さて、いよいよ最終回であります。ったって、別段変わった趣向もないんすけどね。
NTTが公衆電話を撤去し始めているという話を、最近あちこちで耳にする。
さすがに電話ボックスは後回しのようだけれども、そこらの店先に置かれている公衆電話などは気がつくとほんとに数が少なくなっている。ガキから年寄りまでとにかく携帯電話持たせちまってカネ絞ろうって魂胆なのか、それとも偽造カードの対策が大変で開き直ったのか、誰かほんとのところを教えて欲しいもんであります。そう言えば、鳴り物入りで導入されたパチンコのプリペイドカードも偽造カード乱発されてみっともないことになってるしなあ。こういう磁気メディアも、そろそろ「ほんまにアテになるんかいな、それ」とみんなでツッコミ入れていい頃だと思う。*1
だって、これから先は電子マネーだ、紙の紙幣なんかなくなるぞ、てなどう考えても眼の焦点のブッ飛んだ議論を考えなしに垂れ流してる専門家っていやがるじゃないすか。これだけ通販カタログと電話とコンビニとクレジットカードが普及しちまってる国でなんでわざわざパソコン使って買物せにゃならんの。「これからはニューメディアだ」と広告代理店とつるんで提灯持って回り、通産省や郵政省にとりいって偏差値勝者の若手官僚共と勝手な図面まで引いてやがるこれら電脳詐欺師の行状とその末路ってやつは、これから先、じっくり見届けてやろうと思っとります。
そりゃこの不景気なご時世のこと、雑誌やテレビなどはコンピューター関係の広告収入が大事だろうから、そんな電脳詐欺の楽屋裏なんかまずバラされないだろうけどさ。でも、みんな実感としてはもうわかってるはずだもんね。世の中、そんな専門家とやらの筋書き通りに動きゃしないっての。だったら、その動かないあたりをその場その場で微妙にすくい上げながら、世間の素朴な実感に根ざした言葉にして伝えようとしてゆく、口はばったいけど、それがあなた、ジャーナリズムの心意気ってもんじゃありやせんか?「忙しくって」だの「仕事ですから」だのを言い訳に、日々の仕事がラクに流れることだけを考えてたら、他の稼業はいざ知らず、こういうメディアの商売なんてそりゃいくらでもダメになりますって。これ、ほんとっすよ、編集長。
連載が始まって九ヵ月。その前の「どれくらいニュースかな?」から数えても足かけ二年と三ヵ月あまりの限られた期間でしたが、いずれこんな身じまいの悪いがさつな野郎の悪態とおつきあいいただき本当にありがとうございました。誌面刷新は雑誌の常、ここはひとまず笑っておさらばであります。ご縁があればまた、どこかでお会いしましょう。あ、そうそう、実にいいノリのコテコテのイラストを描いてくれた西山さとし画伯にも忘れず熱い拍手を。
てなわけで、ちと早いですが皆様、来年こそはよいお年を! そしてお元気で!