復党やめれ

 郵政民営化法案に反対して離党を余儀なくされた「造反」議員たちが、ここにきて復党させろ、という動きを活発にしています。のみならず、肝心かなめの政府自民党内部からも「復党させてもいいんじゃないの?」といった声にわかに強まってたり。と思ってたら、なんと、あの野中元幹事長あたりまで「去年の総選挙は民主主義として重大な瑕疵があったのだから、復党させるべき」と、必死に援護射撃。いやもう、わかりやすいったらありません。参院選対策だ、などともっともらしい解説もありますが、こちとらそんなこと知ったこっちゃない。安倍さん、ここは断言しておきますが、もしも今、彼らの「復党」を強行すりゃ、お気の毒ですが安倍内閣、予想以上に一気に国民の支持を失うことになりますよ。

 発足間もないあなたの内閣に今、この段階でここまで国民の支持があるのは、何も北朝鮮騒動や、「野党第一党民主党お家芸、スキャンダルの連鎖自爆といった“追い風”だけが理由じゃない。今のあなたに対するこの信任のベースには、何より小泉首相がやってきたことへの大枠での信頼がまだある、そういうことでしょうに。長年「都市部浮動票」と呼ばれ、「戦後」五五年体制下では「選挙」の現実からずっと疎外され続けてきた「気分」がやっとまっとうに居場所を与えられ始めた、少なくともそう感じ、そして何よりもその「気分」が、今や都市だ地方だといった区別を超え、ある程度普遍的な国民意識に連なり始めてさえいた、そんな小泉時代をくぐり抜けた後にある今のこの「現在」を、くれぐれも見誤らないように。そして、他でもない、あなたもまたその小泉内閣の、主要閣僚のひとりだったことも。