1993-11-01から1ヶ月間の記事一覧

角川映画について

*1 別に映画とか映像といった分野に携わる人だけじゃなくて、活字であれ何であれ、これから先、本気で何か表現したりいいもの創ったりしようとする人間ならば、この国の七〇年代からこっち、二〇年ばかりの間で角川映画の達成したことと達成できなかったこと…

皇室方面にとっての「事実」とは何か?

● なんてこたぁないやな。 できごと自身は、確かにこれまでならばあまりあり得なかったような脈絡で起こりつつあるらしい。けれども、それらのできごと相互をうまく関係づけ、何か納得いくように説明してゆくための解釈の枠組みってのが、悲しいかな未だ古色…

京都学派の頽廃

有為転変が常態のこの売文業界に、一見細々と、しかし時代の趨勢とは別に必ず一定の政治力を行使し続ける「京都学派」という一派がある。もちろん、歴史的に見ればまた別の意味を持つのだが、しかし昨今ではそのような重々しい思想上の立場を共有したある徒…

真の「郊外文化」は生まれるか。

*1 都市生活者たちが「東京」から逃れて郊外に移り住もうとする動きは、別に今に始まったことではありません。 日本でまず郊外生活を志向したのは、明治後半から大正にかけての知識人たちでした。彼らが「東京」に抱いた疎外感のある部分には、地道に働く農…

全日本アラブ大賞典・讃

*1 神話時代の英雄が暗闇からぬっと姿現わしたような、そんな不思議な雰囲気がアラブの競馬にはある。 正確にはアングロアラブという。つまりサラブレッドとアラブの混血。アラブ血量が25%以上の競走馬をそう呼ぶ。競馬新聞なら血統欄、馬名の頭に小さく…

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民俗学の現状と未来

10月から職場を変わった。 こまごました経緯など他人様は知ったこっちゃないだろうから省く。元いた職場には足かけ五年いたことになるけれども、まわりの方々の思惑はいざ知らず、少なくとも自分としては居心地のいいような環境を作ってきたつもりだったし…

「大学」という場所のいまどき(往復書簡) ③

拝復 お元気そうで何よりです。 いわゆる「おたく」の属性として語られる自閉の問題ですが、自閉それ自体はプラスともマイナスとも言えない、その「自閉」という「手段」=「道具」をフルに活用して達成するべき「目的」が見えない事態こそが問題なのだ、と…

対談・「おたく」と新保守主義の関係について

*1 ● 若い世代が新保守主義へ傾いてる、なんて最近言われているよね。言論という限られたステージにせよ、メディア市場のプロデュースともあいまって佐藤健志や福田和也といった固有名詞も出現し始めて、その「若い世代」の言論のありようとからめて語られる…