スポーツ

われらが的場文男・頌

*1 ● 「尊い」――そうとしか言いようがない。 今に始まったこっちゃない、ずいぶん前からそうだった。赤地に星散らしのあの勝負服は、われら地方競馬巡礼衆にとっては、ただひたすら「尊い」のだ。 的場文男、言わずと知れた大井のカミサマ。南関東の、そして地方…

政と桃ちゃん、寺山のつむいだ「競馬」

スシ屋の政、と、トルコの桃ちゃん。この名前にさて、そこのあなた、聞き覚えがあるだろうか。耳にした瞬間、ああ、と思わず口もとがかるくほころんじまうような感覚が、まだ身の裡に残っているだろうか。 別に映画やドラマってわけじゃない。だからどこかの…

大相撲、あるいは北の湖理事長の、孤立無援について

大相撲はショーだ。だからきびしいしごきによって、あらゆる技能を身につけ、危険を克服してから、それを見せるものにしているんだ。その見せる相撲をまねるから、あぶないものになるんだ。 ● いま、相撲は気の毒である。 あらゆる意味で損な役回りに追い込…

中田ヒデとカズの間

ワールドカップ、日本予選リーグ敗退、でしたが。 あたしゃ特にサッカー好きというわけでもないので、ほんとに人並みの関心しかございません。まして、そこらのタレントやらお笑い芸人から、よろず評論家や零細ライターに至るまで、この時期に何かとサッカー…

ニッポン野球復活のカギは?

劇的な逆転優勝という意外な結末とあいまって、当初の予想を裏切る盛り上がりを見せたWBC。やはりニッポン人は野球好きだ、これを機にまた野球人気の復活を、などと脳天気に浮かれている向きもあるようですが、ちょっと待った。ことはそんなに単純でもあ…

野球も歴史コンテンツとして

*1オープン戦も始まり、開幕も近づいてきたが、昨今、プロ野球人気の凋落が著しい。この季節、メディアぐるみで懸命に煽っているWBCにしても、それほど関心を呼んでいない。 かつて、『野球小僧』という歌があった。戦後まもなくの、灰田勝彦の名唱。もう…

「戦後」コンテンツとしての野球

オープン戦も始まり、開幕も近づいてきたが、昨今、プロ野球人気の凋落が著しい。この季節、メディアぐるみで懸命に煽っているWBCにしても、それほど関心を呼んでいない。 かつて、『野球小僧』という歌があった。戦後まもなくの、灰田勝彦の名唱。もうは…

凋落が止まらない@読売巨人軍

巨人の凋落が止まらない。現在、首位阪神に12.5ゲーム差。自力優勝もすでに消滅。いや、成績もさることながらテレビの視聴率があなた、もう目もあてられない状態。スポンサーが軒並み頭を抱える始末で、試合中継自体も危ぶむ声まで出る始末。 なぜこうな…

草ラグビーはつらいよ

*1 ラグビー人口が減り続けています。花園を狙うような高校の名門チームでさえも人数が揃わず廃部になったり、寄せ集めの合同チームを組んで何とか大会に参加するのが珍しくない。トップの社会人チームの方は、今年度から全国リーグに編成変えして心機一転、…

大揺れの中津競馬

*1 九州は大分県中津市にある中津競馬場が、いきなりの「廃止」騒動で大揺れに揺れています。 二月に鈴木一郎市長が関係者に何の説明もなく、いきなり「廃止」を表明。しかもこの六月までで開催をとりやめ、なおかつ厩舎関係者への補償は一切しない、という…

マンガ評・小林まこと『1・2の三四郎 2』(講談社)

歳をとる、というのは難しい。単なる年齢を加えるというだけならば、それは誰もが経験する、生き物なら逃れられぬ過程だ。しかし、うまく歳をとってゆくことは、現実はもとよりたとえ虚構の中でさえも、本当に難しい。 だが、小林まこと『1・2の三四郎2』…

社台ファームとサンデーサイレンスは、なぜ“ひとり勝ち”できるのか

「皐月賞、どう思う?」 北海道千歳。近辺に何ヵ所も散在する社台グループの牧場群の中でも中心のひとつ、社台ファームの事務所のソファに腰かけた吉田照哉は、話が一段落した合間にこう尋ねてきた。なにげない調子だけれども、しかしそれまでの取材という約…

キャンター一年、ダク三年――日本にもあった繋駕速歩競走のこと

この『騎手物語』に出てくる競馬は、ご覧になってもらえばわかるように、今の日本で普通に行なわれている平地競走とは趣きが違います。かつて『ベン・ハー』に出てきた古代のチャリオットレースのような、馬の後ろに二輪車をくっつけて走る競馬。正式には繋…

夢の分け前――吉田善哉という人

*1● アメリカってなんですか? 自身の持ち馬で欧米の重賞をいくつもかっさらい、イギリスやケンタッキーに牧場さえ経営していたこともある世界的ホースマン、ゼンヤ・ヨシダに対して、かなり間の抜けた質問だとは思った。でも、意地でもこれだけは尋ねてみた…