フジテレビの「報道」って?

 それはひょっとしてギャグで言っているのか???

 「魁!!クロマティ高校」の名セリフが脳裏をよぎった者の数、日本全国で数百万人(推定)。ライブドアの「敵対的買収」の標的にされたフジテレビ村上光一社長の記者会見での発言に対して、であります。

 「ニュースはただおもしろおかしくやればいいのではない」
 「他の民放の報道番組は、あまりにもちゃらちゃらしている」

 さすが、かつて「おもしろくなければテレビじゃない!」と開き直り、お笑い&バラエティでバブル期このかた仁義なき視聴率戦争に血道をあげてきた「ザ・民放」フジテレビの社長、身体を張ったギャグとはこうだ! と率先垂範したんでしょう、きっと。

 ならば、そのフジの報道ってどうよ。まずは朝5:25から朝オビの看板「めざましテレビ」に続いて、小倉智昭の「とくダネ!」が10時まで。その後夕方5時からの「スーパーニュース」、深夜11:30に「ニュースJAPAN」と、定時ニュースを別にすればざっとこんな具合。でもこれ、TBSやテレビ朝日と比べて報道、薄いよねえ。まあ、みのもんたの軍門にくだってオバハン視聴者の歓心を買いに走る他局よりは、バブル期系の「若者」幻想ひきずる吉本とジャニーズ頼りなのがらしいっちゃらしいけど。

 他人の不幸は鴨の味、はマスコミの基本的体質。良し悪しじゃない。今回の騒動でも他局が買収されてたら真っ先かけてちゃらちゃらしてたでしょ? で、そんなフジだからこそ信頼されてるのに、というあたりの機微を社長、あんたわかってない。木村太郎安藤優子筑紫哲也古舘伊知郎よりマジメに報道やってる、だから電波の公共性が、なんて悪い冗談。フジの本領はちゃらちゃらです。大マジメにちゃらちゃらする、そんな報道を本気でやる、それこそが民放の本領なんだ、とここは敢えて苦言を呈しておきます。