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今年は総選挙の年である。いつ選挙はあるのか。それはもう、任期満了の秋までには必ず間違いなく。誰がどう言おうと真実はこれだけ。そして、それ以上でも以下でもない、とりあえずは。
だが、少し前までは、まるで明日にでも即座に衆議院は解散、そして即刻総選挙、という雰囲気をマスコミうちそろって前面に押し出して煽っていた。まだ煽っている。もちろんその先は念願の政権交代、民主党の天下がいよいよ現実に、というシナリオを想定していたらしいのだが、しかし、予想を遙かに超えてこの麻生太郎という宰相はしぶといらしい。民主党以下野党とそれに従うマスコミ連合軍の大包囲網もとりあえずどこ吹く風。やれ答弁原稿の読み間違えだ、漢字もろくに読めないバカ総理だ、と、軽挙妄動と無責任なら人後に落ちないわれら観客も鼻白むほどのなりふり構わぬバッシングの手口は、かの安倍内閣末期このかたすでに完成系の自動装置だけれども、それでも、とにもかくにも未だ現行内閣は健在。政局政局と浮き足立った衆院解散総選挙もかけ声ばかりで未だその気配もなく、年は明け、それでも相も変わらぬ「支持率低下」「解散総選挙」の提灯持ち報道の垂れ流し。
★比例代表、民主に投票、自民のほぼ倍=内閣支持は18%-時事世論調査
時事通信社が9-12日に実施した1月の世論調査によると、麻生内閣の支持率は
前月比1.1ポイント増の17.8%で、2カ月連続で2割を割り込んだ。 不支持は同0.7ポイント減の64.0%。次期衆院選の比例代表の投票先では、民主党が37.1%で、自民党の21.7%を倍近く引き離した。
定額給付金をめぐる麻生太郎首相の発言のぶれや、渡辺喜美元行政改革担当相の
自民党離党などが麻生内閣や自民党への不信につながったとみられる。衆院解散時期など首相の政権運営にも影響を与えそうだ。(中略)
解散・総選挙の時期については「急ぐべきだ」が51.4%と、「急ぐ必要はない」の36.7%を大きく上回った。
首をひねるはマスコミ一同、安部を引きずり下ろした時はうまく「倒閣」に結びつけられたはずなのに、と、うまくいった記憶が忘れられぬらしく、あれからこっちとにかく何でもありに与党内閣の揚げ足とりを続けていれば、どうせ附和雷同が習い性のわれらが愚民のこと、理屈抜きに「政権交代」こそが正義、めでたく世直しのきっかけと本気で思い始めてくれるはず。だが、ここにきてその肝心かなめ、当のマスコミそのものの地盤沈下がいよいよ冗談にならない水域に達し始めてきた。
在京民放キー局の2008年9月中間連結決算は、景気後退の影響で主力の広告収入が減少し、経常利益はフジ・メディア・ホールディングスを除く4社が前年同期比で減益となった。 このうちフジは、番組制作費を約60億円削減したことや、通信販売子会社の業績回復などが貢献した。TBSの売上高は、東京・赤坂に3月開業した複合商業施設などの不動産事業が押し上げ、日本テレビを抜いて2位となった。
ただ、各社とも番組の間に流すスポットCMが急減しており、本業部門は厳しい。税引き後利益は、日本テレビが半期ベースで約37年ぶりの赤字に転落し、テレビ東京も中間連結決算の発表を 始めた02年以降、初の赤字になった。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20081113-OYT1T00649.htm
常勝マスコミ、新聞はすでに言うに及ばず、テレビの帝国までもがその根太板からゆらぎ始めている。
広告が入らない。スポンサーがそっぽを向き始めた。もともと視聴率なる幻想に成り立つ業界構造、広告宣伝のその効果というやつも、茶の間のテレビに家族誰もが釘付けの昭和からすでに遠く、気がつけば昼ドラから夜のゴールデンタイムまで同じみのもんた級量産物件が取り仕切る右へならえに、もう国民はついてゆかなくなっていた。そして、だめ押しが地デジ。誰が頼んだわけでもないのに、今のままだともうテレビは見られなくなるから新しいテレビと機械を買え、と恫喝攻勢で、まるでテレビ離れを促進するかのような流れになってしまっている現実。
赤字の腹いせに「アナログ」表示で貧乏人へ嫌がらせかよ。
あの「アナログ」の文字は成長するらしい。 たまごっちのように。
地デジの実際
● 家電業界
久しぶりのTV買い替え需要大型喚起が狙い!
⇒コピーガードを含めイマイチ使いにくく、購買意欲が期待に届かない。
● 放送業界
コピーガード強化によりDVD販売など向上が狙い!
⇒そもそも受信機たるデジタルTVの普及率が伸びず、下手すると大幅な実質視聴率減の危機!
またしても民をだまくらかして、旨味を吸うぞ!
⇒まあまあの成果に満足。え?売れてない?そんなのシラネ。
デジタル液晶TVではSDアナログソースはやたら汚く写ります。 スケーリングの酷さとインターレース問題のせいです。 実はブラウン管TVとアナログソースの方がへたなデジタルTVよりまだ描画は綺麗です。 デジタルTVでアナログソース見て騙されないように。
映像屋のオレが言うんだから間違いない。
テレビ受像器はあっても、何も今の地上波番組を映さずともいい。ビデオでもDVDでも、衛星放送でも何でも映し出すモニターとして使い道はある。いや、地上波テレビもかつて茶の間でみんなで見ていた番組ならば、もう一度見てみたい。なのに、いろいろなしがらみがあるらしく、おいそれとそれもかなわぬ夢。
TV局の倉庫には一回放送されたっきりの映像が山ほどあるんだろ? 過去の番組をネットで自由に見れるようにすれば絶対ヒットするのに。 なんでしないんだろう?
著作権がどうこうと言い訳してるからビジネスチャンスを逃す。
昔の番組を観たいと言うニーズがあって、そのニーズに応えれるだけの映像資産があるのにその映像資産を活かさないのは無駄だよな。
みたいCM 。みたい番組 。聞きたい音楽。
テレビ局には大量の資産が眠ってるのに見たくても見ることが出来ない。
著作権なんかうんこだ。
それでも、ひとたび我が世の春を謳歌した記憶というのは、なかなか消えないものらしい。ことここに至ってもまだ、テレビ業界の中核にはこういう「復活」幻想がしっかり宿っている様子。それも許認可事業の元締めに、このようにおねだりしまくるさまは見苦しい限り。
日本民間放送連盟の広瀬道貞会長(テレビ朝日相談役)は17日、テレビ放送の完全デジタル化に向け、総務省が概算要求に盛り込んだ約600億円(3年間で2000億円強)の地デジ対策費を、2009年度予算で確保することなどを含んだ要望書を麻生太郎首相に手渡した。 また、地デジ受信機器の無料配布先として、生活保護世帯のほかに、高齢者や低所得者にも対象を拡充するよう求めた。
(2008/12/17-15:14)
なにが地デジの経費だよ。しっかり国にたかる気満々じゃねえか。
「ニュース」 ネットで見るが、テレビ上回る。
インターネットリサーチ会社アイシェアが20 代から40代のネットユーザーに、パソコンでニュースサイトを見る頻度を聞いたところ、全体の52.2%が「毎日見ている」、21.9%が「毎日ではないが頻繁に見ている」と回答。合わせると74.1%がパソコンのニュースサイトを頻繁に閲覧していた。一方、テレビでニュースを見る頻度を聞いたところ、「毎日見ている」が48.8%、「毎日ではないが頻繁に見ている」が18.2%で、テレビよりもパソコンでニュースを見る頻度が高いことがわかった。
この調査は2008年12月17日~19日に実施、有効回答数は402名。男女比は男性54.7%、女性45.3%。年代比は20代15.4%、30代45.0%、40代32.3%、その他7.2%だった。http://www.excite.co.jp/News/it/20090120/JCast_33921.html
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ものが売れない。本当に売れない。この不況のせいだ、いや、雇用が不安定だからだ、と例によっての甲論乙駁もお約束で。しかし、どうやらそんな単純な理由ではない気配もまた確実に。たとえば、ほら、こんな具合に。
ほんとほしいものがない。十分そろった。あとは壊れたら修理するか、買い換えるかだけど
それも、あと5年くらい後の話。テレビは去年買い換えたばかりだからあと10年くらいは持ちそう。 あえてほしいものは、3輪バイク(トライフ)。2輪の免許なくても乗れるからね。車は維持費がかかるのでいらないし、持てそうにない。
光熱費・家賃・通信費・食費・月1万の貯金。これあれば延々と引きこもれる。
ネットなんかで見かけて「お、ちょっといいかも」と思ったものでも、2、3日もするともう欲しくなくなってるなんてことがしょっちゅうある。
欲しいと思っても1週間我慢したら欲しくなくなる場合が多いから、最近高いものは買わなくなった。俺の財産はほとんど全て松屋に流れる。
時間に余裕のある職がほしい。 実家暮らしで自給自足できるから、社会保険費+税金+生活費払えるくらいの収入で十分。
若い世代にとりわけ顕著なこの傾向。若者がクルマを欲しがらない、ということがニュースになること自体、時代の枠組みが根こそぎ変わりつつある証拠ではないのか。エコで結構ではないのか。もったいない精神はどうなった。しょせん資本主義の世の中、ものを買ってもらわないことにはまわってゆかないことに改めて気づく。だが、もう遅い。気づいたところでもとには戻らない。それくらいわれら日本の「豊かさ」は民草の心根までも、ほら、ここまでおだやかに落ち着かせてくれたのだから。
休みの日は早めに起きて散歩。 軽く掃除して瞑想。
少な目の昼食をとり少々情報収集。 時々携帯で彼女とメールをやり取りしながら
商店街へ買い物。特売品をゲットしてホクホク顔で夕食と弁当の仕込みに入る。
こうして僕ら若者の一日は過ぎていく。
年収300万をキープすれば、男独身悠々自適に暮らして行ける。 半年に一度はゴージャスに遊べるていどの貯えもできる。 まさに江戸時代だな。
日本人は物を購入、消費することで幸せになることから卒業したのかな。消費しなくても精神的な満足感をえるようになったと。テレビ屋さん、広告代理店、困っちゃったね。
若者が戦後を動かしてきた。少なくともそのように世間は思い、若者を育ててきた。若い世代こそが新しい日本をつくる、未来を切り開く。だから身体を鍛えておけ、いまのうちに力を養っておけと、戦争に負けた大人たちは若者に期待をかけ、持ち上げ、支えようとしてきた、いくばくかの贖罪意識と共に。高度経済成長の豊かさもまた、そのような若者たちの自由の拡大に最も寄与してきたし、それこそが明るい未来をつくりだす原動力、のはずだった。だが、しかし……
若者であることは得なのか、損なのか。
・・・、ある時期を境に「若者であることは別に得ではない」という時代になってしまったのだ。そう。人知れず。そういう時代になってるんですよ。 若者であることが損とまでは言わないが、若者が得だとはいえなくなったのだ。
困ったことに、上の世代はそれに気づいてない。 「考えると、若者のときはよかったなあ」と考えている世代が、いま日本の上のほうにどーんと存在している。その下に「なわけねーじゃん」とおもいつつも、説明したって通じないから、黙ってやり過ごしてる連中がいる。上から「若いんだから」という言葉が出るたびに、(ほんとにもう、少しは考えろよ)と心の中でひたすら嘆息してる連中であふれてるのだ。若い連中は、黙ってる。やんわりとだが若者は殺されてゆく。
堀井憲一郎「若者殺しの時代」まえがきより引用
今の20代30代はロスジェネだからね。普通なら、車の2台くらいは買って友達と遊んだり結婚していろいろ消費してた世代。しかし、非正規雇用の拡大と低賃金化、年金の崩壊で全然金使えないし結婚もできずに、ひたすら修行僧のように何も使わないで過ぎてゆく。 この時期に結婚して子供を持たなかったら、もう一生結婚することもないだろう。 日本の経済は、今後30年はリセッションだよ。
クルマも、酒も煙草も、麻雀も競馬も、女遊びも恋愛も興味がない、だから結婚もしない、そもそも必要がない。確かにカネはない、仕事もどうなるかわからないし、明日が今日よりよくなるとも思えないけれども、そんなことよりとりあえず今の自分はそれほど困っているわけでも、実はない。欲を出せ、上をめざせ、先行きを真面目に考えろ、と言われても、この暮らしそのものが嫌なわけでもなし。何より、そうやって生きてきた上の世代、大人たちのありさまを眺めていると、ああ、そんな風に大人になるのはあんまりありがたくないなあ、と思うしかない。だったらなおのこと、今のこの自分、この暮らしの範囲でささやかに生きるのが最善策かも。
給料は上げられません。景気回復のため消費してください。
何これ……
エコエコ言っといて消費しろって矛盾してるよな。ものを買わなけりゃゴミも出来ないんだし製造工場なんかも稼働しなくて済む。これこそ一番手っ取り早いエコじゃん。
価値観が多様化してる中、共通認識としてあるのは、「中年オヤジみたいになりたくない」という思いだな。20代30代はみんなそこは同じように思ってる。要するに、中年文化を否定されてることに気づいてくれ。10代がどう思ってるかはわからん。
果てしなく欲望を刺激し続けることで維持されてゆく煮詰まりきった資本主義のからくり。バビロンシステムと呼んだ者もいた。人みな煩悩の子、さまざまな欲、得、虚栄心などがからみあい、それでも生きてゆかねばならぬから世間だったはずだが、しかしどうやら少しずつそんな世の中から解脱してしまう暮らしぶりが静かに広まっているのかも知れない。それが本当に良いことか悪いことかは別にして。
買わないモノは広告打っても無駄。
なんか物欲最高潮ハイテンションになる→2chの該当スレをチェック→ネガな部分が見えてくる→なんだか萎える→結局買わない、のループ。
仕事帰りの駅の天玉ソバが旨えwwww。帰ったらサバ缶レンジで温めたのを肴に、4リットル売りの特売ウイスキー飲みながら2ちゃんやって、そんで寝る。
セブンイレブンの100円冷食のギョーザとチャーハンとうどんのローテで乗りきる。 欲しいもの我慢し続けるとそれがデフォになってモノを欲しがらなくなるよね。 俺みたいなやつ増えたら資本主義終わるだろうなぁ。
ネットって結局、新しい価値や市場を創造するんじゃなくて現実的な欲求を擬似的に代替するだけの存在だった。そりゃ消費も減るわ。
物欲がなくなっていくというより物に対する価値が別の「もの」に移ってるんだと思う。俺はこれを人類の脳の進化ではないかと推測する。