1993-12-01から1ヶ月間の記事一覧

僕たちの失敗――あるいは、違和感から価値を創る、ということ

何につけもっともらしい顔するのが商売の評論家オヤジたちの言によれば、「最近、若い世代の総保守化が顕著」だそうである。 誰が言い出したのか「新・保守主義」てな看板もそのような場合、便利に使い回される。どだい「保守」だの「革新」だのというもの言…

日本の馬は強いぞ

どうも最近、日本の競走馬の能力がいきなり高くなっている。 何かまるで進化の段階をいきなり無視したようなとんでもない「強さ」を感じる時すらある。たとえばこの秋、ビワハヤヒデの菊花賞。さらに、その半弟ナリタブライアンの朝日杯。いずれも内容が常識…

「大学」という場所のいまどき (往復書簡)④

拝復 同じ駄菓子屋の店先での経験、興味深く読みました。 一次的に立ち上がる欲望としての「欲しい」よりも先に、自分がどんな品物を選択するのか、そしてその選択した自分がどのように見られるのか、といったところに焦点が合ってしまう自意識のありようを…

書籍市場の変貌

*1 今年のベストセラーのリストを眺める。文学方面では『マディソン郡の橋』が断トツのトップ。**万部が売れたのだという。あるいは、話題になった陰毛ヌード写真集も売り上げとしてはかなりの成績を上げているし、マンガ市場もすでに成熟段階に入って安定…

うまく「オヤジ」になってゆくための知恵

*1 高校でも大学でも、あるいは予備校なんかでも一向に構わないんだけど、そういう「学校」を出て働き始めて、数年たってからクラス会でも開いたとするでしょ。そういう時、女の子たちが呆れたような会話を交わすのにこれまで何回も出くわしてる。 彼女たち…

うまや、にて――あるベットウのはなし

● 競馬ブームということもわざわざ言われないくらいに、もはや競馬は暮らしの中で“あたりまえ”のものになってしまった。 電車の中、若い女の子が競馬新聞を読む。あるいは、Jリーグのスタンドにでもたむろしてそうな「若者」たちが、カズやラモスやジーコや…

追悼・芝正夫さん、のこと

前略 [向島の映画館と、そこにまつわる人々の口述の生活史]拝見しました。これはこれでよろしいかと思いますが、わたしが追いたいのは、もっと土地(地域)の変容に密着した細部にわたる網羅的なものでしょう。両者を一本にしようとしても、無理が出てくる…