DJF馬主資格「返上」余波

 ダーレージャパンファームがJRA馬主資格を「返上」、というニュースは、その後も日本の競馬サークルにさまざまな余波が。数年かけてやっと取得した馬主資格をなぜ? という疑問から、「解任」された高橋力元代表のその後の去就まで、憶測含めていろんな噂が。 

「高橋氏がダーレー本体から事実上“クビ”になったのは確かですが、その本当の理由がよくわからない。「解任」前後から競馬マスコミには一気に高橋氏寄りの記事が出ましたが、それまで頑なに取材に応じなかった彼が突然露出し始めたのも不自然です。何より、今回の件についてダーレー側のコメントがほとんどないので、それらの記事の中身も半信半疑なんですよ」

 某大手馬主との「接近」を理由にあげる説も。

 「ジャパンカップの口取りにその馬主が大写しになった写真が掲載されて、服色が変わったのにどうしてだ、と、ファンからクレームが殺到したんです。その際、高橋氏がその馬主と抱き合って喜ぶ姿が目撃された一方で、生産者がほとんど姿を見せていなかったり、いずれも今回の「解任」劇とのからみがささやかれています」

 日高で買収を続けた牧場の売買資金や、アドマイヤムーンの購入資金にからんでダーレー本体の不信を買ったのでは、という説もある。事実、馬産地日高では未だに高橋氏の名前を持ち回って牧場を買収しようと暗躍する手合いが後を絶たず、「高橋はドバイマネーをまだ持っているから資金は大丈夫」と吹聴しているとか。「解任」の背後にはやはり金銭トラブルが、というのだが。

 「いや、それはどうですかね」と、疑問を唱えるのは、ある競馬ライター。

「ドバイにしたらカネは大した問題じゃないはずで、それはよく言われる「JRAの高額賞金狙い」というのも同じこと。ビジネスベースなのは当然ですが、でも、一連の日本「攻略」も彼らにしたらシンガポールや香港も含めた極東戦略の一環で、大目標はやはり世界の競馬サークルでの名誉やプレゼンスの向上のはずですよ」 

 それに、もともと高橋氏はJRAのOB。「国際化」による「外資」襲来をソフトランディングさせる役回りを、結果的に担っていたところもある。

 「でも、馬主資格ひとつとっても手間取りすぎたし、どうもタカハシはやり方が手ぬるい、とダーレー本体が業を煮やして方針転換した、そのへんが真相じゃないですかねえ」

 地方競馬にも影響が出ている。

「地方の馬主資格ダーレージャパンレーシング名義で、これは高橋氏の会社とは別でダーレー本体直轄だったんですが、それでも一気に移籍したり名義変更しましたから。特に「ダーレー競馬場」とまで揶揄されていた船橋の厩舎はてんやわんやでしたよ」

 いずれにせよ、「国際化」に伴う「外資」攻勢がこれで終わりのわけはない。

馬主資格だって「返上」は想定内、もう道はついてるのだからまた二年かけて取得したらいい、と言ってるようですし、次はダーレーだけじゃない、仕切り直しして一気に攻めてきますよ。そうなった時にどうなるか……」(ある生産者)