言葉は感情的で、残酷で、時に無力だ。
朝日新聞社長のご子息が大麻所持で逮捕だそうで。しかも、産経新聞とフジテレビの 抜け駆けスクープの形。いや、近年の逆風激しいところにさらにこの事態、気の毒を絵に描いたような、とはまさにこういうこと。銭湯のペンキ絵並みだ。
大麻不法所持と言えば、ニュースネタとしては芸能人の専売特許。今は亡き勝新太郎を始めとして、古くは萩原健一に研ナオコ、美川憲一、ミュージシャンでは槇原敬之や長淵剛、井上陽水なんてところもご同輩。まあ、マスコミや広告代理店の社員も同様に大麻でつかまっているから、そのあたりひっくるめていわゆる“ギョーカイ”系、ということか。
当のご子息は三五歳、いいオトナである。仕事はフリーのテレビディレクター、とか。自称でないことを願いたいが、それらのプロフィールから、あ、こりゃまずカネ持ちのドラ息子、実態ニートのパラサイトかも、と思ってしまったのは、何もあたしだけではないだろう。ことが発覚してからも、親は親、子は子、と開き直れない様子なのも、やはり社会の木鐸、日頃高みからきれいごとしか言わない、言えないリベラル系マスコミ商売の因果な自意識ゆえか。
朝日新聞の中の人たちよ、これが政治家の、それも自民党の息子だったらあなたがたはどう反応したか。いやいや、NHK会長のご子息だったら……そんなシミュレーションをまず謙虚にやってみませんか。とにかく、逮捕が今月十日だったのに都合半月ばかりシカトしていた、まずそのことがあたしゃ納得いかない。ほんとに、それでも私たちは信じたいんですよ、言葉のチカラってやつを。