SARS (重症急性呼吸器症候群) がやってきた

 とうとうSARSが日本上陸、のようであります。

 ちなみに、白装束の時の同じでNHKはこの「SARS」ってもの言い、使ってませんね。「新型肺炎」を使ってるようです。なんでかな、と思ったら、一説には同じ発音で別のビョーキがあるんだとか。「全身炎症性反応症候群」とか言うらしいってハナシなんですが、あたしゃ専門じゃないんでよくわからん。ちなみに、SARSも正式には「重症急性呼吸器症候群」ってのが呼び名だそうです。発音も「サーズ」「サース」「サルス」と、実はいろいろとか。でも、白装束みたいに「サーズ」がひとまず一般化してゆくんでしょうね。

 で、発端が台湾人医師ってことで、立ち回り先を公表しろだの何だのとモメてたようですが、当の台湾でどういうことになってるか、ってのを、台湾に放ってあるわれらが蛆虫、南京虫1号、2号がひとまず速報で伝えてくれました。さすがに【サイバッチ!】、バカメディアよ蛆虫よ、とののしられながら、ダテに5年もネットに棲息して生き延びてきてません、情報網は案外国際的、だったりするんです。べつにいばるつもりはありませんが、村上龍あたりのメルマガで能書きこいてる海外在住売国野郎なんかより、よっぽどまともだったりするんでないかと、うほほほほ。

 で、ひとまずその速報の抜粋をさしさわりない部分だけでも。あ、ちなみにふたりとも日本語はペラペラですんで念のため。

 台北高島屋は四日間営業停止です。こちらのニュースで流れている内容は例の台北タイムズと大体同じで。もっと詳しい報道はあまり見当たりません、というよりSARSの関連ニュースが多すぎるため、店員感染が確認もされていないデパートのことについてそれほど触れているヒマがないのです。


 実は高島屋より一週間も前、そごうデパートも3日間営業中止して消毒を行いました。そごうの場合はレジ係の女子店員でした。


 医師に対する記者会見での日本人記者の切れた態度、なんなんだろうと思いました。しかも発音の悪い中国語で、さすがの私でさえあまり聞き取れず、後になって分かったのは、「日本で買春でもしていたらどうするんだ」みたいな質問だったらしいです。もうひとりは「台湾は中国を責める資格がない」といって怒鳴り散らしていました。これって日本の一流メディアの記者さん? と見た人はみんな目を疑いました。あの無礼さは記者自身のパニックをあらわにしたものだけで、質問内容の焦点がずれていたり、まともな「質問」にもならなかったり...。


 買春という言葉は日本語です。たいがい、日本人が他の国に行ってする行為を指しています。台湾の人が日本に行く目的は日本人が台湾に来る目的と違っているのが、あの記者さんには分かっていないみたい。確かにこのごろ必要のない旅行は自主的にキャンセルするのが常識。ましてやSARS患者を扱う病院の医者、看護婦たちはなおさら。これについてはとがめなければならないと思います。李登輝が「自由が過ぎた」と言ったのが正しいです。


 台湾は過去のコンプレックスから来る民間の気分的な世論はあるものの、政府側から中国を責めるような声は一度もありませんでした。病原は中国なのはほぼ確実で、台湾へは香港を経て流れ込んだのも事実です。しかしまだ台湾がセーフだったごろ、不必要なツアーをどんどん入れていたのは台湾の意識不足であり、ちゃんと入国許可をもらって入ってきた人たちのせいではありません。だから、そうやって台湾に入って来て発病した香港の観光客を、こちらでは誰も責めていません。ちゃんとハンコして入国許可をしたのはこちらでしたから。それと同じように、台湾の医師も日本に不法入国したわけではありません。「医師としてあまりにも無神経すぎる」という点では確かに許しがたいですが。


 これは厄病です。流行り病です。ぐるっと一周するものです。交通があまり発達していなかった昔と違って、これからの流行り病は国際的な規模でぐるっと、です。(そのためにWHOが存在しているのでは?)だから台湾からでなくても、どこか他の国から日本に持ち込まれる危険性が大いにあります。鎖国か、それに似た痛い手を打たなければある程度の覚悟をしておいたほうがいいと思います。こういう認識がなければいくらパニックしていてもどうにもなりません。

 やっぱりあの日本人記者、顰蹙買ってたようですねえ。さすが『朝日新聞』っていうか、別に朝日じゃなくても基本的に同じだったんじゃないかと思いますがね、あたしゃ。

 ホテトルやデリヘル呼ぶのは台湾人的にはあまり念頭にないんですかね。韓国エステの看板掲げて商売している店のかなりの部分は実は台湾人だったり香港人だったり、ってのは言われてますし、ある程度推測もできるんですが、「オンナを買う」って習慣のありようについては実はビミョーな問題が介在しているような気もします。

 旅先でやたり下半身解放したがるニッポン人、ってのはすでに海外でも有名で、歴史すら持ってるわけですが、最近になって海外旅行を自由化した韓国人旅行者も、かつてのセックスアニマルのわれらニッポン人以上にとんでもない行状を繰り広げていると言われてます。東アジアのオヤジ文化っていうか、なんなんだろ、おおざっぱに言って表意文字文化圏とそういうオヤジ的心性のありようなんていうのは、実は根深い比較文化論的課題だったりするように思うんですがねえ。

 てなこと言ってたら、せっかく台湾に諜報網があるんで台湾にまで突撃しろ、という命令が、【サイバッチ!】大本営から出てしまいました~(泣)。ほんまに行くんか、って? う~ん、それはちょっとそのぉ、ですねえ……こちとらにも都合ってやつがありまして……とほほほほ。



 白装束はこのまま、SARS騒動にかき消されてしまうようですねえ。なんか、有事法制を通すために白装束騒動がしかけられた、とかなんとか、例によって陰謀論丸出しのサヨ系バカが能書きこいてるようですが、んなわきゃないだろ、っていうのがひとまず健全な常識ってもんで。

 【サイバッチ!】本紙の方では、台湾人が日本に来たらデリヘル呼ぶのが常識、みたいなこと書いてて、現地の日本観光ガイドブックにも載ってる、みたいなことまでバラしてましたが、ここのところSARSの件でやりとりしている台湾人の南京虫1号、2号あたりの話だと、そのへんよくわからんですねえ。まあ、ホンネとタテマエが違うってのもありそうですが。「日本人はみんな海外ではオンナを買う」ってのが大風呂敷なのと同じで、「台湾人は日本でデリヘル呼ぶ」ってのも同様なんでしょうね。このへん、「どこの国にもそういうやつはいる」というあたりの健全な感覚は忘れないようにしないといけないなあ、と。

 それよか、国立大学独立行政法人化法案が本格的に成立しちまった方が、あたし的には実はまんせ~、なできごとだったりします。姜尚中の東大社会情報研究所が天下公認のダメ研究所として発表されたりしてますし、いやもう、ほんまに大学、特に文科系周辺は大手銀行並みにリストラの嵐が吹き荒れること確定。あたしゃ大学いた頃から早く独法化しちまえ、ってひとりで言い張ってた急先鋒ですから、いまさら何を、なんですが、未だにみっともない抵抗してる大学教員をネットなんかじゃあちこちに見ます。おまえら旧ソ連の党幹部以下、早いところ路頭に迷っちまえ、てなもんです。

 独立独歩、おのれの腕ひとつで世渡りできないことには、インテリもヘチマももうないんだ、ってことを身にしみないやつほど、これから先、どんどん狂ってゆくはずです。前向きなあきらめと共に生きてゆける静かな自信こそが、これからの力、です。