1993-01-01から1ヶ月間の記事一覧

インタヴュー・渡辺文樹

● いきなり眼の前に現われた渡辺文樹は、入口からのっしのっしと大股で近ずいてきた。そして、大きな声でお国なまりの挨拶一発。 「いやぁ、遠いところわざわざ来てもらって、悪かったねぇ」 福島市内、小さいけれども去年建ったばかりとかでまだ真新しい映…

ミュージックマガジン

「ジャーナリスト」という自意識のスカ

*1 自分が実際にどれだけの仕事をしてきているか、冷静に測定しようとしないままもの言いの次元だけで自意識を吹け上がらせる病いが根を張り始めている。自称「作家」に始まり、自称「ジャーナリスト」、自称「ルポライター」、自称「アーティスト」……うっか…

「異文化」なんてもの言い、いますぐ忘れちまいなよ

*1 *2● 「異文化」をどうやって理解するか、って話だよね。 結論から先に言えば、そんな「異文化」なんてもの言い、さっさと忘れちまいな、ってこと。 こう言うと、なんだか地球はひとつ、みんな同じ人間だから気持ちひとつでわかりあえる、なんて、まるでF…

素人の誠実、玄人の技術――吉井敏昭『“モノ”の履歴書』解説

*1 *2 「小さなもの」の救出、それが始まりにあった。そしてそれは、真なるものに対する危機的な関心とともにあった。したがって、その関心が衰弱しさらには放棄されるならば、小さなものはいわば誤まった注意深さを惹き起こすだけのものとなる。小さなもの…

「その他おおぜいの素人」の誇りと栄光を、いま、正しく取り戻すこと

*1 *2 *3 とにかく、ミニコミでも同人誌でもいいけど、いわゆる自前の学生メディアとか若者メディアの元気が今、まるでないよね。もうほんとに信じられないくらいに、ない。 ちょっと前までミニコミなんて言ったら、読み手としても作り手としても学生を抜き…

「変革」を語ることば

声高に「転換」や「変革」を語る季節がまた、訪れているらしい。 田原総一郎や、大前研一や、あるいはその他自民党の「若手議員」と称する人々などの顔つきを見ていると、いずれそれなりに誠実であることは最低限認めるにせよ、どこか二・二六の青年将校めい…