乞食じゃねえやい、と憎まれ口のひとつも叩きたくなるほどの太っ腹。「公」による盛大なバラまきが始まっています。定額給付金に始まり各種補助金、支援金、奨学金、果ては埋蔵金まで、名目は何であれ、おのれの腹の痛まぬ類の財布から気前よく投げてよこされるつかみガネの数々。高速道路も教育費も子育ても何もかんも無償化、タダだよ、ロハだよ、持ってけドロボウ、とテキヤ顔負けの口上並べ立て、与野党問わず約束手形の乱発合戦。飢饉の布施米、ないしは施餓鬼みたいなもので、ああ、そう言えば、季節はまさにお盆でしたっけ。
昨今「格差」と称され「下流」と名づけられる方面に向けての、いずれ「お上」「公」の側からの施しの大盤振る舞い。総選挙目前、どうやら政権交代さえうっかりありそうな気配に、上は霞ヶ関から下は町村役場に至るまで、ことお役所仕事に携わる方々と、その尻叩くわれらが選良サマたちが手に手をとっての集合的無意識ってやつも必ず作用してるはずで、そっちから見りゃわれら同胞、みな餓鬼道に堕ちた衆愚の百鬼夜行と見られているのかも。
かつて、ゆすり、たかり、カツアゲの類は、持たざる者たちの立派な権利でした。なればこそ、施しされる側の器量、五分の魂、ってやつもある。われら平成の餓鬼草紙、上から目線でばらまかれる小銭はぬかりなく拾いつつ、さて、来たる月末の投票日にはココロを込めて、きっちりご恩返しをしないといけませんなあ。