つくづく、政治はおもしろい。難しい話は抜きにして、素朴に、見世物としておもしろい。
言い方が不謹慎だと感じられる向きがあったなら、ひとまずご容赦あれ。けれども、これは露悪趣味でも韜晦でもない。当測候所が認識している真実である。いやさ、そこまで言挙げせずとも、まずは嘘偽りのない皮膚感覚である。
いまや、否応なしに国民注視のもとで繰り広げられざるを得なくなっている政治は、それ自体でよく言えばエンターテインメント、普通に芸能、敢えて下卑た言い方をすれば見世物としてのクオリティが問われてしまう。ことの善し悪しはともかく、それが今に限らず古今東西、民主主義のある確かな側面でもある。
パンとサーカスのいにしえのローマ帝国より、政治家とはそのように演じることを人々から求められる存在だったし、そのような才能も含めて人の上に立つことがよく認められた。活字が生まれ、新聞が広まり、雑誌が人々の手に渡るようになり、眼に見えぬ電波メディアもまた、ラジオからテレビへと飛躍的に発達し、そのような縦横に張りめぐらされたメディアのからみあいの中に「社会」もまた、それまでと違った様相を呈するようになってくる時代になるとなおのこと。人心を掌握すること、それも不特定多数のあてにならない心の動きを、たとえかりそめにでも一気にまとめてしまうこと、そのためのあらゆる手練手管の集約された結節点に宿る何ものか、それが政治の本質なのだと思う、改めて。
そして世紀は変わり、新たに出現したメディアであるインターネットもまた、わが日本の「社会」にもはや無視できない橋頭堡を確保するようになった。単なる例外、ためにする異見、見たくなければ見ないままですまされるような耳障りな異物ばかりを増幅する夾雑物、というわけでもどうやらなくなってきた。
そのような変化、そのような潮目にいま、めぐりあわせで衆議院選挙がやってくる。小泉純一郎、第八八代日本国総理大臣、参議院での郵政民営化法案否決を奇貨として、五五年体制の崩壊と呼ばれて以後、のたうちまわりながらもなんなんと終焉を引き延ばしてきたかの「戦後」に、いよいよ最後の引導を渡す役回りに踏み出す、のひと幕。目下のところ、電網桟敷は真っ先に鈴なり、世間の風向きを先取りしている風情。改めて、衆愚侮るべし、侮るべからず。
《なんか、今回のことで
○誰が裏金もらってそうか
○誰が利権しか考えてないか
○誰が国民のことなんかこれっぽっちも考えてないか
みたいなことが一目でわかるようになった気がする。 》
《今回の選挙でもっとも重要なのは、郵政民営化ではない。
今まで日本を食い物にしてきた金まみれ政治家を名前付きで表面化できたこと。こいつら排除できる最終決定権を小泉が与えてくれていることに国民は気づかないといけない。》
《かつてのような圧倒的な大派閥っつーのがなくなって、政局のセオリーはどうなるのか。今後が気になるところ。 んで、そういう状況にしたことは、その判断は今後の歴史に委ねるとしても、それ自体やはり「改革」ではあると思うし、小泉はすげーなーと感心してしまう。 いやほんと、細川連立政権事変以来、10年ぶりの政変。 なかなかないよなーこういう政治のダイナミズム。 》
《本当にあの時はもう細川だのみで、自民党はつぶすしかないって状況だったけど、よくよく考えてみれば、当時の自民党を支えてた連中って、今の造反議員につながる親分連中なんだよな。小泉政権が誕生する前夜まで、そういう世の中だったんだ。まさか20世紀末には、たった5年後にこんな世の中が来るなんて想像できなかったけど。「戦後」も還暦を迎えたし、ちょうどいい時代の区切りを感じるね。ありがとう小泉。 》
《壊れたレコードみたいな野党どもとの議論より、この数ヶ月の自民党内の議論の方がよっぽど民主主義として稔りが多かった。 》
《「小泉、おまえは一人じゃない。俺たち国民がついている。」
小泉「おまいら、本当にありがとう。最後までがんばってみる。」
がんがれ、小泉。超がんがれ。》
かの巨大掲示板でも動きが出た。珍しくも管理人のひろゆき自ら、新たな板の設立を提案。その名もなんと「政治家語録」。当測候所ではかねがね、所員全員一致で、当代日本一の無責任男と公式認定、とにかく新聞やテレビが土下座して取材や出演の依頼をしようが、裁判所から出頭命令が来ようが、自分が心底おもしろいと思わなければ鼻毛一本、唇のしわひとつ動かそうとしない、傍若無人の権化にして冷血無比なこの無礼者が、ここまで素早くアクションを起こしたということ自体、どんな偉いさんの能書きよりもずっと、今、この状況に風雲急を告げる何ものかを感じさせてくれるというもの。まずは日付にご注目あれ。衆院解散当日の夜、あの戦後政治史に残るであろう、小泉の名演説が行われてすぐのタイミングである。どうやら管理人、どうやら本気である。
《新板をねだるスレ@運用情報◆21
http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/operate/1121164362/
326 名前:ひろゆき@どうやら管理人 ★[] 投稿日:2005/08/08(月) 20:17:48 ID:???0 BE:113292-###
【板名】政治家語録
【理由】政治家の発言を語録として記録することで、選挙のときに面白い。
【内容】各政治家ごとにスレッドをたてて、発言をコピペしてやんややんや。
【鯖】news19
【フォルダ】 manifesto
【名無し】適当
【ID】強制 》
選挙をたとえば野球に見立てて、候補者はプレイヤー、それに対して選挙に行かぬ有権者をグラウンドに立とうとしない無責任な観客呼ばわりする、おおむねそんなものがこれまでのマスコミの選挙観、この高度大衆社会における政治観だった。だが、野球にも観巧者がいれば、鋭いヤジも飛ぶ。いまごろのサッカーよろしく一糸乱れぬサポーターなどではなくとも、笛や太鼓の応援団は常につきもの。グラウンドに立つ者だけが野球をしている、ないしはするべきだと思っている、それ自体がある種の選民意識の現われ、穏やかに言っても20世紀半ばまでの政治観であることを、長らく誰も疑ってこなかった。
かつてはノンポリという言葉もあった。政治や経済、日々の瑣末なあれこれとかけ離れたところでやりとりされる、その限りでは新聞の論説委員のような小難しい言葉のモザイクをもっともらしく操る、いたずらにポリティカルであることがなぜか価値という時代だったから、それはある意味差別語としての役割も果たしていた。
だが、みながおおむね貧しかった頃までならともかく、ひと通りモノが行きわたり飽食が常態となったならば、誰も政治に眼を向けようもなく、選挙のたびに笛吹けど踊らず、投票率は決して上昇せず、だからその分、組織票をがっちり固めた候補や政党が安定株として塩漬けになり、マスコミは十年一日の如き「反体制」「権力批判」「政府のあら探し」だけがおのが役割と心得違いをしたまんま、だけどそういうおまえらってのも実はどれくらい大層な特権階級なのよ、という、巷の一般人からの当然の突っ込みも聞こえぬくらいに棚にあがりっぱなし、妻子を食わせねばならぬ成人男子であっても、おのが稼業に利害のありそうなところに一票投じておけば国民の権利と義務は果たされるという程度。かくて、選挙にも行ったことはないし、天下国家のことを口角泡飛ばして語るような奴はいけすかない、というのが大方の感覚になっていた。
しかし、選挙報道はおおむね高い視聴率を獲得していたし、政治家はたとえ悪役でもキャラが立っていれば注目を集めていた。われらは政治に無関心、なのではなかった。真面目に良き見世物になる覚悟もなく、われら万年観客の視線を受け止めるだけの器も芸もない、そんなひとりよがりな政治を消費者の正当な権利として馬鹿にし、拒否していただけ、だった。
《自民党が利権体質を捨てて利権支持層から失う票田と、利権を捨てた自民党を評価して投票してくれる国民とを比べると、前者の方が圧倒的に多い訳だからこりゃ自民党が瓦解するのは確実だな。 で、また違う利権構造の民主党が政権握ると。 》
《利権の為に投票するって事は民主主義じゃ当たり前の事なんだけどな。 幾つかの団体が100%しかない利権というリソースを勝ち取る為に、相手をツブしたり、時には手を組み合ったりしてるのが選挙だろ?》
《利権に絡まない一般市民は票田になってくれないじゃん。 》
《投票率50%の内訳は7割近くが利権がらみの人達じゃないの? で、残りの連中は選挙なんて行っても自分の暮らしなんて良くなる訳がないと思ってる連中だから、生涯選挙なんて行かないよ。 》
《残り50%の連中がもし選挙行っても、どうせ愚民ばかりだから公明党がなんだか知らないけど友達がいい!っていうからとりあえず入れたとか、ジミントーって悪い政党なんでしょ? だから民主党にいれといたよとか、てんでんばらばらな投票するからたいした影響ない。》
今回の政変と、そこから引き起こされている事態を何より雄弁に象徴していたできごとがあった。解散決定の前々日6日の夜、総理公邸を訪れた後、記者団の前に現われた森喜朗元総理。洒落か酔狂か、はたまた深くたくらまれた一世一代の名演技か、手に缶ビールの空き缶など持って、明らかに酔余のたたずまいで待ち受けるテレビカメラの前にふらりふらりとやってきた。そして、おもむろにやりとり。参院で法案が否決されれば衆院解散、と巷間言われていた小泉に最後の翻意を求めて説得にきたけれども、ありゃあ変人以上だ、さしもの俺も匙を投げたよ、と嘆き節。さらに手にしたチーズのかけらをじっと見つめて、堅くて噛めないんだよ、とぽつり。当測候所が煽っているのではない。それが証拠に以下、これまたまるで仕込んだような朝日新聞の、かなりの名調子から。
《6日夜、首相公邸。森氏にすれば、最後の談判だった。すしでも取ってくれるだろうし、2人でゆっくり話しあおう。そう思って足を運んだ森氏だが、首相が差し出したのは缶ビール10本。さかなは「これしかないんだよ」というひからびたチーズとサーモンだった。
「外交だって山積みだ。予算もある、経済もある」。森氏は約1時間半にわたって解散を思いとどまるよう説得した。だが、首相は一切耳を貸そうとしない。
森氏 解散回避に努力している人たちを苦しめて、何の意味があるんだ。
首相 おれの信念だ。殺されてもいいんだ。
10本のビールも尽きていく。「変人以上だよ」とあきれる森氏に、首相は「そうだ。それでいい」。おれは非情なんだ、とも首相は言った。
別れ際、「可決したらごちそうします」という首相に、今度は森氏が「食べたくもない。メシくらい自分で食う」。
「おれに対して、こんな対応ですよ。さじ投げたな。私に何をしろって言うの。解散阻止なんかできないでしょ」。会談後、森氏は記者団にチーズのかけらやビールの缶を見せながら、「かむんだけど、硬くてかめないんだよ」。手にした缶はつぶれていた。》
新聞などよりも、テレビで映像が流されたのも大きかった。パソコンに常時録画設備が開かれている昨今、そのシーンはたちどころにキャプチュアされ、ネット上に放流された。その効果は劇的だった。あまりに芝居がかっていた分、ネット住民の視線は言葉よりも、まず細部に焦点が合った。それがまたいい味わいを生んだ。
《森は空き缶とチーズ持って何ウロウロしてんだよ。あの風体で、そんなことしてたら怪しいおっさんだ。 公邸では、缶も捨てさせてくれず「持ち帰り」だったのか?》
《小泉の公邸の冷蔵庫の中って貧乏学生の下宿先の冷蔵庫みたいだなw 独り者だとどうしてもこうなっちゃうんだろうなw 》
《女房がいるのといないのとでは出てくるつまみが全然違う。》
《正直言って、一国の総理大臣の冷蔵庫に干からびたチーズしか無い、というのも不思議な話だな。 コイズミはいったい何を食って生きてるんだ。 》
《俺の冷蔵庫にはその他の雑酒5本しかないぞ、贅沢だな。》
《総理大臣になってもメイドさん一人も雇えないとはorz 》
《しかし、食い物がチーズだけなんて、 もみじ饅頭くらいなかったのかよ。》
《亀井の事務所にいっぱいあるだろ 。》
《しかし、政治家でも俺たちと変わりない飲み会やってんだな。 小泉総理も、この局面で家に女を連れ込むわけにもいかないだろうし、 男やもめの所へ飲みにいくんなら、手土産が必要かと思われ。 》
次に、できすぎた場面の背景に、ネット住民お約束の解釈癖が発動される。これは、森の芝居か、小泉の寝業か、はたまたメディアの仕掛けたものか。それとも、一周まわってやはりなんでもない、森元総理ならではの天然ボケなのか……
《官邸から出て来たのが酔っ払いでは、報道陣もびっくりだな。森さんが官邸の冷蔵庫に残してきたチーズとビールだったりして。 》
《大いにありえるぞ。 だって、政治家が会談した帰りがけに食いさしのチーズだの、缶ビールの空き缶なんて持って帰ろうとしたら、小泉でなくても秘書だの何だのが普通止めるだろ。 》
《そーだよなー。空き缶は演出臭いな。森はこの手の演出をしないから、小泉の入れ知恵だろうね。第一付き合いが長いんだから、相手が何を出すかは見当がつくだろうに。 》
《つまり、俺『森』が説得しても翻意できなかった。だから反対するなら腹をくくれ。 それとも選挙が嫌なら賛成しろ。ってコトかと。 説得は出来なかったけど冷蔵庫の整理の役には立ったんだな、森タンw 》
《新聞記事はなんでチーズにこだわってんの?と思ったが、テレビで見たら、全く考えが変わった。 戦後政治史でも屈指の名場面だな。 自民党の最期を飾るエピソードとして語り継がれるだろう。 》
《現職の総理大臣が自ら缶ビールやつまみを冷蔵庫から出して持ってくるなんて、ある意味最高のもてなしだと思うが。 一国の新旧指導者が、粗食を食いながら国難を語る、というのも絵としては よくできている。 小泉の美的センスは悪くないと思う。ただ、相手を間違えてるだけで。森のコメントを録画で見て、笑い死にさせられそうでしたよ。 》
テレビカメラの前で森が握りつぶして見せた缶ビールの銘柄は、タイのシンハービール。それはテレビ映像でわかったが、さて、ひからびたチーズと見えたものは本当は何か、というのが、当座はもっぱらの焦点になった。
《パルミジャーノ・レッジャーノとかなんじゃないの? おろし金ですりおろすタイプのチーズ。 》
《あれ、薫製チーズだろ。 食い残しをもって帰るのは森の習性か。 》
《あれ、チーズじゃなくて鮭トバじゃね~の??》
《なんか人里にエサ漁りに行ってたいしたものも無くショボンの森の熊さんって感じだな。。。 》
結局、あれはミモレットという高級チーズでは、というあたりで一応の決着が。そこから先は、ならばそれをどこで買ったか、に移り、さらに新たな詮索と解釈の連鎖が始まる。行き着く先は……もちろん、例によっての真偽不明、幽冥定かならぬネタの三昧境に。
《公邸から近いスーパーは「肉のハナマサ」か「吉池」。コンビニは「新鮮組」。どこで買ったんだろ?》
《質素ぶりをアピールするため缶ビールと乾き物。 つまみが塩辛や裂きイカじゃ、そこらへんのオヤジ同士で一杯引っかけてるのと変わらないんで、ミモレットと鮭トバってことか? 飯島秘書官の演出、結構いいんじゃない?》
《殺されてもいい、とか、つまみのチーズとかは森が誰かに宛てたメッセージなんじゃないか?誰かに小泉を暗殺しろと。 》
《チーズは、「はいチーズ」で、組閣時の記念撮影を意味している。 「小泉は もうあ缶、俺がまた総理大臣になる。」ということだ。 》
《「解散時の公認リストに“亀はいないんだよ”」で会話が盛り上がったもんで、 森は酔った勢いで記者にサービスしたのが「噛めないんだよ」発言。 》
《「チーズ」→「ちいず」→「ちいす」→「ちすい」→「しすい」→「志帥会」!!!
つまり志帥会(亀井派)が亀井を追放するってことをほろ酔いの森は暗に語った。
よって「タイのビール」→「タイ産のビール」→「たいさんのびーる」→「解散伸びる」!!!解散は延期されるってことを泥酔した森は暗に語った。》
《光秀が信長に家康の接待役を命じられたとき、光秀は城を構えていた琵琶湖周辺の名物「ゴルゴンゾーラチーズ」の最高級品を酒の肴に選んだ。 しかしそのあまりの臭いに家康の家臣、本田正信が激怒「我が殿に腐ったものを出すとは何事じゃあ!」
・・・めんどくせ、後誰か書いて。》
《かの有名なクレオパトラが、シーザー王にフェラ●オを強要されたとき、チ●コを噛み砕こうとした。失敗に終わったが、 そのとき残した言葉が、「かむんだけど、固くてかめないんだよ」だったそうな。》
《チーズ板から来ました。 近年まれに見る深い薀蓄を含んだ話ですね。 長岡藩の米や上杉謙信の塩と並んで、小泉のチーズの話は長く語り継がれることでしょう。 》
いずれにせよ、芸能としての政治、見世物としての選挙がようやく、観客席に疎外されてきた民意を反映できる可能性をはらんで現実のものになりつつある、のかも知れない。すでに表舞台から退場していた鈴木宗男、辻元清美といった古色蒼然たる芸風の役者連までもがまたぞろ、夢よもう一度、と蠢動し始めているし、郵政民営化に反対した造反派議員も追い詰められて国民新党などを立ち上げざるを得なくなった。さらに、今号の入稿直前にはなんと、あの“ほりえもん”こと、ライブドアの堀江社長までもが、無所属ながら事実上小泉&自民党側の「刺客」として、郵政民営化反対派の領袖格、亀井静香元政調会長お膝もとの広島六区で立候補することが決定した。
かわいそうな かめ
「かめが しんだあ.かめが しんだあ.」
かめいはの 人が さけびながら,せんきょじむしょに とびこんで きました.
げんこつで つくえを たたいて,なきふしました.
わたしたちは,かめの じむしょに かけつけました.どっと どあの 中へ ころがりこんで,
やせた かめの 体に すがりつきました.
かめの 頭を ゆすぶりました.足を,はなを なで回しました.
みんな,おいおいと 声を あげて,なきだしました.
その 上を,またも 刺客を つんだ こいずみの せんきょかーが,
ごうごうと ひろしまの 空に せめよせて きました.
どの 人も,かめに だきついた まま,
「せんきょを やめろ.」
「せんきょを やめて くれ.やめて くれえ.」
と,心の 中で さけびました.
あとで しらべますと,たらいぐらいも ある 大きな とうひょうばこには,
いっぴょうの かめいひょうさえも 入って いなかったのです.
その かめも,今は,この おはかの 下に しずかに ねむって いるのです.
せんきょじむしょの 人は,目を うるませて,話しおわりました.
そして,ふぶきのように,さくらの 花びらが ちりかかって くる
かめの おはかを,じっと 見つめて なでて いました.
ほりえもんが、ついこの間のフジテレビ買収騒動で物議を醸し、他でもない自民党の先生方から苦言を呈されていたご本尊であること、そしてそのご本尊自身、政治に興味はない、投票にも行ったことはない、郵政民営化なんかよりもっと大切なことがあるはず、などと大いばりでのたまっていたこと、などなど、とにかくここはもうそういうあれこれは全部まとめてどうでもいいのだと、思い知ろう。造反派議員は公認せず、味噌も糞も一緒くたな対抗馬を情け容赦なく選挙区にぶつけてゆく、というこの小泉の手法こそが、結果として、今の状況でこれまでとは違う民主主義の形を目の当たりにさせてしまうことになるかも知れない。少なくともその可能性を垣間見せられてしまう地点に今、われわれはさしかかってしまっているらしい。