草ラグビーはつらいよ

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 ラグビー人口が減り続けています。花園を狙うような高校の名門チームでさえも人数が揃わず廃部になったり、寄せ集めの合同チームを組んで何とか大会に参加するのが珍しくない。トップの社会人チームの方は、今年度から全国リーグに編成変えして心機一転、巻き直しを図っていますが、それらを支えるピラミッドの底辺、そこらの草ラグビーチームからどんどん人がいなくなっているのは痛ましい限りです。
 恥ずかしながらあたしももう足かけ二十年近くそんな草ラグビーの末席を汚しているのですが、たまの日曜、河川敷での試合を組んでも時間ギリギリまでメンバーが集まらないこともしばしばで、互いに顔を見合わせては「おい、おたくはあと何人?」と何やら雀荘でメンツの揃うのを待っているような風情。フッカーだのプロップだのスクラムハーフだのといった特殊なポジションはなおのこと人材不足で、週末になると手配師よろしくそんなポジションを埋めるために心当たりを探し回るのが、世話役の仕事になってたりします。
 もともと少子化の流れがあり、チームスポーツを好まない昨今の子どもの風潮、そしてサッカーや野球などいまどきのメジャースポーツとしての地位獲得に決定的に出遅れたというラグビー固有のお家の事情もあります。ただ、下っぱの野良ラガーとしてひとつ言わせてもらいたいのは指導的立場にあるはずのラグビー協会の方々のアタマの古さ、固さであります。
 15人という、チームスポーツでも一、二を争う多人数を集めないことにはゲームにならないのに、協会主導の大会ともなると、やれリザーブも揃えろだの、それ以外にもメディカルやタッチジャッジ、ウォーターボーイに至るまで選手と別に用意しろだの、ヘッドキャップやスパッツなどの道具に協会公認のタグがついていないとダメだの、いやもう、大変です。紳士による無頼漢のスポーツ、という伝統を守りたいのは結構ですが、いいトシこいてまで河川敷走り回る無名のラグビーバカたちあってこその協会のはず。そんな野良ラガーたちからも見放されるニッポンラグビー、にならないことを、あたしゃ祈るばかりです。

*1:東京スポーツ』掲載原稿、だったはず。