ニュースの風物詩

そろそろ出るんだろうな、と思ってたらやっぱり出た。まあ、季節の風物詩みたいなものだから目くじら立てても始まらないが、それにしても、である。

今年の新入社員は何型? という、アレである。ほんとにもう、くだらない。得意げに語るあのオヤジ、この上司の顔が目に浮かんでさらにへこむ。いたたまれない。恥ずかしい。

思えば、発信源がよくわからないのに、なぜかお約束で風物詩のようになっちまってるこういうニュースというのがある。暮れには、流行語大賞というのもある。あれは確か、『現代用語の基礎知識』を出している出版社が勧進元だったはずだが、最近は生涯学習の通信教育屋もかんでいる様子。この「新入社員は何型?」も、もう三十年くらい前からで、最近は生産性本部が仕切っているらしい。いったい何をたくらんでいるのだ、こいつら。

この手の出自不明のニュース系風物詩、個人的には「キーワード」というもの言いがはびこり始めた頃と記憶の中で重なっている。細部も肌合いもすっ飛ばしてひとくくりしてわかったつもりになりたいビョーキ。「小泉劇場」のワンフレーズポリティクス、思えばあの頃から始まっていた。いや、さらに勘ぐれば、あれだけ根拠不明な血液型がニッポンの教養のひとつになったことなどとも、どこかで通じているように思う。難儀で多様な個別具体と向かい合うこらえ性がどんどんなくなり、レッテル貼って安心し、自分はどこに入るか確認してみたい。しょせん、占いにハマるのと大差ない。

ちなみに、今年の新入社員はブログ型、だとか。ああ、ほんとにどうでもいい。もうやめましょうや、こういう横着も、そしてその横着の片棒を好んでかつぐような真似も。