2005-01-01から1年間の記事一覧

君は「ディープコリア」を見たか?

元祖ディープコリア 作者:根本敬,湯浅学,船橋英雄 K&Bパブリッシャーズ Amazon ――この世で一番すぐれた民族である(自称)という誇り、素手でライオン、虎、熊、マムシにも勝とうと思えば勝てる(はずだ)という精神力、相手の希望を無視し踏みにじってでも…

電飾、こわい

年の瀬である。クリスマス、である。年末は、かつては正月を迎える準備のあわただしさの中に感じとったものだったが、今ではそれよりずっとクリスマスの比重が大きくなっている。 そんな中、あれは何と呼ぶのか、マンションの軒先やベランダ、一戸建てならば…

受験生諸君、問題です

「受験によく出る」というのが、朝日新聞のキャッチコピーになっている。去年くらいからか。大学入試の現代国語や小論文などで新聞記事が素材に使われることは確かに多いが、しかし、自らそれを得意げに言いつのるこの態度、あさましいったらない。 思えば、…

株式市場活況の背後に

株式市場が活況を呈している、らしい。特に、インターネットを介した取引が急増、証券会社もその手数料収入がバカにならず、本腰入れてそちらにシフトし始めている由。これまでシロウトには敷居の高かった株の売買が、ネットのおかげで気軽にできるようにな…

郵政民営化陰謀論への処し方

郵政民営化はアメリカの陰謀、という議論がある。先の衆院選以降、さらにそういう声が論壇周辺で大きくなっているようにも見える。あらかじめアメリカのシナリオ通りに日本は解体されつつある、それを座視して受け入れる小泉政権はアメリカ追随、まさに「ポ…

メディアこそ「衆愚」

先の内閣改造後の記者会見の際、質問する記者の社名と名前をいちいち確認してから質問に答える閣僚がいた。おたくはどこの社? ○○新聞の××さん? はい、どうぞ――そんなやりとりまでもがはっきりと、テレビで放映されていた。主は、かの麻生太郎総務大臣。そ…

解説 業田良家『世直し源さん』

● マンガは童話でなくてはならない――かつて、業田良家はそう言っていた。だが、その後何も言っていない。だから、ここであたしが勝手にその先をほどいてみる。 童話、と言い、寓話、と呼ぶ。あたしゃ民俗学者だからもっと端的に「民話」と言っちゃう。フォー…

大阪の商店街の魅力、について

Q1.大阪(もしくは関西)の商店街で買い物をしたことがありますか、それはどこの商店街でしたか?*1 黒門市場 (いわゆる商店街とは違うかも知れませんが) 父方の祖母一家がミナミの黒門市場のすぐそばに住んでいた関係で、小さい頃にその祖母の家に遊びに…

いまどきなお方言ブーム、について

方言がにわかにブーム、なんだそうです。特に若い世代に。テレビ番組でも、芸能人がお国なまり(このもの言いももうなんだか古くさくてしっくりきませんが)をぶつけあうコーナーが人気ですし、ラップなどに方言を敢えて前面に押し出した楽曲もちらほらと。…

DV再考

DVというもの言いがあります。デジタルビデオ、じゃなくって、ドメスティックバイオレンス、の方。直訳すれば「家庭内暴力」ですが、これは親から子供、夫から妻、といったオトコ(強者)からオンナコドモ(弱者)への暴力、という意味にだけとられてしまい…

前略、農水省競馬監督課様

前略。農水省は競馬監督課のみなさま、いかがおすごしでしょうか。 聞けば、この十月に異動になり、新たに競馬に携わることになった方もいらっしゃるようですが、少しは新しい仕事になじまれたでしょうか。あなたがたとは未だまともにお会いしたことも、お話…

馬事通信 競馬虚空像

風雲急? 農水省界隈

ニッポン競馬をめぐる大きなところでの動きが、ここにきてにわかにあわただしくなっています。個々の競馬場や主催者団体などではない、はっきりと国レベルでの話です。 まず、先月末、小泉首相が国会の答弁で、特殊法人改革に触れた際、今後は公営競技関係の…

馬事通信 競馬虚空像

「タレント議員」の終焉

芸能人やタレントが何か政治的な発言をしようとする。当人が望んでやっている場合もあれば、周囲が商売として、営業としてやらせている、という場合もあるだろう。宗教と政治についてはうかつにものを言わないのが通常の世渡りの知恵なわけで、彼ら芸能人も…

太田光、のスカ

芸能人やタレント、歌手、スポーツ選手……何でもいいのですが、そういう稼業の人たちが、何か政治的な発言をしようとする、という局面があります。当人が望んでやっている場合もあれば、周囲が商売として、営業としてやらせている、という場合もあるでしょう…

産経新聞 断

嫌韓流とメディアの手さばき

● 『マンガ嫌韓流』(以下、『嫌韓流』)については、作品そのものもさることながら、作品をめぐる現象自体が興味深いと言えます。それは、大きく言って今のニッポンの情報環境が「戦後」六十年、新たな形を求めて変貌し続けている現状をあぶり出す格好の事…

ネット嫌韓の来歴

嫌韓、というのは、ネット世論においてはデフォルトのモードだったりしてきた経緯があります。昨今「ネット右翼」などと一部で言われるような現われというのは、ネット空間の成立当初からある種つきもの、お約束のようなものでした。 とは言え、ネット世論と…

後藤田正晴=リベラリスト、の位相

後藤田正晴氏が逝った。ひとまずご冥福をお祈りする。と同時に、晩年の氏のメディアでの扱われ方に違和感があった者のひとりとして、少し言わせていただきたい。 後藤田氏はここ数年、警察官僚から政界へ転じた元副総理の自民党幹部でありながら、実は改憲や…

福山、サラ導入へ

「世に遠いひとつの競馬場」――先日、『競馬最強の法則』に掲載させてもらった福山競馬についての拙稿の、冒頭の部分の一節です。未だ全番組アラブで組んでいることで、「ニッポン競馬」はもちろん、「地方競馬」を語る時でさえもなかったことにされ、まるで…

朝日とNHKは似ている

前々から感じているのだが、朝日新聞とNHKは体質的によく似ているのではないか。 別にサヨク偏向、リベラル重視の報道姿勢が、などという話でもない。もっと下世話なレベル、たまたま仕事で行き合ったりする限りの見聞でさえも、所属する人間の顔つき、立…

嫌韓流現象あれこれ

たかがマンガ、と言われる。通勤電車でスーツ姿の勤め人が平然とマンガ週刊誌を開くのも、わが日本の風景となって久しい。なのに未だに、たかがマンガ、という意識は根強くある。 そしてまたも、たかがマンガ、である。『嫌韓流』というマンガ本が、あれよあ…

2005年 衆院選アフターマス

投票率67%。二十代から三十代の自民党支持率が軒並み30%以上、調査によっては40%という数字も出ていた。そして、首都圏を始めとした大都市部での自民党ほぼ独占状態。小選挙区制のなせるわざ、とは言え、その小選挙区の導入を推進したのは、今は民…

人材枯渇深刻、サヨク/リベラル陣営

岩波書店からものすごいブックレットが出ている。題して『憲法を変えて戦争に行こう』。 憲法を変えて戦争へ行こう という世の中にしないための18人の発言 (岩波ブックレット657) 作者:井筒 和幸,木村 裕一,黒柳 徹子,辛酸 なめ子,中村 哲,半藤 一利,松本 侑…

宮本常一、ふたたび、の文脈

宮本常一が、また静かに注目されている、そうである。 民俗学者の宮本常一、である。〈あるく・みる・きく〉の実践者である。近年改めて注目されるきっかけになった佐野眞一の評伝のタイトルにならえば、『歩く巨人』。文字通りに足で「歩く」ことでしか地方…

 民主党再生の処方箋

はた目にもあまりにお気の毒なので、民主党再生の処方箋を僣越ながら提示する。 敗因は簡単だ。マニフェストもヘチマもない。バクチ打ちの血筋丸出し、喧嘩腰の小泉に対してヘタレなのを見抜かれたのだ。だったら、一発腹くくって根性見せるしかないじゃない…

産経新聞 断

ソフトバンク、岩手競馬と提携へ

岩手競馬とソフトバンクが業務提携をする、というニュースが、話題になっています。 インターネットを介した馬券販売業務を軸に、ブロードバンドでの実況放送なども、ということですが、これは今年の一月から施行された改正競馬法の趣旨を受けてのもの。競馬…

政治の自意識を問う選挙

*1 ようやく、今回の衆院戦の隠しテーマが見えてきた。政策論争? 政権交代? いやいや、そんなもんじゃない。戦後六十年、ニッポン政治の自意識こそがいま、問われているのだ。 たとえば、インターネット上では、かの綿貫サンは大人気。国民新党が四コママ…