バカとはさみは……

 バカとはさみは使いよう、というのを思い出しました、ほんと久しぶりに。

 代議士はわれら国民の一票によって選ばれしもの。ですから、与党であれ野党であれ、バカな議員を選んだこっちも確かに悪い。でも、そうか、選んじまったバカの使い道ってのもなるほど、こういう形であり得るかもなあ、と気づかされたのが、「小泉チルドレン」(笑)杉村泰蔵センセの「造反」劇、です。

 十把ひとからげでうっかり当選しちまったかのチルドレンの中でもそのバカ……あ、いや、天然のキャラ立ちで、また何かやらかしてくれるかも、という期待が増幅、一時はワイドショーからも追いかけられるくらいの人気者に。

 それが今回、なんと「飼い主」の武部幹事長に正面からかみついたそうで。チルドレンまとめて総裁選で福田サンを支持するよう仕向けられた、とキレて、「派閥」依存の「旧自民党」批判を展開、武部サンから「出てけ!」と怒鳴られたとか。客寄せパンダのしつけ&飼育係がいきなりパンダにかみつかれてびっくりしたんでしょうが、でも、この件に関して“だけ”はタイゾーセンセ、ひとまず正論。その数日前まで仲間を募って小泉元総理に再出馬要請、チルドレンごと「派閥」まがいの動き方する旗振りやらかしてた支離滅裂さも、そのステキなバカぶりに免じて、あたしゃこの際、眼をつぶってもいい。

 そう言えば小泉サン、はっきり申し渡してましたっけ、「君たちは使い捨てだ」って。使い捨て上等、というバカの捨て身こそが改革の原動力、議員バッジなんぞにこだわって保身に走るとあっという間に国民にそっぽ向かれるぞ、という意味だったかと。でも、その真意をちゃんと受け止められたのは、結構なキャリアエリートひしめくチルドレンの中で最もバカ……もとい、天然キャラのタイゾーセンセだけだった、ってことでしょうか。 こうなったらもう、誰もついてゆけないくらいのバカ、になりましょう。次の選挙をどうするか、なあんて小せえ小せえ。本宮ひろ志のマンガよろしく、とびっきりのバカに迷わず徹して、いつか総理を、と夢み続けるタイゾーセンセをこそ熱烈希望、であります。