1994-07-01から1ヶ月間の記事一覧

30代「論客」的保身の蔓延

村山内閣が成立して半月あまり。マスコミ各方面はどこもこの内閣についてどう距離をとっていいものやら、ほとほと当惑しているというのが正直なところらしい。 新聞の論調をひとわたり眺めてみても、その種の戸惑いはありあり。「こんな内閣ができるようでは…

平山蘆江。着流しで眺めていた世間

ふたりの男が何やらあやしげな物腰で道端にたたずんでいる。 ひとりは中国の人民帽のような帽子をかぶって背中丸めて身構え、もうひとりはこれまたチューリップハットのようなものを頭に乗せて鉄縁眼鏡でしゃがみこむ。ふたりの間には肩からかつぐうどん屋の…

『夏が来る』の風景

*1 のっけから耳に立つもの言いをして申し訳ありませんが、男女雇用機会均等法、いわゆる雇均法以降の世代の若い高学歴女性を、この国の社会は粗大ゴミのように放置しています。彼女たちをうまく使い回すノウハウがないという以前に、彼女たちの「能力」のあ…

熊たちのもたらした言葉――大量生産、大量消費の“もの”に宿る「文化」の凄味

*1 小さい頃、初めて持たされたぬいぐるみは犬と熊だった。ただし、熊は四本足で四つんばいになっていて平べったい顔をしていた。 書店に並ぶテディベアについての本をめくっていると、一九五〇年代に作られたテディベアの中にちょっとした仕掛けで動くよう…

産経新聞