続く「癒着」のスカ――泉井事件にオレンジ共済……

 あんまり次から次へとバレてゆくもんで、一体何がどのようにつながってんのかこっちの頭の中もわけがわかんなくなっちまってます。何がって、ほれ、昨今ボロボロ相次ぐ「汚職」だの「癒着」だのの件なんですけどね。

 こんがらがった頭の中をざっと整理してみますと、まず石油売買をめぐる「泉井疑惑」ってやつと、埼玉から始まった老人福祉法人と施設建設がらみの疑惑ってやつと、詐欺の疑いがあるカネ集めのお粗末「オレンジ共済疑惑」ってやつがひとまず今取り沙汰されている大物の三件。最初のが今のところ通産省建設省がらみで、次のは厚生省と地方自治体がつるんでて、最後のはご承知のように先日現職の国会議員が逮捕され、これには新進党や旧日本新党方面がからんでいるのではともっぱらの噂。無傷な政治家や官僚ってほんとにいるんかあ?

 「官僚」と「政治家」と「財界(商売人)」の「癒着」ってこの図式は別に今に始まったこっちゃないけど、それにしてもここまで続けざまに、それもあまりにベタな話がどんどんバレてゆくのってのは一体どういうことなんだろう。とにかく「官僚」が全て悪い、という一部メディアや評論家方面によくある乱暴な決めつけには「そんなこと言ったって今いる官僚をいきなり全部クビにするわけにもいかないし、何よりそんなことしたら誰がこの国の官僚機構をうまく動かしてけるってんですか、いくら評論家ったってそんな無責任な言いっ放しだけしてちゃまずいっすよ」てな立場から、なるべく距離をとって及ばずながら穏健なもの言いの線を探ろうとしてきたつもりの小生ですが、ことここに至るとさすがに斟酌の懐にも限度がある。あんたら、こりゃあまりにひどすぎるよ。

 先日は、関西国際空港の親玉だったという元建設省OBの「オヤジ」ぶりに倒れましたよ。何かのパーティーでのプライベートビデオをテレビのニュースが使ったんだと思うけど、太い縞の浴衣で『無法松の一生』をカラオケで気持ち良さそうにうなってんだもの。「東大出の官僚にしては珍しいバンカラとして知られていた」なんて紹介されてたけど、そりゃ建設省土建屋さんたちとつきあうにはそういう作法も必要だったにせよ、なんなんだあの身振り。

 もうひとつグッときたのは逮捕された友部議員のご子息ね。あのふやけたような太り具合はまごうかたなく高度経済成長期に生まれ育ったわが同世代の横着さ。若いくせにダブルの背広が妙に似合う体型なんざ、これっきゃないってくらいにハマってた。これは断言してもいいけど、ああいう手合いはいざとっつかまったら聞きもしないことまでペラペラしゃべりまっせ。覚悟した方がいいっすよ、オレンジ共済の関係者のみなさん。

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