竹中平蔵の不気味

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 竹中平蔵が不気味である。今は総務大臣のあの竹中サン、である。

 一橋大卒、銀行勤務から大蔵省経由で大学教授、その後民間人登用で閣僚に、さらに参院選に立候補して国会議員に、という、いまどき立身出世ベタベタな経歴はともかく、そもそも政治家としての欲のありか、志というやつがよく見えないのだ。名声か、権力か、それともカネか、何なのか。叩き上げのアクの強さも、学者ならではの天然ボケもない。発言を聞いても顔つきを眺めても、さて、本当は何をしたいのかよくわからない。だから、正直キモチ悪い。

 アメリカの手先、外資の提灯持ち、と言われる。真偽はともかく、ならば、それでこの人に何のトクがあるのか、である。私利私欲はともかく、そこから先、ニッポンをよくしたい、天下国家の大計を考えたい、といった政治家ならば大なり小なり持ち合わせているはずの志=思い込みないしは勘違い、の気配が薄い。といって、世俗に恬淡という風でもない。経歴を見てもわかるように、この人をここまで駆り立てる何かほの暗い部分があるはず、なのだが、それがよく見えない。

 政界入りする前、まだ慶応のセンセイだった頃にテレビの討論番組でご一緒した時の印象は、学者あるいは知識人としての凄みはないが、官僚経験をくぐったソツのなさと打たれ強さは感じた。さすが、構造改革の修羅場で陣頭指揮をとってなお生き残っているだけのことはある。次期総理候補、の声も一部に出てきた。ご本人は「ボクは紅白に出ない歌手」などととぼけているようだが、さて、ここからどう動くのか。この人をこの人たらしめている欲のありか、大望というやつがどこかで表に見えてくるようならば、その時こそちゃんと判断せねばならないと思っている。