世相

「団塊の世代」と「全共闘」・余滴②――呉智英かく語りき・断片

● 創価学会 創価学会は危険な組織か、とよく議論されるけど、創価学会に対して自由に批判があり得るうちは、さほど危険ではないと私は思ってる。この場合の批判というのは、何も高尚でお上品なものだけではなくて、野次や嘲笑、罵倒なんかも含めてのことだけ…

耳の〈リアル〉と「事実」の関係

● 大正12年の秋、というと、あの関東大震災が起きた年の、まさにちょうどその頃、ということになります。ただし、これは被災地東京ではなく大阪でのこと。当時、朝日新聞社企画部にいた高尾楓蔭が、ひとりのアメリカ人を会社に連れてきました。この高尾楓蔭…

「団塊の世代」と「全共闘」㉜ ――大江健三郎、高橋和巳

●大江健三郎 ――三島なんかとは格が違うとは思うんですが、未だに朝日新聞以下、後がなくなってるリベラル陣営の守護神というか貧乏神みたいになっている、大江健三郎はどうでしたか? 大江健三郎は、私たちの頃は尊敬の対象ではなかったし、私も大江健三郎を…

「団塊の世代」と「全共闘」㉛ ――三島由紀夫、連合赤軍、「学生」の東と西

●三島由紀夫 ――あと、呉智英さんの世代、いや、もう少し下まで含めていいと思いますが、吉本と共に三島の影響ってのも大きいことに驚くんですよ。あたしらにとっちゃ、少なくとも同時代の印象としては、単に自衛隊に突入して腹切っちゃったヘンな作家、程度…

「団塊の世代」と「全共闘」㉚ ――吉本信者への違和感、草の根の共産党員のこと

――思想なり発言なりに何らかの抵抗値が設定されてないと、その輪郭も自覚できないままってところはありますね。あたしが年来便利に使っている「あと出しジャンケン保守」というもの言いと同じことで。福田恒存や江藤淳がかつて、ああいう論陣を張っていたの…

「団塊の世代」と「全共闘」㉙ ――本音と建前、二分法の前景化

――「国家」ってのがもうあらかじめそんなに大変な争点になってた、ってことなんでしょうね。で、そんなものは崩壊する、死滅する、というのが理想郷である、と。なんというか、ラスボスとしての「国家」を想定してそれを倒すことが正義、というのは、まず想…

「団塊の世代」と「全共闘」㉖ ――「大学」の衰退、戦後の終焉の風景

●大学という場の磁力、日本人の退嬰化 ――大学自体、そういう「教養」をわが身に紐付けて形成してゆくような教育を、最近はもうしていませんし。 そう、ただ昔から大学は、そういう教育をしていたとしても、それは一般的な教養教育にすぎないんであって、制度が…

「団塊の世代」と「全共闘」㉕ ――「教養」願望、と、おたく的知性の関係

*1 *2●教養願望とオタク的情報量の集積 ――でも今、浅田彰や宮台真司がアニメ語るとカッコ悪いでしょ(笑)。もちろん、当人はそう思っていないんだろうけど。 それは、教養になり得ていないんだよ。 ――マンガでも一緒ですよ。浅田が岡崎京子を語ったら、ほん…

「団塊の世代」と「全共闘」㉓ ――快適なシングルライフ、の尖兵

●快適なシングルライフ ひとり者=シングルの始まりは団塊世代か、ということについて、友人の山口文憲が『団塊ひとりぼっち』という本で書いていた。これはさっきちょっと触れた七○年以降の社会インフラの整備と関係することだけど、地域の共同体は崩壊して…

「団塊の世代」と「全共闘」㉒ ――オトコとオンナ、自慰の暗闇、処女性の霹靂

◎男と女、自慰の暗闇 処女性の霹靂 ――「婚前交渉」と同じように、当時はオナニーも問題になったでしょ。自慰、マスターベーション、ですが。 もちろん、問題になった。私の世代では、小・中学校の頃、オナニーは変態扱いだったね。 ――うわ……いきなり「変態」…

続・阿久悠と都倉俊一――あたらしい〈おんな・こども〉の感覚

● 阿久悠と都倉俊一の「出逢い」が、どれだけ互いに異質なもの同士の遭遇だったか。それは後世の後知恵でごくあっさり言ってしまうならば、「育ちの違い」というひとくくりな言い方に還元してしまっても、ひとまずいいようなものではありました。 だがしかし、と…

「統一協会」という名詞

ああ、「暗殺」というのが、いまや実にこういう形で、平手打ちのように不意に眼前のものになるんだ――それがまず、最初の感想でした。奈良は西大寺駅頭における、安倍元首相遭難の一件です。 手製の銃、それもひとりでこさえたものを携えて、参院選終盤のこと、…

阿久悠と都倉俊一――〈おんな・こども〉への合焦

● 前回、最後に阿久悠の名前が出たので、彼の仕事を足場にもう少し、〈おんな・こども〉の領域が「うた」とそれに伴う日常の身体性とでも言うべき領域にどのように関わってきていたのかについて、続けてみます。 阿久悠という名前は、「作詞家」という肩書きが…

世相史は、いつも後知恵で

自分の生きてある〈いま・ここ〉と地続きの時代の流れ、自分以外の他人を介してもなお未だ生身を介しての地続きではある「ほんのちょっと前」――only yesterdayな過去、いわゆる現代史、時には世相史や生活史と呼ばれもするような間尺の、それも日々の暮らし…

瞑目して「うたう」こと、の来歴

先日、ヘンな夢を見ました。ふだん、あまり夢は見ない方なのですが、だから余計に印象に残ったらしい。 手もとの紙に書かれた詩のようなものがあって、それらを実際に「うたう」ことを求められている場に自分が居合わせていて、しかもそれをカラオケのように…

「学者」って、なあに?

学者の世間離れ、というのは何も今に始まったことではありません。 一般的なイメージとしても、またある程度具体的な実態を伴った見聞、身の丈の経験値としても、いわゆる「学者」というのは「世間」「浮世」のあれこれからかけ離れた、超然とした存在という風に…

「宣伝・広告」と「放送」媒体の必然

● ラジオが「ナマ放送」であることの「臨場感」を大事にしていたこと。そしてそのような初期のラジオの媒体としての自覚が、すでに巷に出回っていたレコードを放送に乗せることをどうやら忌避していたらしいこと。 その一方で、ラジオは「家庭」というたてつ…

街に流れるうた、の転変

● 「世相」というのはいつも眼前を通り過ぎてゆくものであり、だからよほど意識しておかないことにはそれと気がつかないし、だから書き留められ「記録」になることもない――〈いま・ここ〉というのは常にそんなもの、です。 だからこそ、日々の暮しは必ずそれ…

【改稿分】TOKYO2020の見せた「希望」

*1 *2 ● 「老害おじさん炙り出し競技でもあるのかと思ったオリンピックでございますわよ」 閉会式の8月8日夜、Twitterに流れていたとりとめないつぶやきの中の、ほんのひとつ。何気ないひとことで何かをうっかり射抜いてしまう――ああ、世間一般その他おお…

広告・童謡・歌謡曲

● 流行歌の歌詞を作るということが、世間一般その他おおぜいにとってのわかりやすい「一発当てる」という夢の依代になっていたこと。特に稽古をしたり、師匠や先生について修行を積んだりすることをしなくても、またそのための特別な道具をそろえたりするこ…

本邦いまどきの「ポリコレ」・考

● 明らかに何かがおかしい。いや、前からおかしくなってきているのは確かでしたが、ここにきてまたそれが一段と加速、もはや何か取り返しのつかないところにまで事態の底が抜けて、見渡す限り何やら煮崩れ始めたような印象です。 他でもない、昨今「ポリコレ…

「歌謡」と「曲」の来歴

● 戦前、ざっと大正末期から昭和初期にかけて、「童謡」と「民謡」はうっかり隣り合わせになり始めていた。そこでは「童」と「民」、つまり「子ども」と「民衆」≒普通の人々が、共に「謡」≒「うた」を媒介としながら、文字・活字ベースの情報環境で編制された〈知…

「読者の集い」にお招きを

*1 『宗教問題』読者の集い、という催しにお招きを受け、出席しました。 昨年暮れ、押し詰まった東京は池袋。コロナ禍はすでに日常化していたものの、例のGO-TO政策もあってご当地北海道から東京へ行くのは、飛行機代と宿泊費コミで申し訳ないくらいの値段に…

「放馬」について

*1 *2 *3 ・地方競馬だけで事故が続いてしまっていることと、その理由についてお考えをいただければと思います。地方競馬全国協会の方は、「『河川敷のような場所』と『改善できない経営状況』が理由では」ということをおっしゃっていましたが… まず、確認し…

「そういうもの」という領分

実は昨年来、職場でちょっと大きなトラブルが生じていて、その対応にあれこれ奔走していたのですが、今年に入ってから3月の年度末にかけてその案件がいよいよ煮詰まってきて、内部ではどうにも始末がつけられなくなり、外部の関係諸方面に訴えて事態の打開…

新型コロナウイルス騒動の「効果」

*1 中国は武漢発の例の肺炎、当初の予想を越えて世界規模で猖獗を極め始めているような気配があります。この原稿が活字になる頃には、またどうなっているかわかりませんが、少なくとも今、1月末の時点では、政府のチャーター便で帰国した邦人たちの間にも感…

生きものの「死」の現在

先日、猫が一匹、亡くなりました。新千歳空港の駐車場で推定生後2ヶ月くらいで拾って以来18年、概ね老化と老衰の結果で、まずは大往生と言っていい逝き方でした。先に昨年9月、これは名寄の保健所でわけありの飼育放棄で保護されていたのを縁あって引き…

ランドセルと北海道

*1 *2 関連のご当地『北海道新聞』新聞記事 NA)ところで、ランドセルって何年生まで使いましたか? 道民への街録ON ★6年生まで使っていない ★何年生で何に変えた?なぜ?変える事への抵抗なかった? 「周りが変えていたから」「ランドセル格好悪いから…

からあげクン、と、天皇

元号が変わりました。Webを介した世間では、「退位」か「譲位」かで物議を醸したり、はたまた「上皇」をどう呼べばいいのか、「陛下」になるのかそれとも「上皇さま」でいいのか、などなどあれこれ些末な悶着が例によってメディアの舞台を反響板としながら流れてゆき…

ホワイトイルミネーションを見ると別れる?

*1 カップルが別れるジンクス、のある名所なり観光スポットなりはすでに全国いくつもありますね。ディズニーランドや観覧車、水族館などに並んで、ホワイトイルミネーションのようなライトアップイベントもそういうスポットの割と定番みたいです。 カップル…