『嫌日流』について

もともと出ると言われていた金聖母(キム・ソンモ)ではなく、別人の佯病説(ヤン・ビョンソル)という人が描いたものが同じタイトル「嫌日流」で先に出回っているようですね。「佯病」ってのは仮病なりすまし、って意味だと思いますが、それはともかく。

まあ、基本的には、どんどんやりあえばいいんじゃないですか?資料をもとにした議論と論理でどっちが正しいのか言い合うのもそれはそれでどうぞ、ですし、互いの置かれている情報環境の違いを認識することにもなって、メディアリテラシーの向上につながるはずです。

活字や映像でなくマンガというメディアを介してこのようにやりあうことの効果も、また別にあります。たとえば、自分たちのセルフイメージがどのようなキャラクターで描かれ、また「向こう側」がどう表現されているか、言い換えれば「敵/味方」や「正義」がどのように表現されるのか、というのを互いに知ることになりますよね。そういう自省の効果は、少なくともこちら側の一部、いわゆる「嫌韓厨」に対してはあると思いますよ。

嫌韓流」の絵柄が富樫義博などの影響を感じる同人誌系としたら、この流出版「嫌日流」は着色ということもありますが微妙にアニメ系に振れているような印象ですね。マンガが単なる消費財としてだけでなく、どこかファインアートの脈絡で理解される、その意味ではヨーロッパなどと共通の素地があるんでしょう。だからマンガ家といっても「芸術家」という自意識が強いんじゃないですか。これは台湾や香港などでもそうですが。そのへんも含めて、マンガで言論、の背景もまた違うということを考えておいていいと思います。

http://d.hatena.ne.jp/boutarou/20060207/1139249572


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