講演

「無法松の一生」のこと

*1 先日、三浦小太郎さんが、かつて自分の書いた「無法松の影」という本をとりあげて、えらくほめてくださっていたんですが、それを受ける形で、今日はその素材になった「無法松の一生」の話をしろ、ということなので、少しお話しさせていただきます。 というの…

第1回口頭弁論 冒頭意見陳述

*1 裁判を始めていただくにあたって、冒頭、少しだけ自分の今の気持ちを述べさせていただきます。 自分は1989年以来、大学や研究所の教員として生活してきました。2007年以来、縁あってご当地の札幌国際大学に教員として勤めてまいりました。同時にもちろん…

競馬と北海道

●競馬から日本が見える 今日は、競馬の話をします。北海道と競馬、特に地元に密着した地方競馬のあり方について、少し理解を深めてもらおうと思っています。 と言っても、あなたがたいまどきの若い人たちは、競馬そのものをもうあまり楽しまなくなっているん…

講演こわひ

講演というやつが苦手だ。学生とか若い衆の前ならともかく、年輩の方も混じる世間の人様の前で何か偉そうにくっちゃべっておカネを頂戴する、それだけの資格がそもそもおまえにはあるんかい、てな居心地の悪さがいつもぬぐい難くあってしまう。 けれども、昨…

忘れられた「タフ (tough)」――浪曲と日本の近代

*1● 浪曲は忘れられた芸能です。 今日、日本人のほとんどは浪曲のことを知りません。若い世代はもちろん、大人でさえも浪曲のことを忘れています。浪曲のことを話して、あるなつかしさと共に応えてくれるのは、70代から上の老人たちばかりです。かつてはど…

文筆業者の「講演」の相場

作家であれ評論家であれ、いわゆる文筆業者たちが実際は執筆よりも地方の講演活動で食べている、という話はよく耳にする。一回の値段はさまざまだが、謝礼の相場は一時間半で三十万円から五十万円程度。高い方では二百万円などという人もいるという。講演の…

いま、敢えて「学生」である意味とは?

*1 ● 「今何やってるの?」 「学生やってます」 たとえば、親戚のオジさんとかに聞かれたらそう答えるでしょ。でも、その「学生」の内実ってただ学生証を持ってるってことだけで、考えてみりゃみんな案外他人ごとなんだよね。雑誌や新聞、テレビなんかのメデ…