にも歴史あり

「ストーカー」というもの言いが、最近流行りのようです。テレビドラマにも取り上げられたり、例によってそういう手合いに悩まされている女性の相談窓口みたいなものもできている様子。 でも、男であれ女であれ、自分勝手に思い込んだ相手をつけ回したりする…

オンナたちの孤独――「東電OL殺人事件」をめぐって

● 「東電OL殺人事件」の語られ方は、例によってメディアの舞台にある発情をもたらしています。 だいたい、これって殺人事件ですよね。で、彼女は被害者ですよね。なのに、その犯人像の推測などはほぼそっちのけ、ただただその被害者である「彼女」の輪郭に…

女性騎手、の現在

「いじめで強制退学させられた」という中央競馬の競馬学校の元女生徒の訴えが棄却された。彼女は競馬学校騎手課程の女性第一期生のひとり。訴えの内容を見ると「いじめ」というよりむしろ「セクハラ」なのだが、事実とは別に、彼女がそう訴えたくなる雰囲気…

援助交際の向う側

少し前、「コギャル二人、ホストクラブ借金返済のため売春300回」というニュースに対して、そういういかにも「ああ、いまどきの十代の話ね」という印象を喚起するニュースって果たしてどこまで本当なの? という疑問を呈したところ、何人かの読者から「よ…

書評・『ドキュメント 綾さん――小沢昭一が敬愛する接客のプロフェッショナル』(新しい芸能研究室)

ここで小沢昭一さんが話を聞いている「綾さん」は、早い話がトルコのお姉さんです。今はソープランドって言いますが、彼女が現役で売れっ子だった六〇年代は、サービスの内容がマッサージからスペシャル、そして本番へと移行してゆく時期。売防法で行先のな…

「ムラによって違う」の底力――赤松啓介vs.上野千鶴子『猥談』刊行に寄せて

「そらあんた、ムラによっていろいろ違いがありますわぁ」 こちらのつたない問いかけに対して、実に人のいい顔をしてにっこり笑いながらつるりと頭をなでる、そのしぐさがいつも眼の底に深く焼きついた。 「呵々大笑」というもの言いにそのまま実体を与えた…

解説・赤松啓介×上野千鶴子『猥談』

猥談―近代日本の下半身作者:啓介, 赤松,千鶴子, 上野現代書館Amazon● いやあ、長かった。 やろう、ということになってからなんと五年。別にサボっていたわけではないことは、 版元である現代書館と担当編集者の村井三夫氏の名誉のために言っておきたい。結構…

誰もが和服を着ていた頃

カラオケ上手でラップが好きという若い関取の話を、どこかで読んだ。 スチャダラパーの「今夜はブギーバック」が十八番で、それも実にノリがいいのだという。それでも、彼は「お相撲さん」という世間の視線が要求する身振りに忠実に、求められればジョッキで…

岩田準一。志摩の入江に宿った 一途で美少年好みの小さな学問。

テーマは一貫して男色。昨今取りざたされることの多い、かの南方熊楠との間にも、たっぷりと往復書簡が残っている。 男色とひとくくりに言うものの、今はよくわからないものになっていて、ゲイだの何だのといきなりの横文字に突然この世に舞いおりたようにさ…

芸者と花柳界にとっての「戦後」

戦後五十年、というかけ声があちこちで聞かれる。 この五十年という時間に今さら何か意味があるとすれば、ただひとつ、それが生きた人間の記憶の巡り合せとしてほぼひと区切りである、ということだろう。二十歳の人が七十歳に、三十歳は八十歳に、ということ…

石坂啓、許すまじ

仕事がらみで、妊娠・出産関係の本や雑誌を読むことが少なくない。少なくないと感じるほど、たくさん出ているということだろう。 それらは、個々の持ち味によってというよりも、どうやら子供を産むという体験についての報告本、予習本、マニュアル本として読…

「旦那」と「いろ」と「まぶ」の間――あるいは、日常の“どうでもいい”部分についてのささやかな考察

*1● 先日、とある人から電話をもらった。 某官庁の財団法人として作られたという団体の、まだ若い研究員だった。「遊び」を対象とした共同研究を組織しているのだけれども、民俗学から見た「遊び」といったことについて何か教えてもらえないだろうか、といっ…

「公衆便所」の栄光――岡本夏生と飯島 愛

監督は岡本喜八。脚本は森崎東。タイトルはズバリ、『夏生の従軍慰安婦』。こんな映画、撮れないもんかね。いい反戦映画になると思うんだけど。 こういう馬鹿話に破顔一笑、いいねぇ、と笑ってくれる人間というのは信頼できる。ただし、何に対するどういう信…

井田真木子の大けが

人間、向いていないことをいきなりやると大けがをします。文春の月刊女性誌『クレア』で始まった井田真木子さんの連載コラムが、まさにそういう大けが。一読者として診察する限り、このままだと出血多量で失血死しかねないような瀕死の重傷です。 「みんなの…

うまく「オヤジ」になってゆくための知恵

*1 高校でも大学でも、あるいは予備校なんかでも一向に構わないんだけど、そういう「学校」を出て働き始めて、数年たってからクラス会でも開いたとするでしょ。そういう時、女の子たちが呆れたような会話を交わすのにこれまで何回も出くわしてる。 彼女たち…

「89」の延長戦だぜ

もう遠い昔のことのような気がするが、そんな気がしちまっていいわきゃないのでここは萎える気持ちを無理矢理奮い起たせて書く。 マドンナブームというのがあった。あれでバブって当選した連中は今回ほとんど落選したけれども、彼女たちが任期の間一体何をや…