アラブがふたつ、育成中

鵡川の育成牧場。Wさんという元道営の厩務員だったいい若い衆がやっている育成牧場。去年の秋亡くなったIさんの忘れ形見のアラブ二歳牝馬二頭の馴致・育成をやってもらっている。先日、高知で逝ったマッチレスフレンドも、もとはIさんの持ち馬だった。「アラブの王様」とまで呼ばれたIさんの残した馬で、なんちゃって馬主も勉強させてもらっている。

亡くなった前後のゴタゴタで、あまり手をかけられなかったらしく、この育成にやってきた時は「ほんっとにもうどうしようかと思った」というくらいの野生馬状態。人につかませないところから始まってかなり苦労したらしい。申し訳ない。

ホーエイヒロボーイの栗毛と、レオグリングリンの鹿毛。牧場にいた頃は栗毛の方が大柄で、鹿毛の方は神経質そうな細身のコだったのだが、ここにきて鹿毛の方がどんどん成長して立派になっているのにびっくり。「見違えるようになったっしょ」とWさん。逆に栗毛の方が少し疲れ気味とかで、馬場でもつんのめったりすることがあるとか。

福山の番園厩舎にお世話になることが決まっているのだけれども、番園センセイも「いくら牝馬やゆうても今年はこの暑さやけねえ、どんなもんやろ」と電話の向こうで思案している様子。連日三四度とかいうニュースを耳にすると、いきなりいま競馬場に持ってゆくのはちと躊躇される。