センセイ方の下半身(第一稿)

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 年明けそうそう、外務省が大騒ぎです。在上海総領事館の領事の自殺の顛末が実は中国側の謀略がらみだったらしい、と、一年半も後のいまごろになって週刊誌に暴露され、麻生外務大臣も「知らない」状態のおかんむり。どうやらちゃんと上に報告せずに内輪でごまかしてきたらしい。だもんで、いまさらあわてて向こうさんにすごんでみても、なんだかなあ、であります。

 そんな外務省の、いや、どうせですからここは霞ヶ関は官僚渡世のみなさまから永田町は金バッジのセンセイ方まで、エライ方面すべてひっくるめて、謹んでかの植木等の国民的名唱「スーダラ節」第三番を捧げましょう。一目ぼれした娘に手を出して、「ダマしたつもりがチョイとだまされた」というあの名調子。ようやく現実に気付いた主人公曰く、「俺がそんなにもてる訳ゃないよ」。ああ、この凡人にとっちゃあたりまえすぎる自己認識をまず、センセイ方には徹底的に肝に銘じていただきたい。いずれ天下国家のため、といまのお仕事選ばれた方々、その志と才能はみじんも疑いませぬ。ならば、せめてその下半身の制御はくれぐれも怠らないでいただきたい。思えば、ノーパンしゃぶしゃぶだの地下ロリコンクラブだの不倫メイル沙汰だのと、わがニッポンの中枢にはこの手のスキャンダル、それも男前からはほど遠いトホホな類が近年、あまりに目に立ちすぎます。

 靖国拉致問題に、日々のお仕事はそりゃあ大変でしょうが、大変ごかしに下半身野放しでは先進国の名も泣くってもの。パンツを脱いで仁王立ちのまま、あっぱれ天下国家を憂うような素敵な真似だけはもういい加減、勘弁してくださいまし。

*1:1 掲載稿と異同あり。id:king-biscuit:20060115