岩波書店からものすごいブックレットが出ている。題して『憲法を変えて戦争に行こう』。
ええっ、あの岩波がそんな! と思ったそこのあなた、ご心配なく。タイトルには続きがあって、「という世の中にしないための18人の発言」と、ちゃんとお約束通りになっております。とは言え、表紙にはタイトルの前半部分だけでっかくフィーチュアしているあたり、サプライズ狙いの手練手管というより、むしろ、もうどうせ世の風向きはそっち向きみたいだし、という、いじけたあきらめ感が濃厚で、そのへんはちとあわれ、であります。
で、その18人の内訳です。井筒和幸,井上ひさし,香山リカ,姜尚中,木村裕一,黒柳徹子,猿谷要,品川正治,辛酸なめ子,田島征三,中村哲,半藤一利,ピーコ,松本侑子,美輪明宏,森永卓郎,吉永小百合,渡辺えり子。
ああ、もう、しみじみしちまいました。つくづく、このテのサヨク/リベラル系陣営には、もう選手がいないんだなあ、と。かつての代々木公認も含めたレギュラー陣は軒並み故障か引退、または人事不省で、ベンチも二軍も人材枯渇。井上ひさしじゃ大江健三郎や本多勝一並み、良識ある向きは速攻で拒否反応ですし、何とかそっぽ向かれなさそうな名前は、かの吉永小百合オバサマしかおらず、あとの黒柳徹子に香山リカに姜尚中に井筒カントクじゃ、もう、テレビでさえも苦笑いされる、実質“お笑い系”ですがな。まあ、執行猶予中の辻元清美を三顧の礼で比例第一位にするしかない社民党や、政権交代唱えながら次の党首すら候補の出ない民主党も似たようなもんですが、でもねえ、いくら苦し紛れだからってあなた、辛酸なめ子に声かけるなんざ、まさに貧すりゃ鈍するの見本。いくら人不足でも、せめてバットの握り方くらい知ってるやつを呼ぶのが普通でしょうに。若めのオンナならもう何でも、というなら、それこそ女性サベツ。とにかく、早急に人材スカウトして育成しないと、サヨク/リベラル陣営、観客すらいなくなる日は近いですよ。