テレビの終焉

 テレビはもうすぐ「地デジ」に移行しますよ、今のアナログ放送にしか対応してないテレビじゃ見られなくなりますよ、と必死の宣撫工作が、なんともうとましい昨今です。お上のご意向もあり致し方ないのでしょうが、でも、それってすでに「狼少年」状態。めんどくせえなあ、そんなにうるさく言うんならこれがいっそいい汐、こちとらテレビなんか見なくても一向に構わねえんだぞ、とヘタなタンカのひとつも切りたくなる感覚は、案外もう浸透し始めてるような。

 実際、レンタルソフト市場じゃ、すでに海外ドラマが相当の比率を占め、インターネットを介した動画配信も、ブロードバンド環境の普及とあいまってほぼ何でもあり。茶の間と団欒がほのぼのとあり得、テレビもまたその中心に鎮座できていた「昭和」の御代ならいざ知らず、いまさら何が悲しゅうて、スポンサーと代理店独裁の広告まみれ、見事に偏りまくった報道に大手プロお仕着せの電波芸人たちの空騒ぎ、果ては犬も食わない韓流モノくらいしか映さなくなっちまって久しい地上波テレビの番組を、ありがたがって拝み見なきゃいけないのよ、てなもんです。

 聞けば、頼みの綱の広告収入自体、激減しているとか。ってことは、ギョーカイエリートたちの高給バブルも根太板から腐り始めているわけで、新聞・雑誌も同様ですが、いずれ図体ばかりふくらんで自浄作用の効かなくなって久しいこれら既存のレガシーメディアの棚落ちってやつは、ある時期からつるべ落とし、かつ不可逆的に始まるはず。その時を、いや、刮目して待ちたいものでありますなあ。