札幌国際大学に、「ホッカイドウ学」準備室、を立ち上げます。
「北海道学」でなく、敢えて「ホッカイドウ学」にした理由は、北海道のこれまでのイメージや歴史に縛られるのでなく、未来に向けて開かれた「ホッカイドウ」を、北海道に生きてきた人たちの内側から“発見”してゆきたい――そんなささやかな想いを込めての「ホッカイドウ学」、カタカナ表記です。
これまでさまざまな方面、さまざまな人たちによって蓄積されてきた北海道に関する学問、研究、考察、記録……何でもいい、ひとまず全部この「ホッカイドウ学」というナベに放り込んでみようと思います。そうして、いま、北海道に生きる人たちの口にあうように煮込み、味をつけ、素直に「わかる」「共感できる」ことばで盛りつけてみたい。この北海道という「地元」に生きる人たちの新たな自己認識の運動として、この「ホッカイドウ学」に触れてもらい、地域も大学も共に賢くなってゆきたいと思っています。
その第一歩として、北海道に縁の深いこまどり姉妹のドキュメンタリー映画「こまどり姉妹がやってくるヤァ!ヤァ!ヤァ!」を、ご本人たちと一緒にお呼びすることにしました。映画とおふたりの生身とが触媒となって、共に同じ時代を生きてきた北海道のみなさんの記憶や経験を引き出してゆける素敵な場になれるのでは、と期待しています。
できるなら今後、この映画を持って学生たちと道内をまわり、小さな公民館や集会所などで上映しながら、こまどり姉妹と同時代を生きてきた北海道の記憶や経験を小さなことばにして引き出してみたい、そんなことも夢想しています。こういう方向での「ホッカイドウ学」の営みもまた、構想の中には入っています。
ともあれ、立ち上げのお祭りです。言わば文化祭です。どうか存分にお楽しみください。そして、札幌国際大学の「ホッカイドウ学」を、今後ともどうか、地元の目線でおだやかに見守ってやっていただければ幸いです。