2003-01-01から1年間の記事一覧

「民俗誌」というささやかな初志について・ノート

●改めて、いま、「民俗誌」を語ることの意味 *1 「民俗誌」というもの言いがあります。ずっとあったし、いまでもどうやらあるらしい。 大昔によく言われた「ふたつのミンゾクガク」というのがありました。民俗学と民族学、日本語にしたらどちらも同じ発音の…

朝倉書店 民俗誌という課題

リスカ女に生活保護

日々無責任にうつろいゆくネットの空間のよしなしごとは、何も政治や経済、国際関係に外交問題、そんな天下国家を相手どった気宇壮大な憂国沙汰ばかりではない。 イラクへの自衛隊派遣問題や日本人外交官殺害事件などにまつわり、表舞台の新聞やテレビの報道…

 那須教養センター模範騎乗

水野JK模範騎乗馬 アドマイヤペガサス(0457〜0459) 模擬競走騎乗馬 ナイキスパンカー(0466〜0472) グリーンヴィオラ0454は、今年の秋入った後期生で競走騎乗した80期生ではありません。為念。残りの教習生画像も、ほとんどは見…

那須教養センター 取材メモ

タクシードライバー、のこと

タクシードライバー、という言葉の響きが、結構好きです。 こう言うと、映画の『タクシードライバー』を思い起こす人が多いかも知れません。いわゆるハードボイルド小説や探偵もの由来の「一匹狼」な都会のヒーロー、というのが、映画であれ小説であれ、あち…

土井たか子掲示板、大人気(笑)

選挙が近づくとネットもにわかに活気づく。今回総選挙で壊滅確定の社民党党首土井たか子御大も、遅ればせながら自前の掲示板を持った。 (http://www.doitakako.net/bbs2/msg.cgi?mod=browse) もちろん、あっという間にネットの善男善女たちが襲来し、 《即…

小熊英二=偏差値世代の自意識・考

*1 *2 ● 初めてご尊顔に接した時の印象は、「うわっ、な、なんなんだ、こいつ」だった。 忘れもしない、いまから十年ほど前のこと、当時十万部以上を売るベストセラーになった『知の技法』だった。名前からして堅苦しさバリバリな東京大学出版会が珍しく商売…

野中「引退」祭り、と、阪神優勝「暴動」

床屋政談という言葉がある。素人が政治を無責任にうんぬんする、いわば町人の気分任せな政論月旦だが、『TVタックル』以下のバラエティ系ニュースショウもさることながら、昨今ではインターネットこそがまさに、この種の床屋政談が咲き乱れる場になってい…

再び、安藤勝巳、頌

ペリエにデムーロにデザーモ。そして「アンカツ」安藤勝巳――慣れ親しんできたJRA免許の騎手たちとはまた別の雰囲気を持ったこれら「異人」の職人たち抜きで、いまの中央競馬はもう成り立たない。新潟や小倉のローカル開催など、スソ馬ばかりで除外連発、…

書評・『ナンシー関大全』

ナンシー関大全 作者: ナンシー関 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2003/07/26 メディア: 単行本(ソフトカバー) 購入: 2人 クリック: 33回 この商品を含むブログ (35件) を見る 急逝一年、あの文藝春秋がここまで手かけて追悼するくらいの「大事件」だ…

札幌の都市伝説について

*1 ●都市伝説という現象について 「都市伝説」という概念はアメリカの民俗学で提示されてきたものですが、都市伝説自体は、工業化とそれに伴う大衆社会化の中で必然的に現われる現象で、いわゆる先進国だけじゃなく、世界中に見られるものです。 ただ、それ…

日高生産牧場 聞き書き

● G1なんて、普通に牧場やってて取れるなんてこと、まずないっしょ。中央だって美浦と栗東でいくつも厩舎あるけど、牧場なんて千軒も千何百軒もあるんだよ。G1どころじゃない、中央の重賞取ること自体がまず宝くじにあたるようなもんだし。〇 G1なんて…

「マル地」でGⅠを戦えた頃――聞き書き・橋本善吉氏

*1 思えば、GⅠという響きが特別なものになったのはいつ頃からだったろう。 グレード制の導入以前、今でいうGⅠにあたる重賞はもちろんあったけれども、だからといって、それらの全部が今みたいに大層なものだったわけでもない。 たとえば、いい例が安田記念…

アンカツ――安藤勝巳騎手のこと

黒いパーカーを羽織った細身の身体が、かるく背中を丸めて紙コップのコーヒーを持っていた。新千歳空港の朝一番、まだ人のそれほどいない待合室のベンチに、彼は無造作に腰を下ろした。 アンカツ――安藤勝己騎手である。 前の夜、折りからの夕立ちにどしゃ降…

書評・森達也『ベトナムから来たもう一人のラストエンペラー』

ベトナムから来たもう一人のラストエンペラー作者:森 達也出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2003/08/01メディア: 単行本 いい意味で軽く読めるし、仕込みもていねいな仕事だ。なのに、ある種の息苦しさが全体を覆っている。この息苦しさとは何か。それがお…

書評・斉藤孝『スポーツマンガの身体』

スポーツマンガの身体 (文春新書)作者:齋藤 孝文藝春秋Amazon マンガはすでに日本人の一般教養である。かつての浪曲がそうだったように、戦後の日本人のものの見方、考え方を形成してきたメディアのひとつになっている、それは間違いない。そういう意味で、…

サイバッチ!宣言 草稿

1998年1月18日(日)。 今にして思えばあの日こそが、オンライン・ジャーナリズムの夜明けだったのかもしれない。 現地時間午前6時11分、マット・ドラッジは、ゴシップ系サイトのドラッジ・レポートに「『ニューズウィーク』のミッチェル・イジコフが、クリ…

ネットの「悪意」嘆く前に

オールスターのファン投票で中日の川崎憲次郎投手が、インターネット経由の大量投票で一位になりました。本人は辞退しましたが、FAで高額の年俸をもらいながらここ数年、故障で活躍できない選手をわざと一位にするのはネットの「悪意」を感じる、といった…

「江田島」の青春――2003年、春

*1 ● 「江田島」と聞くと海軍兵学校を思い浮かべる僕など、今どきの三十代としてはちと変わっている類なのだろう。それでもやっぱり「江田島」だもの、緊張する。 五月末のある朝、僕は江田島の海上自衛隊幹部候補生学校にいた。掃き清められた営内で朝の朝…

「飯島」問題、そして嫌韓感情の水面下

ネット散策の醍醐味のひとつは、表のマスメディアに流れる情報をひとわたり渉猟しての比較考証、批評吟味が容易にできるところにある。そのような無名の篤志家たちが実質二十四時間、入れ替わり立ち替わりであまたひしめいて、報道のプロであるはずのマスメ…

ネット言論、という新たな情報空間

*1マスコミは「ボケ」、ネットは「ツッコミ」 普通の国民が生活の中でインターネットの環境を享受できる度合いはここ七、八年の間に急激に高まってきた。それは、携帯電話というもうひとつのIT革命と並んで、おおげさに言えば日本人の情報生活環境にとって…

あとがき (『無法松の影』文春文庫版)

*1 まずは、八年前の自分にしみじみとエールを。 おい、おまえさん、こんなにウブでマジメだったんだなあ。なんとまあけなげに、まっすぐに、いたいけな民俗学者やろうとしてるじゃんか。 『厩舎物語』(日本エディタースクール出版部 現在、ちくま文庫)に…

それぞれの「靖国」

● 「オオツキさん、今度、靖国神社に一緒に行きましょうよ」 日々のならいになっている競馬場の厩舎まわり、そろそろ梅雨にさしかかろうかという蒸し暑さのある夕方、そんな声をかけられました。 声の主はある調教師。あたしと同世代、四十代ももう半ばにさ…

バカは作家でやってくる――飯島 愛を惜しむ

かのミリオンセラー『プラトニックセックス』の著者にして元AV女優、飯島愛ドノは、もはや世渡りとしては完璧に「作家」「文化人」モードに突入、たとえシャレでも「バカ」と呼ぶのはためらわれる雰囲気さえ漂っております。 しかし、彼女は「バカ」であり…

寂聴系

山田詠美に家田荘子、もしかしたら横森理香とか谷村志穂とかまで含めてもいいかも知れない。オンナのもの書きとしてはいささか芸風の違うこいつらにそこはかとなく共通する要素とは、さて、なんでしょう。 答え。瀬戸内寂聴系、ってことなのであります。 何…

保守系オンナの“あイタタタ……”について

あまりと言えばあまりなフェミニズムの勘違いを鵜呑みにして考えなしにものを言う、脊髄反射系バカ女の跳梁跋扈のおかげで、「フェミファシズム」というもの言いも、最近では少しは世に知られるようになってきました。それはすでに「眼前の歴史」として同時…

フェミファシズムの尖兵「コメンテーター」

メディアの現場周辺で「とにかくそう言っておけばさしさわりがない」という程度に空気と化してきた雰囲気としての「フェミファシズム」。その重要な発信源のひとつに、コメンテーターという連中がいます。 こやつらは果たしていつ頃から当たり前の肩書きとし…

上野千鶴子と林真理子――バカ女の総元締めふたり

● 90年代半ばくらいからあからさまに世に跳梁跋扈するようになったわがニッポンのバカオンナの総元締めというのが、あたしの見立てたところ、ひとまずふたりおります。 ひとりは上野千鶴子。もうひとりは林真理子であります。 上野千鶴子の方は、言うまで…

戦争はどうしていけないの? 

*1 戦争はどうしていけないの? という質問でしたね。誰がそんなこと言ってるんでしょうか。戦争、やっていけないものなんかじゃないですよ。やりたければやったらいい。なにがなんでも戦争をやってはいけない、なんてことは全然ない。 日本人は戦争やっちゃ…