実効支配(笑) 

 つまり、「実効支配」って言い張ればいいってことですね。早い話が居座り、居直り、ゴリ押しの横紙破り、としか見えないんですが。でもまあ、既成事実頼みの面の皮千枚貼りには勝てないわけで。

 竹島の話です。ほんとに、どうしてこういう類の面倒ばかりあの方角で頻発するのか。そもそも、どうしてこの緯度この経度にわが日本列島が存在するのか。国土の地政学的位置からして恨みたくなります。

 かつて、敗戦後の焼け野原では力の強いものが勝手に縄張り囲って「実効支配」、そうやってなしくずしに自分の土地にしていった、という伝説的な経緯を、それから六十数年後、二一世紀のこの時代になお現実にその手口ごと目の当たりにできるとは、まったく貴重な同時代体験。歴史教育歴史認識の、そして真の異文化理解のための生きた教材ですね。ぜひ、学ばせていただきましょう、しっかりと。

 よろしい、ならば戦争だ、と、にっこり笑ってタンカ切ってしまえるのなら、どれだけわかりやすいか。たとえば、かつてのフォークランド紛争の時のイギリスみたいに。でも、そこまでの手間と費用と犠牲を払ってまで「取り戻す」べきものかどうか、という「政治」も勘案してしまうのは、こちとらがもう「オトナ」だからか、それとも単に「戦後」にキンタマ抜かれちまってるからなのか、そのへんもう、自分でもよくわからなくなってます。

 そうこうしていたら、竹島どころじゃない、なんと対馬まで「もとはうちの敷地だ」と言い出しかねない気配も。「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」、と「オトナ」の顔ばかりしていて、わが国土と同胞の安全と生存が本当にこの先、確保してゆけるものかどうか。「戦後」の終わりが明らかになってきた昨今、本腰入れて考えねばならない時期に、やはりさしかかりつつあるようです。