コミケについて

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サブカルチャーカウンターカルチャーというが、40万人も集まる場を指してサブカルと評すこと自体が間違い。70年代の幻想を引きずっているだけ」とコミケを断じる大月隆寛氏。規模はメジャーであるのに、それを認めずサブカル的であろうとするところに甘えを感じるという。

「本当にサブカルを標榜するなら、内側からコミケを否定する声があって然り。サブカルチャーとは、新たな価値観・文化をつくる戦争ですから。でも、そんな動きは見られない」

 主催者サイドは本来の意義を見失い、末端はなんとなく場が心地良いから集う。残るのは前時代的なモラトリアムの空気だけで、新たな文化を創造するポテンシャルは矮小化していく。

「もはや、『これで金儲けしてます』と主催者も参加者も認めてしまえばいい。でも、商売とはかけ離れたユートピアのようなことをいまだに彼らは語り続け、ふやけた自意識を垂れ流す。妄想に囚われているとしか思えない」

 そもそも、オタク的な文化はすでに消費システムに組み込まれてしまい、サブカルエリートとしてのオタクなど存在しないも同然なのだ。

「オタク的なアイテムなんて、条件が整えばいくらでも消費アイテムとして流通するでしょ。いまどきオタクであることを目指すことは本末転倒だし、コミケのように内側だけ向いてこもる必要性もない。もっとも、マンガはもうピークを過ぎたカルチャー。残念ながら今後は衰退していくだけだと考えていますけどね」

*1:何の雑誌か新聞か、注文のあった媒体は忘れた。新聞だったような気がするが。