世相

世相史は、いつも後知恵で

自分の生きてある〈いま・ここ〉と地続きの時代の流れ、自分以外の他人を介してもなお未だ生身を介しての地続きではある「ほんのちょっと前」――only yesterdayな過去、いわゆる現代史、時には世相史や生活史と呼ばれもするような間尺の、それも日々の暮らし…

瞑目して「うたう」こと、の来歴

先日、ヘンな夢を見ました。ふだん、あまり夢は見ない方なのですが、だから余計に印象に残ったらしい。 手もとの紙に書かれた詩のようなものがあって、それらを実際に「うたう」ことを求められている場に自分が居合わせていて、しかもそれをカラオケのように…

「学者」って、なあに?

学者の世間離れ、というのは何も今に始まったことではありません。 一般的なイメージとしても、またある程度具体的な実態を伴った見聞、身の丈の経験値としても、いわゆる「学者」というのは「世間」「浮世」のあれこれからかけ離れた、超然とした存在という風に…

「宣伝・広告」と「放送」媒体の必然

● ラジオが「ナマ放送」であることの「臨場感」を大事にしていたこと。そしてそのような初期のラジオの媒体としての自覚が、すでに巷に出回っていたレコードを放送に乗せることをどうやら忌避していたらしいこと。 その一方で、ラジオは「家庭」というたてつ…

街に流れるうた、の転変

● 「世相」というのはいつも眼前を通り過ぎてゆくものであり、だからよほど意識しておかないことにはそれと気がつかないし、だから書き留められ「記録」になることもない――〈いま・ここ〉というのは常にそんなもの、です。 だからこそ、日々の暮しは必ずそれ…

【改稿分】TOKYO2020の見せた「希望」

*1 *2 *3 ● 「老害おじさん炙り出し競技でもあるのかと思ったオリンピックでございますわよ」 閉会式の8月8日夜、Twitterに流れていたとりとめないつぶやきの中の、ほんのひとつ。何気ないひとことで何かをうっかり射抜いてしまう――ああ、世間一般その他お…

広告・童謡・歌謡曲

● 流行歌の歌詞を作るということが、世間一般その他おおぜいにとってのわかりやすい「一発当てる」という夢の依代になっていたこと。特に稽古をしたり、師匠や先生について修行を積んだりすることをしなくても、またそのための特別な道具をそろえたりするこ…

本邦いまどきの「ポリコレ」・考

● 明らかに何かがおかしい。いや、前からおかしくなってきているのは確かでしたが、ここにきてまたそれが一段と加速、もはや何か取り返しのつかないところにまで事態の底が抜けて、見渡す限り何やら煮崩れ始めたような印象です。 他でもない、昨今「ポリコレ…

「歌謡」と「曲」の来歴

● 戦前、ざっと大正末期から昭和初期にかけて、「童謡」と「民謡」はうっかり隣り合わせになり始めていた。そこでは「童」と「民」、つまり「子ども」と「民衆」≒普通の人々が、共に「謡」≒「うた」を媒介としながら、文字・活字ベースの情報環境で編制された〈知…

「読者の集い」にお招きを

*1 『宗教問題』読者の集い、という催しにお招きを受け、出席しました。 昨年暮れ、押し詰まった東京は池袋。コロナ禍はすでに日常化していたものの、例のGO-TO政策もあってご当地北海道から東京へ行くのは、飛行機代と宿泊費コミで申し訳ないくらいの値段に…

「放馬」について

*1 *2 *3 ・地方競馬だけで事故が続いてしまっていることと、その理由についてお考えをいただければと思います。地方競馬全国協会の方は、「『河川敷のような場所』と『改善できない経営状況』が理由では」ということをおっしゃっていましたが… まず、確認し…

「そういうもの」という領分

実は昨年来、職場でちょっと大きなトラブルが生じていて、その対応にあれこれ奔走していたのですが、今年に入ってから3月の年度末にかけてその案件がいよいよ煮詰まってきて、内部ではどうにも始末がつけられなくなり、外部の関係諸方面に訴えて事態の打開…

新型コロナウイルス騒動の「効果」

*1 中国は武漢発の例の肺炎、当初の予想を越えて世界規模で猖獗を極め始めているような気配があります。この原稿が活字になる頃には、またどうなっているかわかりませんが、少なくとも今、1月末の時点では、政府のチャーター便で帰国した邦人たちの間にも感…

生きものの「死」の現在

先日、猫が一匹、亡くなりました。新千歳空港の駐車場で推定生後2ヶ月くらいで拾って以来18年、概ね老化と老衰の結果で、まずは大往生と言っていい逝き方でした。先に昨年9月、これは名寄の保健所でわけありの飼育放棄で保護されていたのを縁あって引き…

ランドセルと北海道

*1 *2 関連のご当地『北海道新聞』新聞記事 NA)ところで、ランドセルって何年生まで使いましたか? 道民への街録ON ★6年生まで使っていない ★何年生で何に変えた?なぜ?変える事への抵抗なかった? 「周りが変えていたから」「ランドセル格好悪いから…

からあげクン、と、天皇

元号が変わりました。Webを介した世間では、「退位」か「譲位」かで物議を醸したり、はたまた「上皇」をどう呼べばいいのか、「陛下」になるのかそれとも「上皇さま」でいいのか、などなどあれこれ些末な悶着が例によってメディアの舞台を反響板としながら流れてゆき…

ホワイトイルミネーションを見ると別れる?

*1 カップルが別れるジンクス、のある名所なり観光スポットなりはすでに全国いくつもありますね。ディズニーランドや観覧車、水族館などに並んで、ホワイトイルミネーションのようなライトアップイベントもそういうスポットの割と定番みたいです。 カップル…

ハロウィーン、当世風

クリスマスだのバレンタインデーだのに続いて、今度はハロウィーン。海外由来の、それも商売がらみで普及していったそういうお祭りの類、昨今のもの言いだと「イベント」になるのでしょうが、まあ、これまでもあったことだし、新手のそういう類の流行りもの…

〈おんな・こども〉ということ

〈おんな・こども〉というもの言いがあります。というか、ありました。 今やうっかり使おうものなら、文脈その他すっ飛ばして、とにかく「使った」ということ自体でえらいことになりかねない、そういう意味ではすでに死語というか、それこそ「ポリコレ」(ポ…

「セクハラ」雑考

「セクハラ」が、日々あちこちで喧伝されております。 テレビや新聞、週刊誌といった既成のマス・メディアは言うに及ばず、いまどきのweb環境での各種情報発信、既成メディアにぶら下がる、あるいはそうでないものも含めて公的私的入り乱れての複合環境で、…

「団塊」的知性論

*1 団塊の世代の、特にプチインテリ層 (関川夏央ならば「知的大衆」と呼ぶかも知れません) 特有の世界観や価値観、というのは、そろそろまともに、言葉本来の意味での「歴史」的な文脈での考察対象にしておいた方がいいと思われます。 単なる「サヨク」だの「…

「国際化」と「グローバル化」の裏腹

「国際化」というもの言いが無条件に通りの良い、誰もが逆らえないような響きを持つようになったのはさて、いつ頃からだったでしょうか。 昨今だと「グローバル化」などとカタカナ表記に置き換えられたりしてますが、でも、ざっくり同じような脈絡で使われて…

「民俗」化するハロウィーン?

ハロウィーン、今年はにわかにえらいことになっていたようです。 小生の暮らす北海道は札幌では特段のこともなかったのですが、テレビその他のメディアを介して教えられる東京などでは、少し前までと違う様相を呈し始めているようでした。また、それに引きず…

そして「遺骨」は粉になる

骨を「処理」するサービスが、また一段とさまざまな形になってきているようです。骨、つまり「遺骨」のことなのですが。 人が死んで、火葬に付された遺体は遺骨になる。これまでは通常、骨壺に収めてそれを墓地に埋葬するという形が一般的だったわけですが、…

「明日」は良くなるのか?

家族の絆、ということが言われます。人と人との温かいつながり、というようなことも、また。それら人間本来の暮らしのあり方だったのものが、いまのわれわれの生きている現代社会からは失われてしまっている。だからいろんな問題さまざまな病理が露わになっ…

政治と宗教、のいまどき

宗教と政治、という、このただでさえ脂っこくもしちめんどくさいふたつの領域が、共に重なってさらにめんどくささ自乗になる案件が、この夏このかた、浮上してきてました。 もちろん、これは何も「宗教」だけではないわけで、「社会」であれ「文化」であれ何であ…

葬式が「なくなる」?

葬式はなくなるのかも知れない、と最近、思い始めています。それも割と本気で。 何をバカな、人間生きている限り死ぬのは必定、古今東西あらゆる文明、文化において「死」を何らかの形式で意味づけたり、またそのことで生きてる者たちの側に「あきらめ」を意…

「ブラック企業」と「宗教」

最近、こんなことがありました。 ゼミの学生、いまどきのこととてデキはよろしくないけれども、まあ真面目で、ちと堅すぎるくらいもの堅い性格の男の子、仲間とのつきあいすらぎくしゃくするようなところのままある、まあ、いわゆる「コミュ障」と昨今言われ…

笹井センセの謎、その他

笹井はノーベル賞候補とさえ言われた人物です。彼のES細胞は、生体から卵子を取り出さなければならず、倫理問題から人体への転用ができな くなりました。そこにiPSが登場し、ノーベル賞をかっさらったという流れです。それでも笹井はエリートですし、収入…

とまらない、プライベート画像「流出」のこと

・「暴露ウイルス」や「リベンジポルノ」など、ネット上に画像が流出する可能性がありながら、なぜプライベートで性行為の画像を撮るのか? 危機意識の希薄さなど、考えられる原因や心理を教えてください。 この種の「流出」騒動は、別に今回に限ったことで…