「ロハス」って何よ?

ロハス」「ロハス」と耳に立つ。それってどこぞの反ユダヤ人組織だっけ、と口にしたら、そりゃハマスだ、とつっこまれた。あ、シャケのはらみか、と言ったら、それはハラス。え、ハラスメント?……いや、だからあんたはもう黙ってなさいっての。

ロハス――「健康や持続可能性を重視するライフスタイル」の意味の英語の頭文字をつないだもの言いだそうで。具体的には、まあ、自分のことだけでなく他人や環境、地球のことも考える生活、って感じらしい。とりあえず誰も正面切ってさからえないような能書きですが、でも、少し前まで盛んに煽っていた割に流行らなかった「スローライフ」とどう違うのか、あたしゃよくわからん。

それでも、そんな能書きがあれば世渡りの糧にする人もいる。人気稼業のタレントや芸能人は最たるもの。食べ物はもちろん、化粧品や着るものから住んでるマンションまでもロハスロハスと言いつのり、ワインのうんちく傾け、フィットネスクラブに通い、ヨガの効能を説いて、アロマテラピーとやらにはまり、果ては野菜のソムリエなんて妙な資格まで自慢する。いや、もう何が何やら。いずれ広告資本がらみのぼったくりな高給に慣れた連中にそんな能書き言われても、他人のことどころかまずてめえの身体ひとつ、日々の暮らしを支えるのにいっぱいいっぱいの多くの衆生にゃしょせんよそごと。先行き見えない契約社員やりながら、こんな身の丈離れたお花畑な能書きに振り回されるココロのあやうさこそ、ほんとの意味の「負け組」根性と思い知れ。