書生の本領 連載企画メモ

大月隆寛 書生の本領 『朝日ジャーナル』連載 1992.4~

400W×6p~6.5p/一回 *……要取材ネタ

●「左翼」が常識だった頃:いまどきの居丈高な左翼批判のいやらしさ

●「みんな」という抑圧:世界すら敵にまわせるようになるために

●「誠実」だからって許されるわけではない:市民運動の自閉 *

●“団塊の世代”の功罪:親にもなれないままの親たち

●歴史が蒸発している:足もとがどこにもつながらない不安

●少女漫画家たちの“老い”:“そのままでいたい"のがけっぷち *

●都市圏・名門高・高偏差値の顔:“ミヤザキツトム"が権力を握る日

●有名になりたい病い:メディアの舞台の“立身出世"

●「マスコミが悪い」というもの言い:“なにかとほうもないもの"が心に棲む

●対話のことばの不可能:ことばが身にしみない

図書館・博物館の悲鳴:忘れる知恵を忘れた国 *

●「意見」と「感想」の距離:立ち向かう意志のなさ

旧制高校、あるいは昇り坂の元気:確かに“若いもん"は若かった

●“見られる”ことから始まってしまう世界:レンズに対する無防備

●本を読んでも「読書」ではない:もうひとつのリテラシー

●不可知論から腰をあげよ:限度なき相対主義を避けるために

●軽自動車の風景:日本のささやかな“個室" *

●大学院という墓場:誰も支えられない学問

●信頼できる知識人?:ことばの人の貫禄をいかに取り戻すか

フェミニストたちへの手紙:女子高の文芸部は世界を変えられるか?

●大きな、しかもいらぬお世話:イベントがらみの選挙動員を叱る

鶴見俊輔という無責任:批判力なき生産現場とそこに甘える老害

●“ひとこと多い主義”のすすめ:腹くくった無駄口の効用について

●ぬいぐるみの国:ぬいぐるみ市場の変遷と現在 *

●それでもなお「庶民」と言う:大手マスコミ生活者の実態と意識 *

●デモシカ「作家」の横行:「文学」の現在的意味

●三十にして身も心も老いたり:「素直になりたい」という妄想

アスファルトのつむぐ風景:高速道路の運んでくるもの *

ファシズムは「普選」に乗って:300万人と900万人の“違い"

●矜持ある清貧を:押し流される大学生活を変えるために

孫子の代には:未来を透視する視線

●組合を作ろう:「人それぞれ」から始める稽古

●平成疎開事情:山村留学の現在 *

●そこら中に馬がいた頃:大きな生きものの記憶 *

●もう漫画を読むな:やっぱり漫画は害である

●無法松の戦後:「恋する女」と「さびしい父親

●コカコーラを飲んだ日:味覚の刻み目 *

●人は放射能すら日常化できる:チェルノブイリ記録フィルムの“感動"

●一人一殺、正面から口説け:“つきあう"ことから学ぶ

●先に気づいた者の責任:くたばれ!「わかってんだもんね」症候群

●かまない犬たちの戦後:暮らしの中のペットの意味の変遷 *

●予感の痕跡:信楽鉄道事故その後 *

●夜のひばり:長距離トラックの戦後史 *

●“勘違い”を使い回す知恵:「お互いさま」の思想

●コンビニ拒否宣言:立ち寄らないことから見えるもの

●わからなきゃ尋ねる:人もまたデータベース

●若くあれ、君たち:正しく“未来"と発音せよ

慰安婦と兵隊の関わりについて:世間にある“妹"の呪縛

●金持ち喧嘩せずってか?!:“共生"でそがれるニッポン資本主義の向こう意気

●新聞なんかいらない?:新聞宅配制度を考える

●自分を「女の子」「男の子」と呼ぶな:成長したくないという妄想

●「都市伝説」その後:具体的手ざわりをなくした社会には伝説も生まれない

●“ネットワーク”では動かせない:“カウンター"の分際の喪失

●力についての想像力:身に戻して考える力

●近代を動かす訓練:ニッポン官僚の世界観 *

●思い切り前向きのあきらめを:“こんなもの"の自分を引き受ける

●方法としての旅:今、旅の再生のために必要なこと

●いつか見たあんちゃんのように:尊敬できる先輩になるために

●馬鹿を支えた世間:群を抜くものをまっすぐ見つめよう

●子供を論じる顔つき:自分が子供でいたい、という前提から始めるな

秋葉原へ行くな:清書マシンとしてのワープロ、その他

●ものを書きたい顔つき:なまじの知性の傷だらけ

●ブンガクしたい学者たち:不用意に純朴な知識人新世代たち

●“アート”という放射能:“アートバカ"たちの生態 *

●FMがおかしい:限度なき自我拡大の妄想、横文字の音の経験 *

●“帰国子女”はなぜ嫌われるのか:根なし草をまっすぐ見つめる

●留学鎖国の提案:高校生留学の収支決算

自衛隊も仕事である:もうひとつの膨大な差別について

●番長のいた日々:番長文化と若い衆のあり方

●‘70年代という過渡期:見えてきた大きな断層

●君の大学は大学ではないかも知れない:「学生」にひとくくりにされることで見えなくなること

●今こそいじめをことばに:経験の共有による効果を説く

●世界は未だいやンなるくらい近代である:歴史と経済を取り戻せ

●準備なき勉強:世の中には知らなくていいこともある

●素人が素人であり続けることの困難:手の込んだ素人差別は市民運動の病いと裏表だ

新保守主義の隠微な“気分”:どうした健康な民主主義!

●トシをとれない場所:広告代理店の人々 *

●うるせえなぁ:音をめぐる感覚の自閉と獰猛 *

●京都の学生文化:時間の止まり具合の功罪 *

●栄華の巷低く見て:責任あるエリート教育の必要

●サッカーとダンスの階級性:身体が反映し始めた新しい階級分化

●青春を歌に乗せることば:渡辺美里から川村かおりまで

●群を抜く力の衰弱:過剰な大衆化によるうすっぺらな自我拡大意識について

●家を出よう:実家にいる不自由

●古本屋と喫茶店さえあれば:書生の特権的愉しみ

●“ダイリテン”の言葉:閉じた言語空間の幸せ *

●日の丸を作る:旗屋の商品としての国旗 *

●沈黙のナショナリズムたちよ!:ことばにされないままいたぶられた果てには

●競馬場のマークシート:異なった表現による博打の抑圧

●子供・クルマ・ペット:付属品で儲けるための生活必需品たちのこと

●溺れた馬のために:競馬の現場の“伝承"について問う

●鶴見と手塚:おたくの発揮した政治性について

●“わからない漫画”の向こう側:想像力の上限が存在する

●「戦後」が始まっている:おたく翼賛世代の居直りは国家的犯罪である

*1

*1:要はネタ出し、である。連載開始わずか半月ほどで休刊の憂き目にあうとは予測していなかったので、かなり気合いの入ったレジュメを切っていたのだ。その後、毎日新聞の「無茶修行」やNHK総合の「ナイトジャーナル」などにも持ち越した素材もあるが、それでもまだやり残し、積み残したネタはたくさんあると、今見ても思う。