とにかくもう「たくさん」でいいっす

 いや、もういいっす。マスコミの報道することは何でもとにかく事実、ってことで。実際それがほんとかどうかなんて、もう関係なし。ただそういうもの、としてだけこちとら黙って眺めて拝聴して、薄笑いしながら学ばせていただくだけですから、はい。 

 教科書からの「集団自決」表記削除に反対する先日の沖縄の集会に集まった「市民」の数。何千人か何万人か、何十万人か、そんなの全然関係ねえ、要するに「たくさん」でいいんですよね。そう、何でも「たくさん」。南京で虐殺された人数も、ヒロシマナガサキの原爆で殺された数も、東京ドームの巨人戦に集まった観客も、内閣支持率もテレビの視聴率も新聞の販売部数も、とにかくマスコミ報道の数字なんざ全部みんな一緒くたに「たくさん」。それがもはやニッポンのマスコミの約束ごと、オトナの商売の事情ってもんさ、とそういうことなんですよね、ね。

 役人が、政治家が、大企業が、世間の空気を読めなくなってるのと全く同じように、マスコミもまた本来誰に向って仕事してるのか、すでにわかんなくなってます。世間の信頼を無くすというのが具体的にどういうことか、かの社会保険庁以下、不払い山積の保険業界、何の祟りか不祥事連鎖の大相撲に、世界に冠たる主催イベント大失敗の醜態を隠蔽しまくるニッポンを代表する大企業、と、眼の前に生きた事例が日々ぞろぞろあるのに自分だけは別、衆愚の世間などいいように操ってみせるわ、という傲岸不遜がマスコミクオリティ。やっぱり王様って裸だよねえ、と、にやにや笑いのいまどきの世間の前でさて、いつまでこういう報道茶番の阿呆踊りを恥知らずに続けていられるものか。マジ、楽しみっす。