スポーツ

ばんえい十勝「公社化」騒動・草稿

*1 *2 去る1月27日、北海道は帯広の、ばんえい十勝・帯広競馬場で、ばんえい十勝調教師会・騎手会とばんえい競馬馬主協会が、帯広市長に対して「要望書」を手渡しました。 内容は、「ばんえい競馬の公社化に反対する」というもの。これだけでは何のことか…

五輪の「教訓」

*1 sports.nhk.or.jp sports.nhk.or.jp おい、マリオやドラえもんどころか、ポケモンもニンジャもアキラのバイクも出てこんかったじゃないか!――終わったばかりのオリンピックのまずは私的な印象です。 個々の競技や選手の手柄は全部措いておきます。開催す…

われらが的場文男・頌

*1 ● 「尊い」――そうとしか言いようがない。 今に始まったこっちゃない、ずいぶん前からそうだった。赤地に星散らしのあの勝負服は、われら地方競馬巡礼衆にとっては、ただひたすら「尊い」のだ。 的場文男、言わずと知れた大井のカミサマ。南関東の、そして地方…

政と桃ちゃん、寺山のつむいだ「競馬」

スシ屋の政、と、トルコの桃ちゃん。この名前にさて、そこのあなた、聞き覚えがあるだろうか。耳にした瞬間、ああ、と思わず口もとがかるくほころんじまうような感覚が、まだ身の裡に残っているだろうか。 別に映画やドラマってわけじゃない。だからどこかの…

さらば、朝青龍

「木でつくった家、紙で貼った座敷にくらす間は人間の気持が穏やかでもありのんびりもしてゐた、相撲だって晴天九日のために其都度組み立てる丸太細工の小屋の間は、めいめいの稽古場から土俵へ、土俵から相撲茶屋へやがて花柳界のお座敷へとゆく先々にこわ…

大相撲、あるいは北の湖理事長の、孤立無援について

大相撲はショーだ。だからきびしいしごきによって、あらゆる技能を身につけ、危険を克服してから、それを見せるものにしているんだ。その見せる相撲をまねるから、あぶないものになるんだ。 ● いま、相撲は気の毒である。 あらゆる意味で損な役回りに追い込…

中田ヒデとカズの間

ワールドカップ、日本予選リーグ敗退、でしたが。 あたしゃ特にサッカー好きというわけでもないので、ほんとに人並みの関心しかございません。まして、そこらのタレントやらお笑い芸人から、よろず評論家や零細ライターに至るまで、この時期に何かとサッカー…

岩手競馬の存続は?

*1 ①地方競馬の相次ぐ撤退について率直にどう感じるか。 いわれのない大虐殺をじっと見ているような気持ちですね。競馬に限らず公営ギャンブル自体が構造的にダメになってきていて、JRAでさえ売り上げ減少に悩むこのご時世ですから、地方競馬すべてが生き…

ニッポン野球復活のカギは?

劇的な逆転優勝という意外な結末とあいまって、当初の予想を裏切る盛り上がりを見せたWBC。やはりニッポン人は野球好きだ、これを機にまた野球人気の復活を、などと脳天気に浮かれている向きもあるようですが、ちょっと待った。ことはそんなに単純でもあ…

野球も歴史コンテンツとして

www.youtube.com *1 オープン戦も始まり、開幕も近づいてきたが、昨今、プロ野球人気の凋落が著しい。この季節、メディアぐるみで懸命に煽っているWBCにしても、それほど関心を呼んでいない。 かつて、『野球小僧』という歌があった。戦後まもなくの、灰田…

「戦後」コンテンツとしての野球

オープン戦も始まり、開幕も近づいてきたが、昨今、プロ野球人気の凋落が著しい。この季節、メディアぐるみで懸命に煽っているWBCにしても、それほど関心を呼んでいない。 かつて、『野球小僧』という歌があった。戦後まもなくの、灰田勝彦の名唱。もうは…

凋落が止まらない@読売巨人軍

巨人の凋落が止まらない。現在、首位阪神に12.5ゲーム差。自力優勝もすでに消滅。いや、成績もさることながらテレビの視聴率があなた、もう目もあてられない状態。スポンサーが軒並み頭を抱える始末で、試合中継自体も危ぶむ声まで出る始末。 なぜこうな…

草ラグビーはつらいよ

*1 ラグビー人口が減り続けています。花園を狙うような高校の名門チームでさえも人数が揃わず廃部になったり、寄せ集めの合同チームを組んで何とか大会に参加するのが珍しくない。トップの社会人チームの方は、今年度から全国リーグに編成変えして心機一転、…

地方競馬のゆくえ

● 鈴木一郎、という「イチロー」と同音の名前を持つひとりの元農水官僚プッツン市長のその場の思いつきで、ひとつの競馬場が「廃止」になっちまいました。明日から開催というその前夜にいきなり「廃止」の通告。補償は一切なし。そして、向こう二カ月ほどの…

大揺れの中津競馬

*1 九州は大分県中津市にある中津競馬場が、いきなりの「廃止」騒動で大揺れに揺れています。 二月に鈴木一郎市長が関係者に何の説明もなく、いきなり「廃止」を表明。しかもこの六月までで開催をとりやめ、なおかつ厩舎関係者への補償は一切しない、という…

JDD、オリオンザサンクスの逃げ切り劇

「腕がパンパンになっちゃいました」 レース後、テレビのインタヴューに応えてこう言ったのは早田の秀ちゃん。いかにも鼻っ柱の強そうな、アナウンサーの無味乾燥な問いかけにせっかちに応じる姿が、いまどきの中央の若いノリヤクにはあまり見られなくなった…

メイセイオペラ、帝王賞

www.youtube.com うひゃひゃひゃひゃ、強え強え。 メイセイオペラであります。帝王賞であります。指定交流重賞GⅠであります。大井のダート10ハロンであります。過酷であります。でもってあなた、それを直線ひとしごきで四馬身からぶっちぎったのは正真正…

カズ、がいるよ

サッカー、強いなあ。 いや、そりゃオリンピック予選だってことは知ってますよ。それも相手はフィリピンだのネパールだの、いくらなんでも日本にとっちゃ全くの格下だってことも十分承知してますよ。まとめて十三点とろうが、Jリーグじゃ控えのアンちゃんが…

「国産車」の底上げを

*1 中央競馬の売り上げがじりじりと下がってきています。 あまり表立って報道されていないようですが、高度成長期このかた、右肩あがりに増え続け今や年間四兆円を誇っていた世界一の売り上げが、今年になって初めてこれまでにないくらいの幅で落ちている。…

メイショウモトナリ、かきつばた記念・スノーエンデバー、群馬記念

www.youtube.com このゴールデンウィーク、西へ東へ、地方競馬のハシゴをして暮らしました。 まずは五月四日。名古屋の第一回かきつばた記念。今年から新設された指定交流重賞のGⅢです。距離は一,四〇〇メートル。出走頭数は十頭。中央からはマチカネワラ…

ナリタホマレ、オグリキャップ記念

表彰式、ごついカメラをぶらさげた下ぶくれの競馬おたくや、中央ばりに「ユタカ」コールを絶叫する傍若無人の若い衆、はたまた「おまえが来ると(配当が)安くなるからもう来んでええぞっ」とヤジる一杯機嫌のオヤジなどが雑然とたむろする正面スタンド前、…

ニッポンサッカー、の不器用

やっぱり何か言わんといかんのだろうなあ、サッカー。 まず、選手たちにはとにかく、ご苦労さん、と言いたい。それはほんとにそうだ。だって、「ドーハの悲劇」だの何だのとどこかてめえたちの知らないところで“おはなし”が勝手に作り上げられていって、そこ…

マルゼンスキー、が死んだ

マルゼンスキーが死んだ。心臓マヒだったそうだ。二六歳。馬としては長生きの方だ。 このマルゼンスキー、七〇年代始めに生きた馬の輸入が自由化された後、おっかさんの腹に入ってやってきた「持ち込み」の「外車」だった。今の中央競馬の基準だとこれは「マ…

女性騎手、の現在

「いじめで強制退学させられた」という中央競馬の競馬学校の元女生徒の訴えが棄却された。彼女は競馬学校騎手課程の女性第一期生のひとり。訴えの内容を見ると「いじめ」というよりむしろ「セクハラ」なのだが、事実とは別に、彼女がそう訴えたくなる雰囲気…

巨人、大崩壊中

世紀末なんて軽薄なもの言い振り回してわかったふりするような趣味は持ち合わせていないけれども、最近のようにこれまで当たり前だったものが何もかもグズグズに崩れてゆく現実を眼のあたりにするというのは、はて、人間の生まれ合わせとして幸せなのか不幸…

マンガ評・小林まこと『1・2の三四郎 2』(講談社)

歳をとる、というのは難しい。単なる年齢を加えるというだけならば、それは誰もが経験する、生き物なら逃れられぬ過程だ。しかし、うまく歳をとってゆくことは、現実はもとよりたとえ虚構の中でさえも、本当に難しい。 だが、小林まこと『1・2の三四郎2』…

競馬とメディア、新たな時代と局面

競馬がメディアの舞台に登る機会が、とにかく飛躍的に増えた。中央競馬だけでもない。先日など、ある競走馬が全休日の大井競馬場から逃げ出して首都高速を数キロ走って大捕物を繰り広げたことが報道されたが、その後、その逃げた馬がレースに出走する日には…

プロ・スポーツ、「玄人」なるや?

www.youtube.com ヤクルトの日本シリーズ優勝パーティーの馬鹿騒ぎと、大相撲フランス興行の情けなさとは、今のこの国のプロ・スポーツとは「玄人」の誇りの上に自立して存在できるものでなく、下品で不作法なメディアの磁場に巻き込まれたところで成り立つ…

相撲と「麻薬汚染」

相撲と「八百長」という取り合わせで組み立てられる「スクープ」の手口は、週刊誌にとってはすでにお家芸。いつ頃からこうなったのか、他に何か目を引くニュースがとぎれて誌面に派手さが少なくなると、必ず登場する今や定番の「ネタ」のひとつではある。ま…

その後の本間茂騎手

*1 もう六年前のことになる。スポーツ紙の一面はもちろん、一般紙の社会面にまで「地方競馬で八百長疑惑!」という見出しが躍った。当時川崎競馬に所属していた騎手が「八百長」の疑いで警察に逮捕されたというものだった。 しかし「八百長」だったと報道さ…