1995-07-01から1ヶ月間の記事一覧
*1 「ルポルタージュ」とか「ノンフィクション」とか呼ばれる表現領域の、その文体がどのように構成されてきたのか、ということについて考える時、僕はことさらに斉藤龍鳳の仕事を引用することがある。今どきの大学生はもちろんのこと、同年代のもの書き稼業…
*1 正真正銘のバラケツである。つまり「不良」だ。 大正四年の一学期、関西学院中学部三年を諭旨退学。淡路島でひと夏遊んで暮らした後、親戚一同の協議により城崎の県立中学に転校。ここでも騒ぎを起こし、教師を殴って退学、神戸に舞い戻った。元町の絵具…
*1 ある時期までこの国に生きる人々にとっての一般教養となっていったような“おはなし”の束を、芝居や読みものという器にふんだんに盛って差し出した、それが長谷川伸だ。だが、駒形茂兵衛や、番場忠太郎や、沓掛時次郎といった名前を耳にして、その物語がよ…
*1 ラジオの出現が二人の人間による対話という現在の漫才の形式を定着させた、というのが、これまで民衆文化を語る時のひとつの定説になっている。そして、その対話という形式を、にわかや軽口の要素に音頭の形式が混入した雑芸の百貨店のようだった「万歳」…
TBSの「サブリミナル」映像騒動は、事態の細部も責任の所在もよくわからないような「謝罪」のみで、例によってうやむやのまま収束してゆきそうである。 これは全くの当て推量で言うのだから、もしも違っていたらTBS関係者に本当のところをぜひご教示い…
「肺病それは今日の人類全てが例外なくとりつかれてゐる業病の名だ。都会人が百人よれば百人ともやられてゐる恐しい宿病なのだ。ピルケー反応といふ試験がある。肺病といふよりも結核に侵されてゐるか否かを試みる方法であり、之に陽性反応を示す者は結核患…
宗教学者が火だるまになっている。事態への対処があきれるほどナイーブで馬鹿正直な分、何やら島田裕巳だけが矢面に立ってしまっている観があるが、かつてオウムを持ち上げていたか否かなどとは全く別に、宗教学という看板を掲げて世渡りしてきた者全てが今…