2000-02-01から1ヶ月間の記事一覧

いまどきのブンガク・まえがき

いまどきの「ブンガク」―瀕死の"純文学"から"やおいノベルズ"まで (別冊宝島 (496))宝島社Amazon*1 「文学」というのはよくわからない。そもそも、何をもって「文学」と言うのか、未だにちゃんと納得のゆく説明をわかるようにしてもらったことがない。なのに…

いまどきのブンガク

オンナのためのポルノ・林真理子

林真理子は、オンナのためのポルノである。 出世欲、名声欲、物欲、ついでに性欲全て丸出し。どんな人間でも普通は隠しておくはずのうしろ暗い部分を、あっけらかんと世間の前に放り出す。しかも「オンナ」というキャラに用意周到くるませながら、「全てわか…

いまどきのブンガク

「ノンフィクション」という被差別部落

えー、なぜか誰もはっきりとは言わないんですが、おなじもの書き稼業とは言いながら、ルポルタージュとかノンフィクションという分野はブンガクのそのまた下、ほとんど被差別部落みたいなものであります。で、被差別部落であるがゆえに、ブンガク幻想はその…

田中康夫ブンガク、はこの先、生き残れるか?

田中康夫と言えば、東郷隆である。 と言っても何のことやらわからないだろうが、今や歴史小説界隈の新星として評価される東郷隆の初期作品『定吉七番』シリーズの第二作『ロッポンギよりから愛をこめて』に、ほとんど準主役級の扱いでわれらが康夫ちゃんが登…

いまどきのブンガク

片岡義男の本領

昨今、古本屋の軒先、ひと山いくらの文庫本の中に、片岡義男の作品は埋もれている。角川文庫だけでも無慮八十タイトル以上。それだけ出しまくったんだから一冊百円にしかならなくて当たり前、なのだが、それでもその中味は決してひと山いくらの代物ではない。…

いまどきのブンガク

野坂昭如・頌

野坂昭如がお手本だった。何が、って、ほれ、とにかくおのれの書きたいようにものを書いて食ってゆく、そんな夢のような世渡りの、だ。 直木賞受賞作で後にアニメにもなった『火垂るの墓』が彼の作品であることを知らない人も、もはや珍しくない。あれって宮…

いまどきのブンガク