元気な共産党 ♬

 共産党がこのところ、ミョーに元気のようで。また、それなりに理由もあるようで。

 まず、『蟹工船』がにわかに売れ出しているらしいこと。言わずと知れた「プロレタリア文学」の古典。教科書その他で、ああ、名前くらいは、という方も多いかと。その古色蒼然な古典が、この出版業界断末魔のご時世に二万部も売れているとか。哀れ、「格差」に泣く若者たちに支持されて、てな説明で必死に提灯つけてまわる脳死久しいブンガク始め、「戦後」パラダイムに天然リベラル風味を刷り込まれたまま未だ洗脳の解けぬ新聞は学芸部以下の大手メディア界隈が追従、もちろんわれらが『赤旗』も喜々として尻馬に。

 いやいや、それだけじゃない。世論調査でも政党支持率が微妙に上昇中。そりゃまあ、ここまで政党の選択肢がなくなれば、行き場なくしたわれら縁なき衆生が浮動票は苦しまぎれにでもそちらに流れるが道理。「志井書記長がネットで若者に人気」などとミエミエの煽りまでやらかさずとも、大丈夫、立派に議席は伸びますって、少なくとも今よりは。

 ただ、やっぱり名前がいけませんや。いまどき「共産」もないもんで。といって「民主」や「自由」じゃ戦後このかた使い回され手垢つきまくり。なので、いっそここはもう「共和党」にでもすればいかがかと。たった一文字変えるだけで、あら不思議、何やら生まれ変わったかのような印象が。海の向こうの大統領選挙も、イメージアップの援護射撃してくれますし。新生代々木の共和党、「格差」解消もお家芸の革命でひとつ、お願いしましょうか。