競馬

競馬の「プロ」養成を

地方版ではありますが、この種の事実が新聞に掲載されて明るみに出るのは珍しい。 でも、これは全国どこの競馬場でも同じようなもの、こういう「競馬議会」というのは、見事に競馬のことなど何も知らないセンセイばかりで構成されていて、何もしないで年何回…

競馬で生きてゆく、そのキモチ

「人サマのおカネに手を出したらつかまるじゃないですか。借金したら返さなきゃならない。でも……」 折悪しく強まった雨脚を気にする風でもなく、手にした飲みものを軽く揺するようにしながら、その彼はこう続けました。 「……競馬に積んである賞金だったら、…

競馬とブログ

アグネスタキオン急死、のニュースが、初夏の気配の一日、競馬の世間をかけめぐりました。サンデーサイレンスの後継種牡馬として現状、おそらく最有力だったことは誰しも認める実績をこのところ残して、これからシーズンたけなわの今年のせりでも産駒がバイ…

「馬方」の記憶

ふだんの生活、日常に馬の姿がほとんどいなくなった国、にあたしたちは暮らしています。わずか三、四十年のうちに、みるみるうちに馬という大きな生きものを暮らしの中から追放していった社会。なのに、その時期に「競馬」という装置をほんとに信じられない…

海の向こう、などいらない

ああ、相も変わらず「国際化」ですか、そうですか。 小倉競馬場が、韓国はプサン競馬場と姉妹提携を結んだそうです。これで、JRAの競馬場はどこもどこか海外の競馬場と提携を結んだことになるとか。なるほど、ジャパンカップ創設以来四半世紀以上、すでに時…

せり場の「元気」

せり、のシーズンが始まりました。すでに九州でのトレーニングセールなどは日程が消化されていますが、札幌競馬場での二歳馬トレーニングセールとそれに引き続いて、ひだか東でも、ほぼデビュー可能なところにまで仕上がった二歳馬たちが市場に姿を現わすせ…

皐月賞を眺めながら

皐月賞を眺めていました。テレビで、ではありますが、それでも最近、JRAのG?をちゃんと見たことがあまりなかったので、これはあたし的にはちと珍しいことではあります。 で、あの結果。レコードに近い速い時計での決着もさることながら、一番人気を背負って…

「人」で滅びるニッポン競馬?

おまえの語る競馬は偏っている――そんな意味のことを、たまに言われます。 確かに、競馬まわりのことを専門分野のひとつにしていて、でもだからと言って世間一般、普通の人々がイメージする競馬とはずれたところの、ちいさな競馬の場所ばかり東に西に、ふらふ…

高知競馬、ナイターへ

高知競馬が、ナイターに向けて動き始めました。 「あの」高知競馬、です。言わずもがな、全国の地方競馬の中でも最も低い賞金水準でギリギリの低空飛行を続けて何とか存続してきた、ハルウララの高知、です。 「これがほんまに、最後の賭けやなあ」 これは地…

南関東、そして大井の価値は?

今日はひとつ、南関東の地方競馬にエールを送りましょう。 どうしていまさら、って? 新しい地方競馬の体制では、ナイター競馬コンテンツを持った南関東と、馬産地競馬の背景を持つホッカイドウ競馬とが手に手をとって、新たなニッポンの地方競馬の中核にな…

福山競馬再生会議

21日、福山で「福山競馬再生会議――競馬場のある街、その価値は?」が開かれました。市会議員なども含めた地元関係者主体の公開シンポジウム。コーディネーターというか、司会進行の役回りであたしも参加させてもらったのですが、正直、予想以上の盛会にな…

福山競馬は再生できますか?

● 主な質問項目 テーマ「福山競馬は再生できますか」 *1 Q 1 地方競馬の現状は? 売り上げの低下が続き、賞金や手当の相次ぐ削減で厩舎関係者の暮らしはすでにギリギリです。 今世紀に入ってからバタバタと廃止になった競馬場がいくつもありました。大分の中…

ちいさな競馬に腹くくれ

もうあんまりいじめないでくださいよ――オトナの社交辞令含みの苦笑いをしながら、でも声の調子はある程度まで本気でしたが。 本欄でよく言及する「競馬エスタブリッシュメント」、ニッポン競馬に責任ある立場にある組織に属するひとり、と言っておいていいで…

騎手こそ、華

騎手の交流がいちだんと盛んになり始めているようです。馬資源の共有はハードルがまだ高いけれども、人ならば、という事情が大きい面もありますが、それでも流れとしては喜ぶべきこと。このところ立て続けにそんな流れでいい企画が出てきています。 まず、27…

どこでも馬券を買える日を

さて、また新しい年です。アメリカ発の世界的な金融恐慌は今年さらに深まると予想されていますし、もちろんニッポン競馬の苦境はいまさら言うまでもない。こうなると、競馬が大変なんです、といくら世間に訴えても、こっちだって大変なんだ、と言い返される…

笠松地権者騒動の内情

地方競馬の存続の危機はどこも相変わらず。それぞれ事情があって抱える問題もさまざま。中でも、オグリとアンカツの岐阜県笠松競馬場は、競馬場の土地を所有する地権者から主催者が訴えられていて、成り行き次第ではまたもや「廃止」か、という事態になって…

「つぶす」側の覚悟とは?

地に怨嗟が充ち満ちるようになっています。敢えておおげさに言えばそんな感じです。例の厚労省元事務次官に対する「襲撃」事件のこと? いやいや、直接それとは関係ない、この場はもちろん競馬の話です。ですが、でも同じ〈いま・ここ〉のできごとのこと、ま…

敢えて「小さな競馬」から明日を

*1 馬産地がみるみるうちに変わって行きます。競走馬がいなくなり、牛に変わる。あるいは、放牧地が手入れもされずにほったらかされてすでに草ぼうぼう、厩も生きものの気配がなくなったままがらんとしている、そんな光景がここ一年ほどの間で、すでに見慣れ…

オグリキャップの語りかけたこと

オグリキャップの東京競馬場での「展示」は、まず大成功だったようです。同じく、マスターズジョッキーのイベントも。あの佐々木竹見大明神も直線、かるく追ってみせるなど、いやもう、そのシーンだけでオールドファンにしたら涙モノ。岡部も元気そうでした…

「昔の競馬」にこそ活路を

サブプライムローンの破綻が発端のアメリカ発世界「恐慌」(でしょう、どう見ても)は、当然ながら、まわりまわって競馬の世界にも影響が出てくること必定。それは単に世界のホースビジネスを動かしている巨大マネーのカネまわりがどうこうという水準だけで…

騎手の「味」について

そもそも、競馬という事業にとって、重要な資源とは何でしょうか。 まず馬。当たり前です。彼ら馬が走ってこそ競馬ですから。当然、その馬を生産する牧場の生産者も欠かせない。次に、それらの馬を買って支える馬主。言わば出資者ですから、もちろん大切。彼…

いま、「地方競馬」だからこそ、やるべきこと

いま、地方競馬がやるべきこと、を、走り書きですが簡潔に述べておきます。 まず、大井を中心とした南関東と、馬産地を背景にしたホッカイドウ競馬とが「改革」の主軸です。というか、そこが軸にならないことにはもうどうにもならない。全国の地方競馬とそのま…

「地方の敵は地方」

「牧馬の改良に関しては公益を以て私益と合致せしむることの甚だ容易ならざるが為のみ。(…) 誠に産馬は民の生業にして決して国に対する公役には非ず、其目的は私利に在り、若し不幸にして方法宜を失ひ、利無く損を招ぎ易しとせば、假令如何なる雄弁を以て之…

ニッポン競馬、全身症状悪化

ニッポンの競馬を支える、さまざまな「資源」そのものがどうやらあちこちで破綻を見せ始めているようないやな話ばかりを見聞きする昨今です。これまでは手や足や、身体のある部分だけの不具合がちょこちょこ見られて、辛いながらも何とかまだ身体そのものは…

草ばん馬の風景から

猛暑が続いています。加えて、突発的に異常な集中豪雨や雷などが全国のあちこちで。さらに、それに伴い河川の増水なども目立ったりで、ああ、こりゃあ確かに、これまでの夏とは様子が違ってきてるよなあ、という程度の感想を誰しも素朴に抱くようになってい…

 馬産地の荒廃

馬産地の風景が、ここにきて大きく変わりつつあります。 まず何より、馬のかわりに牛があたりまえにいるようになった。いや、これはもう一、二年ほど前からちらほらと見かけるようになっていたことなのですが、それにしても今年の春先あたりから一段とそれが…

馬主の世代交代は?

JRAの売り上げ低下に、歯止めがかからないようです。 ここにきての原油高ももちろん大打撃。JRAの売り上げ規模だとよく見えてこないかも知れませんが、地方競馬レベルだと、原油価格の高騰が始まったあたりから売り上げがガクン、と落ちたのがはっきり…

趣味のないこと、したくない

いろんな場所に顔を出し、いろんな人に会い、いろんな話に耳傾けることをなりわいとしていると、忘れられない言葉、何気ないひとこと、というのがあります。特にそう自覚していずとも、何かのはずみにきっと耳の底からよみがえって、はっ、とさせてくれる、…

「新馬戦」の響きを守れ

ああ、もう何を考えてるんだか、さっぱりわかりません。とにかく今のニッポン競馬の、主催者はもちろん、競馬に責任あると称する立場や部署で仕事をしている方々の頭の中を、端から全部カチ割ってその中身を確かめてみたい衝動に駆られているのは、さて、果…

やめちまえ、という声が

「もうなあ、こんな値段でしか売れないんだったらやめちまえばいいんだわ」 激しい口調でもなく、淡々と力なくそう言う、だからこそ、ことの深刻さが余計に伝わってきます。先日行われた札幌競馬場でのトレーニングセールの片隅、とある小さな牧場のオヤジさ…