1996-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「ベストセラー」をめぐる環境の様変わり

いわゆるベストセラーが作り出されてゆく構造がこれまでと大きく変わり始めているらしいことは、出版関係者ならずともうすうす気づき始めている。『脳内革命』であれ『ソフィーの選択』であれ、あるいは『神々の指紋』であれ、最近数十万部から百万部以上と …

松本智津夫の現在

メディアの舞台での「麻原彰晃」は、いつの間にか「松本智津夫」と呼ばれることになっているようであります。大声を出して興奮したり独語したりで保護房に移されたそうだけれども、今頃になって拘禁反応が出てきたんだろうか、それとも大方の人がうすうす疑…

衆院選、史上最低投票率から学ぶこと

さて、衆院選挙は、どうやら史上最低の投票率で終わったそうであります。 まあ、仕方ないよな、と思う。当たり前だわ、とさえ言いたくなる。そんな投票しろったってどこにどう投票すりゃいいんだよ、って感じなのだ。気取った名前やけったいなインテリアで客…

時代小説と歴史の関係について

*1● 歴史小説、時代小説と呼ばれるジャンルの表現が国民の大部分にとっての「歴史」意識を作り上げる上でどれだけとんでもない力を発揮したか。奇妙な話ですが、そのことについて「歴史」の専門家であるはずの歴史学者はもちろんよく理解していないし、と言…

援助交際の向う側

少し前、「コギャル二人、ホストクラブ借金返済のため売春300回」というニュースに対して、そういういかにも「ああ、いまどきの十代の話ね」という印象を喚起するニュースって果たしてどこまで本当なの? という疑問を呈したところ、何人かの読者から「よ…

飯野賢治さん 後編 

今、最も注目されているゲームソフト会社ワープの若社長、飯野賢次さんであります。意外にもコンピューターよりも音楽、それもビートルズからYMOにハマった妙な小学生だった生い立ちの続きから、はいどうぞ。 飯野 最初はシンセサイザー買おうと思って御…

ブランド狂いの不思議

ナイキのエアマックスを狙った泥棒が流行っているそうであります。早い話が運動靴。何の間違いか、そんなものに一足何万円というとんでもない値段がつけられるほどの人気商品で、だから盗む奴もあちこちに出てくるという次第。 ブランド好きというのは、かね…

「いじめ」を考える

またぞろ「いじめ」が問題になっている。 前々から言っているのだけれども、何でもかんでもこの「いじめ」ってもの言いでひとくくりにするのは、そろそろやめにしないか? もとは「いじめる」って動詞だったものが、「いじめ」って名詞に変形された瞬間から…

手塚治虫という神話

*1 手塚治虫というと、何か“リベラル”で“民主的”な作家の代表のように取り扱われる傾向があります。特に彼が亡くなった後、雨後の筍のように出された玉石混交の「手塚本」においてその語り口はみるみる型通りのものとして形成されてゆきました。 そのような…

『手塚治虫をもっと知りたい』

「アジア」の純真

先週文句を言った尖閣列島の問題の続き。その後、香港にある日本の通信社が抗議船に乗り込んで撮影していた映像がテレビ放映された。でかした。こういう足腰がないとニュースは面白くならねえ。 あの抗議団体ってのが実はほとんど何の準備もないままで、しか…