たけしを国会へ!

ったく、何ひとりでトチ狂ってんだよ、オッサン。

いや、失敬。あまりのことに不肖大月、ちと平常心を失ってしまいました。(そんなもん、何かありゃじきにそこらに放り出しちまうくせに、との声もありますが)

自民党国会議員のセンセイが「ビートたけしを国会に呼べ」とかみついたそうであります。この一件の報道では一番槍の『毎日新聞』赤松幸司記者によれば、この議員は村上正邦というセンセイ。比例区選出で地元は福岡県。聞けば参議院自民党の親分格というが、10日放映のたけしの番組『TVタックル』(テレビ朝日系)での彼の発言をとらえてのプッツンらしい。

たけしが果たしてどんなことを言ったのかがわからないのでそのへんは留保しておくけれども、しかし、それにしても情けない。何がかって?決まってらあ、天下の国会議員がいちいちテレビでのお笑いタレントの発言にトサカにきてタチの悪い恫喝かけるってことがだよ。恫喝? おお、そうだよ。「いくら言論の自由があるといっても、参議院は国民の目線で真剣に取り組んでいる。侮辱があれば対応措置をとる」ときたもんだ。参議院無用論なんて以前からずっと言われてきていて、今さら何も目くじら立てるほどの代物じゃないはずだろうに。 おもしれえや。ここはいっちょたけし、ぜひとも国会に出てやんなって。何ならいつものハゲヅラかかぶりもので。そんなたけしに向かってこのセンセイ方がどんな質問をどんな風にするつもりか、とくと拝見したいもんだ。

な、だから言わんこっちゃない。こういう心得違いするオヤジが出るに決まってるから、ここんところのTBSの問題や、以前のことを蒸し返して申し訳ないけどテレビ朝日の「偏向報道」の問題なんかをきっちり自前で、現場の倫理でカタつけておかなきゃヤバいって言ってるんだわ。

案の定TBSはTBSでどんどんワイドショー枠を放棄し始めている。何やってんだよ。ここでふんどし締めてちゃんとした責任あるワイドショーをやってみせないことにはあんたらこの先ずっと政治やら国会やら役所やら、何にせよそういう「エラい」方面からナメられっぱなしになるんだぜ。それでいいんかい?

さあ、ジャーナリズムのみなさん、こういう時こそきっちり支援しないといけませんぜ。何も「言論・報道の自由」なんて能書きを言わなくていい。たけしを国会に喚問してもらう広汎な運動を起こしましょう。この際、俗悪番組の見本と言われる『進め!電波少年』あたりとも共闘だ。ああ、こんなもんわざわざ呼んであやまらせたりするんじゃなかった、と国会議員のセンセイ方に後悔させる。「自由」の守り方ってのはそういう風にやるもんだと思うぞ。