大学

「懲戒解雇」以後――嶋貫和男という「盾」

*1 *2 前号、何やら奥歯にもののはさまったようなもの言いでしか語れなかった「内部的には醜聞、いや、外から見てもまずは格好のスキャンダル、ないしはゴシップ系のネタとしてまずは取り扱われるような案件」ですが、もう勿体つけなくてもいい状況になった…

札幌国際大学、燃ゆ

*1 *2 ● 6月29日付けで、札幌国際大学より「懲戒解雇」されたことについて、7月13日付けで札幌地方裁判所に、地位保全及び賃金仮払い仮処分命令申立書を提出し、受理されました。 大学側からの「懲戒解雇告知書」に記載されていた「懲戒の事由となる事実」は以下…

「懲戒解雇」の顛末――でぶ太郎、野に放たれる

*1 *2 勤めていた大学から、「懲戒解雇」を申し渡されました。北海道は札幌にある札幌国際大学という、今年で創立51年目になる小さな私大です。地元の人たちには、静修短期大学という名前の方が今でも通りがいいかも知れません。 こういう地方の私大のご多分…

「現代文化論」のために

*1 確かに大学へ入ったはずなのに、高校あるいはそれまでの日々と何も区切りのつかない毎日をすごしていると思います。 人間、生きていればいろんなことに遭遇するものですが、あなたたちがいま、10代やそこらで遭遇しているのは、敢えて大げさに言えば「文…

大学はどうなる?

恥ずかしながら、これでも大学、それも私立大学で禄を食んでいる身の上、それも首都圏や京阪神などの立地条件も良ければ経営規模も大きい名のある大学ならいざ知らず、いずれ地方の小規模私大、しかも昨今の少子化の荒波の中、毎年の学生集めにも青息吐息で…

大風呂敷の幸せ――梅原猛逝去に寄せて

*1 「教養」系大風呂敷(おそらく)最後の大物 大風呂敷を拡げる人、というのがいます。拡げるだけ拡げて畳むことをしない、いや、そもそもそんな畳むなんてことを考えないから拡げられるというのもあるらしい。 凡庸通俗普通の人たちは小心翼々、そうそう自分の…

変わる外国人留学生、変わらぬ大学事情

少し前、本誌で半ばスクープ的に報じられていたご当地、北海道は苫小牧駒澤大学「売却」をめぐる騒動の件、その後週刊誌や全国紙にも後追い的に報道されるようになり、本誌のジャーナリズム的嗅覚の鋭さが証明される形になっているようで何よりです。 地元紙…

「年上」ということ――川村邦光さん「退官」に寄せて

● 川村邦光さんは、年上である。年上の、と口にして、さてそのあと何と呼べばいいのだろうとなると、そこでちと立ち止まってしまう。 学者教員研究者、いずれそんな通り一遍のラベルを貼ってすませるのをはばからせる何ものか、があるらしい。友人というほど…

「リメディアル」のはらむ,とりとめなくも壮大な射程距離

「リメディアル教育」というもの言いをちゃんと見知ったのは,恥ずかしながらここ数年のこと。97年の春,思うところあって当時勤めていた大学というか共同利用研を辞めてこのかた,丸10年の野良暮らしの後,縁あって今の職場にまた腰据えるようになったのを…

笹井センセの謎、その他

笹井はノーベル賞候補とさえ言われた人物です。彼のES細胞は、生体から卵子を取り出さなければならず、倫理問題から人体への転用ができな くなりました。そこにiPSが登場し、ノーベル賞をかっさらったという流れです。それでも笹井はエリートですし、収入…

「ホッカイドウ学」的 マンガ学夜話

札幌国際大学 北海道地域・観光研究センター「ホッカイドウ学」準備室Presents 「ホッカイドウ学」的 マンガ学夜話 twitterのハッシュタグは…. #mangagaku_yawa #hokkaidogaku Facebookのイベントページは… http://www.facebook.com/events/270972866304610/…

“民俗学的知性”とは何か…

頼まれたので告知。こういうセミナーにお呼ばれしました。 「“民俗学的知性”とは何か…」 コメンテーター◇川村邦光(大阪大学文学部教授) 司会◇古川武志(GCOE特任助教) 日時■9/19(月祝)15:00〜17:00 場所■大阪大学豊中キャンパス 大学教育実践センター スチュ…

ホッカイドウ学、のこと

● ホッカイドウ学、ということを考え始めました。札幌は清田区、あの羊ヶ丘の南どなり、札幌ドームともごくご近所の小さな大学で、です。 北海道学、ではなく、ホッカイドウ学、です。敢えてカタカナ表記にしてみたのは、奇を衒ったわけじゃない。小さな大学…

いまどきの大学・考

● 大学は最近、どうやらえらいことになっているらしい――このところ、そんな報道が眼につくようになってきました。 けれども、いまどきの大学で現実に起こりつつあることについて、果たしてどれだけ世間にうまく伝わっているのか、正直、謎です。現場のニンゲ…

「ゆとり教育」の本質

● いわゆる「ゆとり教育」が一時期、問題になっていました。もしかしたら、昨夏の総選挙以降、政局のみならず、足もとのあちこちが棚落ちを始めているようなあれやこれやで日々のできごとからあまりに錯綜しているニッポンのこと、多くの人の脳内ではもうす…

「ゆとり」大学の最前線

大学もやっと世間並みに、のようです。中身じゃない、このところの淘汰再編の顛末です。 上から下まで、少子化に伴う構造的な経営危機が平等に襲来、「ゆとり教育」の弊害による「学士力」の低下、ロースクール以下考えなしの大学院改革から、特亜限定かのご…

 〈いま・ここ〉の「むかし」

先日、ある学生から「センセイのゼミ出るようになってから、歌詞の意味を気にして音楽を聴くようになっちゃいました」、と言われました。一瞬、何を言われているのかわからなかったのですが、理解するとさすがに眼からウロコが数十枚、音を立てて落っこちま…

春期講義の反省など

「しらべもの」という言い方で、それぞれ自分が興味を持ったテーマについて自前で調べてゆくこと。そしてその過程で「わかった」ことをゼミという「場」に投げ返して、そこで返ってきたコメントをまたフィードバックしてゆく。ガクモンとまで言わずとも、も…

そのまんま東、の本領

そのまんま東、あっさり宮崎県知事になっちまいました。)) メディアは選挙戦開始当初、どうせ苦戦だろ、という調子でしたが、途中から彼が案外善戦しているのを見て風向きを変え、終盤では好意的な論調になっていました。ああ、こりゃ案外通っちまうかも、と…

文科系の終焉について

学問は、すぐ世の中に役にたつものではないということをよく哲学者は口にするのであるが、しかしながらいくつかの需要が個々にあれば、少なくもいちばん目前のもっとも痛切な要求に答えうることを、まずもって学びとらなければならない。 ――柳田国男 ● いま…

受験生諸君、問題です

「受験によく出る」というのが、朝日新聞のキャッチコピーになっている。去年くらいからか。大学入試の現代国語や小論文などで新聞記事が素材に使われることは確かに多いが、しかし、自らそれを得意げに言いつのるこの態度、あさましいったらない。 思えば、…

あたしの「網野史学」

*1 ● 電話の向こうで、いつも会う時よりも少しだけ低い、でもやはり心地よい太さのあの声が響いていた。 「オーツキ君、悪いけどそれはダメだ。できませんよ」 20分くらい、いや、もしかしたら30分以上、受話器を握っていたかも知れない。この世代の年長…

 三人の具眼の士

*1 「さて、君もこれからどしどし論文を書かなきゃいけないんだけれども……」 廊下の端っこの小さな研究室、講義のある日は真っ昼間からさしむかいの酒盛りが、いつしかお約束になっていました。 「学者の世界というのはほんとに狭い。自分の書いたものがどこ…

大学という文化

近年、大学に入るのは本当にやさしくなっている。少子化が進み、事実上無試験で入学できる大学も珍しくない。さらにはAO入試や一芸入試の試験ならざる試験も公然化して「受験地獄」などとうに死語。高校全入どころか、今や大学全入に近い状態になっている…

「研究能力」って、なんなの?

群馬大学のセンセイが、同僚から研究能力が低いと罵られたとかで、名誉棄損の裁判を起こしたそうであります。 不肖大月、この春まで大学の教員だった身の上でありますから、この話、ちと笑ってすまされないところがある。今の大学にはこういう脱力するような…

「研究」という名の神――あるいは、「好きなもの」の消息について

「人の作りだした? あの時南極で拾ったものをただコピーしただけじゃないの。オリジナルが聞いてあきれるわ」 「ただのコピーとは違うわ。人の意志が込められているものよ」 ――第20話「心のかたち、人のかたち」 ● おそらく、『新世紀エヴァンゲリオン』…

「脱藩浪人」の弁

仕事を辞めた。 国立大学、およびそれに準じる職場に八年間勤めたことになる。退職金は給料の約八ヵ月分。公務員はとにかく年金がつくまでいないと損だよ、とはまわりから耳タコに言われてきたけれども、なるほど改めてそう思った。とは言え、そんなもの目当…

大学教師という「既得権」

まだ院生の頃、初めて学会に行った時、懇親会で東大の院生たちがいるところへ連れてゆかれた。どういう経緯でだったか、学会の年会費を払わない人間が多い、という話になった時、同席していたひとりが「そんなもの、文部省に言いつければいいじゃないですか…

言い寄られるセンセイ、の無防備

そもそも、どうして「センセイ」は自分の近くへ寄ってくる生徒、あるいは学生に対して常に無防備なのだろう。そしてその無防備なるがゆえに、嫌われたり疎まれたり不愉快に思われたりすることに憶病なのだろう。 僕自身には経験がないから、間違っていたら教…

予備校と学校の間

ともあれ予備校とは、同じ「学校」でもそのようにちょっとズレた空間ではあった。 「センセイ」の側には、いわゆる「学校」とは違う輝かしさを勝手に当て込んだ無防備が、そして生徒の側にも、その通常の「学校」との距離感によって保証される何か奇妙な「学…