スーフリ騒動、炸裂中

 早稲田の強姦サークル、スーパーフリー祭りですが、【サイバッチ!】が例によって誤爆しながら驀進中、ですねえ。いや、善哉善哉。大本営のみならず、どっちかというとインデプス寄りの蛆虫・便所虫・南京虫などからも、こんな声が聞こえてきています。

 「今回だけは、週刊誌以下、マスコミ正規軍の正面突破の取材だけじゃ、とても事態の進展についてけませんよ。スーフリネタにさける人数は限られてるのに、ネットであがってくるネタは洪水みたいに多くて、と言って、それをいちいちウラとったり洗ったりしてる手間なんかかけられないし、何より時間に追われて間に合わない、と。くやしいけどウラとりなしで書き飛ばせる【サイバッチ!】が、正直うらやましいです(笑)」(某紙遊軍の蛆虫22号)

 『週刊ポスト』が、スーフリのご乱行の証拠写真だ! とばかりに、単なるコラを大々的にグラビア扱いにした一件も、直前に【サイバッチ!】も同じチョンボやってるんですけど、こういうネタには強い Kamezo がすぐに気がついて速攻で土下座して訂正してますしねえ。なんか小学館の一部じゃ、【サイバッチ!】関係者はみんなシメる!、と息巻いてる向きもあるらしいですが、表看板でステイタスのあるメディアが、同じ蛆虫流儀で速度についてゆこうとすると、こういう出会い頭の交通事故もおこるってことで。

 あ、だからってグラビア担当者いじめちゃだめっすよ。これでおまえも蛆虫並み、こんなのはいまどき向こう傷だからもっとやれ、くらいの器量見せてハッパかけてやってくださいまし(笑)

 サツまわりや官庁関係などのオフィシャル情報は【サイバッチ!】界隈の弱点なんですが、逆にメディア同士の思惑や業界事情で縛られるネタには強いです。っていうか、今や断末魔、見る影もなく取材力も労働意欲も減退しているあの『噂の真相』だって、かつては立派な蛆虫メディア、「タブーなき言論」とか何とか能書き言っても今よりはずっと凄味があったもんですがねえ。まあ、あそこの編集部もこの【日刊プチバッチ!】を三人くらいは講読してるらしいんで、ひとまずほめておきましょう。

 そう言えば、話題になってた『ボウリング・フォー・コロンバイン』、あたしゃ最近ようやく観てきたんですが、なるほど、まわりから聞かされてた通り、あのマイケル・ムーア、あたしゃ他人とは思えませんでした(笑)。アメリカの「電波少年」みたいなもんだよ、みたいな評価も一部にはあったようで、あのテリー伊藤なんかもそういう文脈で激賞してたようですが、あたし的にはそれってちょっと勘違いなんじゃないかなあ、と。

 ここで能書き言ってもしょうがないんで、ざっくり要点だけ言いますけど、あれってかのシカゴ学派からスタッズ・ターケル文化人類学界隈のエスノグラフィー理論の進展や、さらにはかつてのニュージャーナリズム(ニッポン流のじゃなくて本来の、ね)なんかまで含めたアメリカの〈リアル〉をめぐる膨大な過程を補助線にして初めて理解できるもんなんじゃないかなあ、と思うんですよ。そういう意味じゃ、ロードムービー的な内実もほの見えたりして、なんか【サイバッチ!】主導でああいうのこさえてもいいなあ、とか思いましたね、マジで。

 キーワードはあれって「階級が存在する」「貧乏がそこにある」でしょ。谷川雁が生きてたらぜひとも見せたいくらいのもんです。


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 あそこに出てきた自動車産業衰退後のデトロイトとその近郊なんて、ニッポンだと筑豊とか北九州、釜石や室蘭みたいなもんで、そういう荒涼とした「風景」を切り取れないオモテのメディアの速度と、それをどうしようもなく皮膚感覚で察知してしまうムーアの身体とが、いいバランスで均衡しているからこそのあの味わい。ずっと前、アメリカの大学院に貧乏自腹留学(笑)してた頃、トレイシー・チャップマンの「FAST CAR」のビデオクリップなんかで、そういうアメリカの「貧乏」「階級」をまるごと理屈抜きにわからされたりしたあたしとしては、ムーアの切り取る「風景」には妙な親近感があります。そう、このところ軒並みつぶれ始めてる地方競馬の信じられないくらい「貧乏」に染まった厩舎界隈を歩いてて、一方で何か大きなレースがある時だけは集まってくる競馬マスコミのはしゃぎ具合との落差に感じた違和感なんかも、きっとムーアならば共感してくれるはず、と確信しましたね。きっと海の向こうの戦友、のはずです。

 テリー伊藤歴史認識問題でもそうでしたけど、今回のスーフリ事件でも、なんか関係者擁護に等しいこと言ってたりで、結局広告資本のゼニがジャブジャブに流れているテレビや雑誌界隈でだけ呼吸してきた才能であることの限界、ってのがもう見えてきてるんじゃないか、と。ムーア個人がどうかはあたしゃわかりませんが、でも、少なくともアメリカのマスメディアのありようというのは、ニッポンみたいな広告資本独裁で一本化されちまってるようなものとはまた別の、身体張った抜け道もあるんじゃないか、とこれまでの乏しい見聞から感じているんですよ。だって、一歩間違えたらホールドアップのガン天国で、あんな突撃取材やらかして、アカデミー賞の授賞式でもハッタリかまして半分からは支持される社会なわけですから、そういうどこか底の抜けたところのある管理のありよう、ってのは、ある意味ニッポンのメディア界隈よりはまだ風穴のあけようがあるのかも知れないなあ、と思ったりしました。



 スーフリ界隈の取材、できることからコツコツと、というわけで、サツネタその他の大文字のデータは新聞記者や週刊誌記者などに任せて、それ以外の外道なソースからの仕込みをもっぱらやっております。

 そんな中、テレビなんかがデータ仕入れるのに使うしかけと遭遇しました。インフォプラントっていう会社なんですが、ネットを介して簡単な調査依頼を代行してくれるという仕掛け。スーフリ関連の依頼がほとんどのテレビ関係、報道系列から入っていました。その他、いわゆる生活情報系というかワイドショーネタなんかになっているものも、だいたいここにまず声かけるようですね。少なくとも民放はたいていそういうもの、らしいです。